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第9話 ボス、崩れ落ちる
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エレベーターのドアが開き、2人は博士の部屋の前まで歩き出す。
道すがら、部下はポケットに手を突っ込みスイッチを入れる。
膝から崩れ落ちるボス。
そこには、爆笑する部下と床に伏したボス、どこからともなく聞こえる鈴虫のような綺麗な音色だけが存在していた。
部下がスイッチを止め、にやにやしながら床に手をつくボスを見ているとすぐ近くのドアから博士が顔を出していた。
「これは一体何の騒ぎかな?」
博士は尋ねる。
「ちょっと疲れてましてね。つまづいてしまっただけです。」
ボスはクールに答える。
「そうか、そうか。君たちも大変だねぇ。」
そう言うと、博士は小走りでボスに近づき、そっと手を差し伸べた。
「ありがとうございます。」
そう言いながら博士の手をしっかりと握るボス。
綺麗な女性に起こしてもらえるなら、転ぶのも悪くないな。
そう思った時、不服そうな部下の顔が見えた。
そこから何が起こるのかボスには瞬時にわかったが、もう遅かった。
あひん。といいながら腰が砕けるボス。その前傾姿勢のまま倒れ込んでしまった。
「おやおや、君も大胆だね~。」
博士は、ゆったりと言う。
ボスが博士を押し倒すような姿勢になったのも束の間、部下はボスの体を足でどかし、博士に非礼を詫びる。
「いやいや、全然いいんだよ。むしろ、ボスなら大歓迎さ。」
博士の言葉に、いやぁはははと照れながら笑うボス。
部下はまたまたポケットに手を入れた。
立膝の姿勢で床に倒れるボス。
今回は、博士を押し倒してしまった反省を活かし、床に手をつかないようにする配慮。
これは一朝一夕でなし得る物ではない。
「おいおい、今日はどうしちゃったんだい?ボス?」
流石に博士も心配そうな表情をする。
「お気になさらず。」
ボスは気力を振り絞って、声を上げる。
「まぁいいか、とにかく部屋を用意しておいたから、そこで休むといい。兵器の紹介は明日でいいだろう?」
博士の温かい提案をボスは快く受けた。
あぁそうそう、と博士は思い出したように言った。
「悪いんだが、今かなり部屋を使っちゃっていてね。一部屋しか空きがないんだ。だから、まぁ、あんまり大きな音を立てないでくれたまえよ。」
そう言いながら、博士は部下にウィンクをした。
「いつもありがとうございます、博士。」
そう言いながら、部下は博士に抱きついた。
部下が抱きつくと同時に、博士は部下のポケットに小さな鍵をするりと入れた。
この一連の動作はボスに全く見えていなかった。
「大きい音なんて立てませんよ。それじゃありがたく部屋を借りさせていただきます。」
そういってボスと部下は部屋に向かう。
あたりに夜の帳が下りてゆく。
道すがら、部下はポケットに手を突っ込みスイッチを入れる。
膝から崩れ落ちるボス。
そこには、爆笑する部下と床に伏したボス、どこからともなく聞こえる鈴虫のような綺麗な音色だけが存在していた。
部下がスイッチを止め、にやにやしながら床に手をつくボスを見ているとすぐ近くのドアから博士が顔を出していた。
「これは一体何の騒ぎかな?」
博士は尋ねる。
「ちょっと疲れてましてね。つまづいてしまっただけです。」
ボスはクールに答える。
「そうか、そうか。君たちも大変だねぇ。」
そう言うと、博士は小走りでボスに近づき、そっと手を差し伸べた。
「ありがとうございます。」
そう言いながら博士の手をしっかりと握るボス。
綺麗な女性に起こしてもらえるなら、転ぶのも悪くないな。
そう思った時、不服そうな部下の顔が見えた。
そこから何が起こるのかボスには瞬時にわかったが、もう遅かった。
あひん。といいながら腰が砕けるボス。その前傾姿勢のまま倒れ込んでしまった。
「おやおや、君も大胆だね~。」
博士は、ゆったりと言う。
ボスが博士を押し倒すような姿勢になったのも束の間、部下はボスの体を足でどかし、博士に非礼を詫びる。
「いやいや、全然いいんだよ。むしろ、ボスなら大歓迎さ。」
博士の言葉に、いやぁはははと照れながら笑うボス。
部下はまたまたポケットに手を入れた。
立膝の姿勢で床に倒れるボス。
今回は、博士を押し倒してしまった反省を活かし、床に手をつかないようにする配慮。
これは一朝一夕でなし得る物ではない。
「おいおい、今日はどうしちゃったんだい?ボス?」
流石に博士も心配そうな表情をする。
「お気になさらず。」
ボスは気力を振り絞って、声を上げる。
「まぁいいか、とにかく部屋を用意しておいたから、そこで休むといい。兵器の紹介は明日でいいだろう?」
博士の温かい提案をボスは快く受けた。
あぁそうそう、と博士は思い出したように言った。
「悪いんだが、今かなり部屋を使っちゃっていてね。一部屋しか空きがないんだ。だから、まぁ、あんまり大きな音を立てないでくれたまえよ。」
そう言いながら、博士は部下にウィンクをした。
「いつもありがとうございます、博士。」
そう言いながら、部下は博士に抱きついた。
部下が抱きつくと同時に、博士は部下のポケットに小さな鍵をするりと入れた。
この一連の動作はボスに全く見えていなかった。
「大きい音なんて立てませんよ。それじゃありがたく部屋を借りさせていただきます。」
そういってボスと部下は部屋に向かう。
あたりに夜の帳が下りてゆく。
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