無能だと追放された「雑用係」のハル、現代の知恵(ライフハック)を駆使したら、呪われた魔王城が聖域化して伝説の賢者と呼ばれ始めた

ユネ

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第8話:10円玉の守護神と、空き瓶の太陽

レストランには毎日、お城を彩る美しい花々が飾られています。
しかし、カレンは不思議そうに花瓶を覗き込んでいました。
​「ハル様、また不可解な現象が起きています。この花瓶、一週間も経つのに水が全く腐らず、花も瑞々しいままです。……もしや、時間を止める禁忌の術を?」
「いえ、カレンさん。ただの『銅貨』ですよ」
​私は花瓶の底を指差しました。
​「水の中に銅貨(10円玉相当)を1枚入れておくだけで、銅イオンが溶け出し、雑菌の繁殖を抑えてくれるんです。切り花が枯れる原因の多くは、茎の切り口で菌が繁殖して水を吸えなくなることですから」
​「ドウドウ貨が、菌を滅ぼす聖なる金属に……!? 安い硬貨一枚で、植物の命を繋ぎ止めるなんて……」
​驚愕するカレンを横目に、私はさらに暗い廊下に「照明」を設置することにしました。
• ​透明な空き瓶に水を入れ、そこに数滴の牛乳(または白い濁った液体)を垂らします。
• ​その瓶を、屋根の小さな天窓にはめ込みます。
​「……ハル様、瓶を屋根に埋めて、雨漏りでもさせるつもりですか?」
「見ていてください」
​太陽が真上に来た瞬間、暗かった廊下がパッと魔法の光に包まれたように明るくなりました。
​「なっ……!? 太陽の光が、瓶の中で膨れ上がって……!?」
「これは『ペットボトル太陽光(ソーラーボトル)』の応用です。水で光を屈折させ、牛乳の濁りで光を乱反射(散乱)させることで、一筋の光を部屋全体に広げているんですよ」
​「魔法の魔石(ライトストーン)を使わずに、太陽の光を捕まえて部屋を照らす……。ハル様、あなたは本当に、この世界のルールを書き換えてしまうのですね……」
​カレンは、光り輝くボトルの下で呆然と立ち尽くしていました。
​その頃、勇者パーティーの拠点は。
​「クソッ、飾った花が一日で枯れて腐った臭いがするぞ! 呪いか!?」
「勇者様、魔石の灯りも切れましたわ……。暗すぎて自分の足元も見えません……」
​彼らは、ハルが毎日こっそり花瓶に「10円玉」を投げ入れ、窓辺の「ホコリ」を拭いて光を取り込んでいたことなど、最後まで気づくことはありませんでした。
​今回のライフハック:【10円玉で切り花延命&ソーラーボトル】
• ​解説: 銅には強い殺菌作用があり、水中の雑菌を抑えます。ぬめり防止にも有効です。
• ​ソーラーボトル: フィリピンなどの電気が通っていない地域で実際に使われている知恵です。直射日光を水の屈折で室内に広げるため、電球1個分ほどの明るさが得られます。


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