私の癒しの力は弱い~だからと言って外野に婚約破棄しろと言われても困ります~

巫羅

文字の大きさ
1 / 1

本文

しおりを挟む
「エリス様!オルディン様を解放してください!」

本日の授業が終わり、私が帰り支度をしていると、目の前まできてそう熱り立つナタリア公爵令嬢。最近オルディン様の近くに纏わりついていたのは見ましたが、そういう事でしたか。

「ナタリア様。それは出来ませんわ。」

私は努めて冷静に言います。

「何故ですの!貴方には癒しの力が少しあるとは聞いておりますが、薬よりも効果が無いと言われてるじゃありませんか。貴方のそのしょうもない癒しより我が公爵家で他の国から集めた薬を使えばオルディン様の体調も良くなるに違いありません!家の格も合いませんし!」

そうかもしれません。私は子爵の娘ですし、オルディン様はナタリア様と同じく立場の高い公爵家の令息です。また、私の癒しの力はとても弱く、一度に劇的な回復は見込めない程度の物です。ですが、

「いえ、私とオルディン様はお互いの裸身を見ておりますので…婚約破棄はもう出来ないのです。私はする気もありませんし」

「なっ!?そんな事しているのですか?常識外れにも程がありますわよ!」

「治療の際、どうしてもそうなってしまうので…」

私は幼少の頃からオルディン様の御両親に望まれて、婚約をしております。そして、癒しの力を使ってオルディン様の治療をするため、既にオルディン様の邸に住んでおります。

オルディン様は昔から優しく、見た目も美しく、頭の良いお方で他のの令嬢からも人気の方でしたが、首から下の全身に生まれつき痣があって、体調も崩しがちでおいででした。

私の癒しの力は私の体が触れている場所の多さと触れている時間の長さに応じて、効果が現れる物になっております。

ですから、入浴から就寝までの間はお互いの体を密着させ、癒しの力を少しでもオルディン様に行き渡らせるようにしております。

その成果が出て、オルディン様の痣は最初出会った時より大分薄くなってきており、成人する頃にはもう消えて無くなってもおかしくはありません。

この国の「令息・令嬢は結婚後、初夜まで他の異性にできるだけ肌を露出して、見せてはならない」という常識にとってはかなり外れている事も承知の上で、行っております。

オルディン様とオルディン様の御両親は責任を必ず持つといつも言ってくださるので、私も遠慮なくオルディン様にくっついております。

最近はお風呂の時や朝にオルディン様が恥ずかしそうに隠しているのを可愛く思っております。オルディン様の燻る熱は私にとっては嬉しいものでもありますが。

話が反れました。

「ですから、ナタリア様や他のご令嬢にはオルディン様を渡す事はできませんし、オルディン様も是とは言わないと思います。」

「~~~~~っ!!破廉恥ですわ~~~~!!」

そうはしたなく大声をあげてナタリア様は去っていかれました。刺激が強すぎたのでしょうか。今の話に聞き耳を立てていた周りのご令嬢方もちょっと顔が赤いようですわね。

私も口に出して話すのは少し恥ずかしいとは思いますが、ほぼ毎日行っていることですし、行為自体には少し慣れて…いや、最近は体の調子も良くなってきて、日々逞しくなっていくオルディン様に触れるのはやはり恥ずかしいかもしれないです。

「エリー。ごめんね。僕が言っても全く聞かなくて」

オルディン様がこちらにきて苦笑いしながら謝ってくださいます。恐らくナタリア様もオルディン様に最初迫ってつれない態度でしたから私のところにいらしたのでしょう。年を重ねるに連れて、このような事がどんどん増えてくる方が癒しの力云々より精神的に堪えます。

「大丈夫です、オルディン様。いつもの事ですわ」

「そうかもしれないけど、エリー。そんな事より、」

オルディン様な顔が近くまできて、キ、キスされるのでしょうか。ここ学園ですし周りにもまだ人がいらっしゃいますよ!  これこそ破廉恥です!!

「ダ、ダメでっ「二人の時はルディって呼んでくれって言っただろう?」ふぇ?あ、はいそうでしたねルディ」

全然違いました。勘違いでした。

「エリー、今ちょっと期待したでしょ」

オルディン様…ルディは意地悪な笑顔で言います。しょうがないではありませんか。いつも家ではーーー。

「もうっ!知りません!家に帰ります!」

「いや、帰り道一緒だからね。エリーごめん、ごめんってば!」

追いかけてるルディを無視して私は先に帰途に着きます。時期にルディも追いついてくるでしょう。

今日の晩御飯の事を考えながら、帰り道を歩きます。ルディが追いついてからは二人で他愛もない会話をしながら、手を繋いで。







ーーーあとがきーーー
 
エリス。
子爵令嬢。
そこまで大きいわけでもないが柔らかさのわかる手にジャストフィットサイズ。
ルディが恥ずかしそうに隠してるその理由を知り、可愛いと思っている。また、自分にそのような魅力がある事を知り、うれしく思っている。

オルディン。
公爵令息。最近逞しくなっていくイケメン。
思春期真っ只中のため、目を瞑ってもほぼ毎日見るエリスの裸が目に焼きついており、でも婚約中であるため手を出すことはできない故に実質生殺し状態。
どうにかして婚約から婚姻に早くもっていけないかと画策している。(両親にはバレている)

ナタリア。
金持ち公爵令嬢。
とても大きい。顔すらも包み込むような特大サイズ。肌を見せない風潮であるため、服がはち切れんばかりになっている。
父親の親バカによりまだ婚約者がいない。
今回はオルディンを手に入れようとしたが、今後運命の出会いがあるとか無いとか。


癒し(意味深)の話もいつか書きたいですが、恐らく18禁になりそうです。間違いなくオルディン君が暴走するので。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

5年経っても軽率に故郷に戻っては駄目!

158
恋愛
伯爵令嬢であるオリビアは、この世界が前世でやった乙女ゲームの世界であることに気づく。このまま学園に入学してしまうと、死亡エンドの可能性があるため学園に入学する前に家出することにした。婚約者もさらっとスルーして、早や5年。結局誰ルートを主人公は選んだのかしらと軽率にも故郷に舞い戻ってしまい・・・ 2話完結を目指してます!

冷たかった夫が別人のように豹変した

京佳
恋愛
常に無表情で表情を崩さない事で有名な公爵子息ジョゼフと政略結婚で結ばれた妻ケイティ。義務的に初夜を終わらせたジョゼフはその後ケイティに触れる事は無くなった。自分に無関心なジョゼフとの結婚生活に寂しさと不満を感じながらも簡単に離縁出来ないしがらみにケイティは全てを諦めていた。そんなある時、公爵家の裏庭に弱った雄猫が迷い込みケイティはその猫を保護して飼うことにした。 ざまぁ。ゆるゆる設定

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

侯爵様の懺悔

宇野 肇
恋愛
 女好きの侯爵様は一年ごとにうら若き貴族の女性を妻に迎えている。  そのどれもが困窮した家へ援助する条件で迫るという手法で、実際に縁づいてから領地経営も上手く回っていくため誰も苦言を呈せない。  侯爵様は一年ごとにとっかえひっかえするだけで、侯爵様は決して貴族法に違反する行為はしていないからだ。  その上、離縁をする際にも夫人となった女性の希望を可能な限り聞いたうえで、新たな縁を取り持ったり、寄付金とともに修道院へ出家させたりするそうなのだ。  おかげで不気味がっているのは娘を差し出さねばならない困窮した貴族の家々ばかりで、平民たちは呑気にも次に来る奥さんは何を希望して次の場所へ行くのか賭けるほどだった。  ――では、侯爵様の次の奥様は一体誰になるのだろうか。

悪役令息の婚約者になりまして

どくりんご
恋愛
 婚約者に出逢って一秒。  前世の記憶を思い出した。それと同時にこの世界が小説の中だということに気づいた。  その中で、目の前のこの人は悪役、つまり悪役令息だということも同時にわかった。  彼がヒロインに恋をしてしまうことを知っていても思いは止められない。  この思い、どうすれば良いの?

女避けの為の婚約なので卒業したら穏やかに婚約破棄される予定です

くじら
恋愛
「俺の…婚約者のフリをしてくれないか」 身分や肩書きだけで何人もの男性に声を掛ける留学生から逃れる為、彼は私に恋人のふりをしてほしいと言う。 期間は卒業まで。 彼のことが気になっていたので快諾したものの、別れの時は近づいて…。

包帯妻の素顔は。

サイコちゃん
恋愛
顔を包帯でぐるぐる巻きにした妻アデラインは夫ベイジルから離縁を突きつける手紙を受け取る。手柄を立てた夫は戦地で出会った聖女見習いのミアと結婚したいらしく、妻の悪評をでっち上げて離縁を突きつけたのだ。一方、アデラインは離縁を受け入れて、包帯を取って見せた。

義兄のために私ができること

しゃーりん
恋愛
姉が亡くなった。出産時の失血が原因だった。 しかも、子供は義兄の子ではないと罪の告白をして。 入り婿である義兄はどこまで知っている? 姉の子を跡継ぎにすべきか、自分が跡継ぎになるべきか、義兄を解放すべきか。 伯爵家のために、義兄のために最善の道を考え悩む令嬢のお話です。

処理中です...