アカネ・パラドックス

雲黒斎草菜

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【第三章】追 跡

  ビオトープ  

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「わ、ワルイけど何を言ってるのか分からないんだ」
 相手もポカンとするだけで、シムはニコニコして草原の中で踊っているだけ、なにをしていいのか解らず、一人孤独感に沈んでいたらマーラが戻って来た。
「ジフバンヌは教育を受けてないから、ちゃんとしたザリオン語は話せないんだよ」
 ベコベコにへこんだナベを両手で持って、茜も傷だらけのカップを重ねて後ろを付いて来る。

「みんな。おまちどう。ご飯もらって来たぜ」

 わぁっと、村人が茜の前に群がった。
「あ、はい、はい。お食事の器ですよ。順番にね。人数分ありますから慌てないでくらさーい」
 銀龍の食事担当をこなす茜には慣れた状況のようだが、それにしても食事の粗末なこと。ほとんど原型を留めないほど煮込まれたトロトロの物に菜っ葉らしきものが浮かんだだけの物だ。

 それでもマーラからカップに注いでもらっているあいだの嬉々とした表情。

 またもや熱い物が込み上げてきた。そしてまた茜が涙を浮かべて赤い顔をしていた。
「コマンダー。この人たち、このお食事を2日も待っていたんですって……」
 給仕をマーラに代わらせて震わせた声を上げたかと思うと、いきなり茜が俺の胸に顔をうずめた。
「こんなことあり得ません。ザリオン人はみんな毎日おいしい物を食べています。なぜ同じ人種なのに、この人たちは、この人……」

『警告! エモーションチップがオーバーロードです』

 おいおい。管理者製のアンドロイドってこんなに感受性が高かったか?
 俺は自分であり得ないことをつぶやいていたことに驚いた――感受性が高いロボットって、なに?

 間違った方向へ進化したカエデ。Gシリーズも似た傾向があったが、明らかにアカネは異なっている。例のクオリアポッドとか呼ばれる器官が及ぼしてのことなのか……。あー。ここにシロタマがいたら即答してくれるんだけどな。

 いつもとは思えない思考が浮かんできたのも、やはり俺も少しは影響を受けたのかもしれない。

 しばらくハグしてやると、アカネは落ち着きを取り戻して再び村人の世話に戻った。
「あ、はーい。まだお代わりありますよー。たくさん食べてくらさーい」

 はー、やれやれ。

 疲れた肩をグリグリ回していると、年老いたジフバンヌがカップを持つ手もおぼつかない仕草で俺に歩み寄り、何か言葉を掛けてきた。
「ウ-。あ、ガッ、ドゥジ……ヌ」
 もちろん俺のコミュニケーターは言葉として解釈はしてくれない。

 だけど茜のCPUはさらに上を行くのか、
「コマンダー。お水飲むかと尋ねていますよ」
「え? ああぁ。ありがとう。今は大丈夫さ」
 ひとまず笑顔で応対する。

「アァー、うぃうー」
「遠慮するなって言ってます」
「お前、よく分かるな」
 ミカンの言葉も理解するぐらいだから、この辺りはすごいぜ。茜。


「食べなよ」
 マーラが欠けたカップに入れた食事を俺の前にも差し出した。

「あ、いや。俺はいいよ」
「ジフバンヌのご飯だからって、汚くねーぜ」
「おい、そんな気持ちはねえよ。変なこと言うな。ただ俺の分を、ほらあの小さな子らに与えたほうがいいかと思ってな」
「へへ。神様らしい言葉で安心した。でもね、ここの人らは自分のことより他人の心配をするんだ。それにこの食事はレイヤーの分をもらってるから気にしなくていいぜ」

「シムの?」

「そうさ……」
 言葉を止めて、辺りを見渡すマーラ。
 再び吐息と共に、
「ほら・神様、よく見てくれよ。ケイゾンの森を……」
「あのさマーラ。俺ウソ言っていた。俺は神様じゃないんだ」
「そんなこと無い。シムが間違えるはずがないんだ」

「あはは。わりい。たぶん初めて間違えたんだ……そうだな神様の経験者なら、ほらあそこでニコニコして鍋を掻き回してるアカネだ」
「あの子が?」
「ああそうさ。ほら可愛い顔して天使みたいだろ。あいつはその昔、ドゥウォーフの白神様だったんだ」

 3500年も前の話だけどな。

 マーラは「ああ」と首肯すると、
「昔、観光客が言っていたよ。管理者の先祖、まだドゥウォーフと呼ばれていた頃、滅亡しかけた人々を救ったのが白神様だって」
 マーラは、へらへらと笑い出し。
「すげえよ。ケイゾンは神様ばっかりが集まって来るんだ」
「どういう意味だよ?」
「ほら、見てみなって。森を」
 マーラは片手で森を示し、片手でシムを抱き寄せた。

「アタイたちはゴミを集めて生活してんだ。知ってるだろ」
「ああ……知ってる」
「選り好みなんかしてない。ゴミなら何だって拾って帰る。それでジフカの町はゴミ一つ落ちていない。な。生ごみだって、紙屑だって、ガラクタもさ」

 そう言われて、あることに気づいた。
 マーラがすみかにした場所は確かに紙屑や、金属、ガラスなどのガラクタが積み上げられている。この村も同じでゴミ屋敷だが清潔だ。そう生ゴミがまったく見られない。かと言って今配った食事に化けた気配も皆無だ。嫌な臭い一つなく、むしろ食欲をそそる香りが立ち込めていた。

「無機質と有機質に分けてるんだ」
 ジフバンヌは知能が低いのではない。たんに虐げられているだけだ。仕分けは機能的に分類されて、ゴミを無機質と有機質とに大別して、無機質は綺麗に洗われ整理されて保管されるようだ。電化製品のガラクタがここには見当たらないが、マーラたちの秘密の部屋に詰め込まれていたのを思い出した。

「電化製品をここに保管しない理由は?」
「電気で動く物は雨に弱いだろ」
 と言った後、シムに袖を引っ張られたマーラ。じっと清水の源泉みたいな瞳の奥を覗き込み、
「そっか。神様には本当のことを言ってもいいよな」
 こくんと細い首をうなずかせるシム。

「何の相談だよ?」

「教えてやるよ。ケイゾンに入るとなぜかコンピュータ制御の製品はみんな止まるんだ。でもシムが触ると故障が直る。でも内緒さ。知られると大勢やって来るし、アタイたち儲からないだろ。だって町でまた売れるんだぜ」

 マーラの説明を聞いて、無線機が無用の長物になっていた理由が解った。こいつもCPUで制御される装置だ……。
 ようするにケイゾン内部には、なんらかの特殊な磁力線が出ていてCPUを狂わす。だけどそれをシムはコントロールできる能力を持っているんだ。でもって認証ロックされた茜はさすがに再起動できなかった。その代りその未知の影響でクオリアポッドの機能が高まってさらに感情的になった……これなら全部が説明できる。

 ならコミュニケーターが機能するのはどういうワケだろ。
 いくらシロタマが優秀でもCPU無しで、ゼンマイ仕掛けの万能翻訳機は作れないはずだ。
 だったらマーラの話す言葉が解釈されるのは、どういう理由だ?

 首を捻って考えた。俺の稚拙な脳で出した答えは、たぶんシムのテレパス(精神感応)とテレパシー(精神伝達)のおかげだろう、と。
 俺はシムを通してマーラと会話をしている……じゃないかな。この辺りもシロタマ大先生に聞くしかない。


「それでね……」
 とまぁ、勝手な推論を転がしていたら、
「神様、聞いてる?」
「あ? あぁわりぃ。考え事してたよ」

「あのね。生ゴミは森に還(かえ)すんだよ!」
 とマーラが言って、俺を森の奥へと引き摺って行った。

「生ゴミは地面や木の根もとに還す。そうするとキノコや食べられる葉っぱが生えてきて食べ物に変わるのさ」

 次に森の中をたゆんでいる清流へ駆け出し、
「トイレはここだ。小魚が食べてくれるんだ。間違っても他の場所で用を足すなよ。そしたらレイヤーの神様に叱られるからな」
「レイヤーの神様?」
「怒ったら怖いぜ。ザリオンの攻撃よりもっとすげえビカビカが空を走るんだ」
「ビカビカって?」

「ビカビカって言ったらビカビカさ。こうバーンって空から落ちて」
 全身を使って説明してくれるのだが……たぶん稲光だと思う。

「それでさ!」
 またまた、さっきの広場に引き戻され、
「ルールを守ればレイヤーの神様は優しくアタイたちを守ってくれて、ご飯もくれる。シムはそうして来たんだって。みんなアタイに教えてくれた。だからアタイたちは代わりにレイヤーの欲しいものを探してくんだ」

「それじゃあ。惑星にいるジフカリアンの人たちを全員ここにお誘いすれば、あんなひどい目に遭わなくても済みますね」
 いつから茜が横にくっ付いていたのか気が付かなかったが、潤んだ丸い目が森の木々に巡らされていた。

 マーラの話を聞いていて、頭の中に『循環』という言葉が灯った。
「まさか……。ここはビオトープか!」
「トープってなに?」
「循環する生態系だ」
「神様は難しことを言うんだな」
「ま、シロタマほどじゃないけどな。それと何度も言うが、俺はユウスケって言って神様じゃない」

「でもコマンダー。ビオトープだとしたら、バランスが難しいですね」
 まぁ。茜はタダのバカじゃない。その辺りの知識はあるようだ。

「そうさ。生態系のバランスが命だからな。崩れたら終わりだ」
「じゃあ。ジフカリアンの人たちを大勢連れて来たら……ダメですね」

「マーラ。きみら以外にケイゾンに入り込んでるジフカリアンはいないのか?」
「よく解らないけど、シムはこの星の人だけが出入りできるって言ってた。ジフ、ガッバンヌはザリオンの血筋だから入れないみたい」
「ジフバンヌだけが入れる……。キミらがこの星の種族とでも言うのか? 俺の聞いた話ではジフ、ガッバンヌもジフバンヌも同じジフカリアン。ザリオンの血筋だと」

 マーラは笑いながら頭を振った。
「ジフバンヌとよく似ているけどアタイたちは違うんだ」
「じゃあ、マーラは惑星ザーナスの出身者じゃないのか?」

「代々、ここジフカさ」
「やはり思っていたとおりだ。マーラたちジフバンヌはザリオン人とは別の種族なんだな」

「そうだよ。ザリオンが勝手にジフ、ガッバンヌを奴隷としてジフカに連れて来て、アタイたちと一緒くたにしてジフカリアンと呼んでるだけさ。誰も聞く耳を持たないけど、アタイたちはジフバンヌでザリオンじゃない」

 マーラの主張を聞いて目の前が開けた。虹彩はオレンジ色だが、どう考えても優しげな体形は違う進化を遂げている。
「ひでえなぁ、ザリオンの連中。なんか違うところに憤りを覚えそうだぜ」

 脱力気味に今度はシムに視線を振り、
「シムは? ここの星の出身か?」
 マーラはふふふと笑みを浮かべ、
「シムはケイゾンが故郷さ」
「よくわからないな。ケイゾンはここジフカにあるだろ。ならジフバンヌだろ?」
 と言ってしまったが、明らかにシムとマーラは別の人種だ。

「うーん、アタイもよくわかんない」
 思っていた以上に複雑な事情があるようだ。

「キミと同じ種族はここケイゾンに何人ぐらいいるんだい?」
 シムは白い顔に戸惑いを浮かべつつも、マーラの澄明な瞳を覗き込む。

「森の深部に散って暮らすのでよく知らないって」

「せっかくみなさんが安心できる土地があるのに……」
 悲観して肩を落とす茜と俺。
「ほんとだな……」

 そうさ。俺と茜のポンコツコンビでは何もできない。
 悔しいけどお手上げだ。

 でもな――。

「まぁ。待て。シロタマを連れてきて調査させよう。もしかして、グランド・ケイゾンの面積が変化すると言うことは、どこかにコントロールする場所があって、生態系の規模に応じて動くのかもしれない」

「えっ。ほんとですか?」
 胸元で手のひらを合わせて、嬉しげに茜がぴょんと飛び上がる様は、こちらの気分まで明るくしてくれる。

「あぁ。まだ確定していないが、これだけの大規模なビオトープだ。このままにしておくのはもったいない」
 俺はマーラからもらった雑炊みたいな食べ物を一気に啜った。それは程よい塩加減で抜群に美味い物だった。
 自然食品だから不味(まず)いワケが無い。



 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



 その後。少し眠りについていたが、気付くといつの間にか空が白々してきた。
 ケイゾン内部は寒くも暑くもなく、快適な環境なのは調べなくたって確実に肌で感じる。

 ゴソゴソと起き出したマーラが身支度を終え。
「シム。アタイ仕事に行く時間だ。出してくれる?」
 すぐ横で転がって眠るシムの肩を揺するので、
「ケイゾンの外に出るのなら、俺たちも頼む」
 マーラは虚しく首を振る。
「シムの力ではアタイしか移動させられないの」
 テレポートもできるのか。

「明日、ゲートが開くから。アタイがレストランから帰って来るまで待って。レストランのオヤジってさ、意外と羽振りがいいから、ザリオンのくせに、アタイを自由にさせてくれるんだ。夜、早い目に帰って来るから、そしたら必ず出してあげる」

 裏で覚せい剤の売買をしてんだから、羽振りはいいはずだ。

「わかったよ。じゃあ待ってるぜ」
「いってらっさ~い。マーラちゃん」
 久しぶりに味わう温かい空気を吸い込み、気分が爽快だった。


 だがその夜、マーラは帰らなかった。
  
  
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