弱小領主のコレクター生活~アイテムチートで冒険、領地運営をしながら最強領主に成り上がります~

瀬口恭介

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第一章『黄金の果実編』

058 コレクター、白亜のゴーレムを倒す

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 戦闘が始まり、数分が経過している。
 俺の放つ矢は外れることなくゴーレムの頭部に命中する。こればかりは技術が大きいのだが、それ以外にもある程度システムのアシストは働いている。
 弓を装備した時に発動するスキル、〔照準エイム〕である。これにより、視界の中心に銃を使うFPSゲームのような十字のマークが表示される。
 これにより本物の弓よりも狙いやすくなっているのだ。今回は室内なので〔スコープ〕で狙撃するような行動は取らなくていい。流石にこの距離であれば当たる。
 長いことこれでやってきたのだ。外れるわけがない。

「本当にレイドボスだね、これ」

 そう小さく呟いてしまうほどに、ゲーム内でのレイド戦を思い出す戦闘だった。
 確かにあのゴーレムは強い。しかし複数人で狙うことにより何度ものけぞり攻撃が少なくなっている。
 本当のレイド戦なら、このまま攻撃を続け、ボスの強攻撃のパターンを読んで対処するのだが……

「そらぁ!!!」

 カリウスの一撃が加わり、続いてジャスターの爪攻撃が入る。
 すると、今まで腕を振り回し攻撃するのみだったゴーレムが別の行動を取り始めた。
 身体の表面にある青い線、青い目が強く光り始めたのだ。

「お、今だ!」
「――――――」
「まずい! 避けて!」

 腕での攻撃がないため、チャンスだと思ったのかジャスターはゴーレムに突っ込んでしまった。
 声を掛けるがもう遅い。ゴーレムの腕に青い光が集まり、そこから極太の青いエネルギーが放たれた。
 さながらロボットアニメの粒子砲、ビームである。

「なぁっ!?」
「〔ボムショット〕!」

 咄嗟に、矢に武技を発動させ放つ。狙うはゴーレムの腕だ。
 放たれた矢はビームを放つ腕に当たると、勢いよく爆発する。
 ドゴォンと音を立てて爆発した腕は、起動を変えて何もない壁にビームを放った。
 これで大丈夫……かと思ったがそう簡単にはいかないらしい。壁に当たったビームは壁を砕くことなく、反射しながら部屋を縦横無尽に駆け回り始めた。

「跳ね返るのそれ!?」
「ちょっ、天使の盾!」
「おわっと!?」

 予想外の攻撃に全員パニックに。
 俺とカリウスとジャスターは何とか避け、エリィは避けられないと思ったのか『ワルキューレウェポン』を盾にしてビームを弾いた。
 弾かれたビームは、空中でそのエネルギーを失ったのか消滅してしまう。おそらく、時間経過かこちらから弾くかで消えるのだろう。

「――――――――」
「また? いや違う、これは……」

 再びゴーレムが光を放ち始めたので先程のビームを放つのではと警戒するが、今回は腕を前に出していないことに気が付く。
 先程とは違うエネルギーの使い方をするのだろう。
 さあどうなると視線を向けると、ゴーレムは全身の青い線から短めのビームを全方向に大量に出した。

「――――――――」
「ちっちゃいビーム!?」

 一番面倒くさいタイプのボス! と心の中でツッコミを入れながら短いビームを避け、時には矢で撃ち落とす。
 やはり跳ね返るので背後から飛んでくるのが厄介だが。短いビームは先程のビームよりも遅いので狙うのは簡単だ。
 カリウスとジャスターもビームを武器で弾くと消えることに気付いたのか、避けるよりも弾くことを優先し始めた。
 対処法が分かったところでこれは難しい。攻撃を加えるためにゴーレムに近づいたら短いビームに当たってしまうかもしれないし、逆に短いビームに集中しすぎたら一向にゴーレムの体力を削ることができない。

「みんな! 今のところ攻撃方法は腕の振り回しと、大きいビームと短いビームの三種類だから、腕を振り回してる時に攻撃して! それ以外はビームの対処!」

 指示を出すと、全員から了解される。
 ジャスターも流石に死にたくないのか全力で戦っているようだ。今回の戦闘、ジャスターがいなかったら少し大変だったかもしれない。
 『トワイライト』プレイヤーほどではないが、この世界では屈指の実力者なのだろう。十分に戦えている。
 ドレイク、連れてきた方が良かったかもしれないね。こういうところなら炎とかも少しは使えるし、近接戦闘もできるし。

 ゴーレムの攻撃方法を把握してからしばらくすると、目の色が赤に変わりさらに攻撃的になった。
 ビームの速度も上がりいよいよ決着というところ、カリウスとジャスターは近接戦闘のため被弾も多くなっている。
 ゴーレムの体力も残り少ないので一気に決めたい。

「――――――――」

 再び短いビームが放たれようとしていた。
 今の状況で短いビームはまずい、カリウスとジャスターに当たったら戦闘不能になってしまうかもしれない。

「〔フェニックスショット〕」

 放たれる直前に、範囲攻撃である〔フェニックスショット〕を発動させる。
 炎の鳥がゴーレムに向かって飛んでいき、大量の短いビームを焼き払う。
 いくつかうち漏らしたが、これで次のビームまでの猶予は作れたはずだ。

「エリィ! 俺に飛んでくるビーム撃ち落とせる?」
「や、やってみるわ!」

 俺はスキルのチャージをするためにエリィにビームの対処をお願いする。
 チャージしている間は避けることしかできない。青いビームならばまだ避けられるが、速度の上がった赤いビームとなると難しい。
 弦を引き、ゴーレムの頭部を狙う。威力が上がれば、それだけ矢はぶれてしまう。確実に当てる。
 俺に当たるはずだった短いビームは、エリィの光の矢が撃ち落とした。よし、撃てる。

「〔シューティングスター〕!」

 月の弓から放たれる流星が、赤いエネルギーをすり抜けてゴーレムの頭部に直撃した。
 ヘッドショット。行き場を無くしたエネルギーが首元から溢れ出て爆発する。

「勝った……はは、やったな」
「こ、こんな苦戦するとは思わなかったぜぇ……」
「やっと終わったぁ……」

 その場にいた全員がへにゃりと座り込む。
 長い戦闘だった、何度もヘッドショットをしたので俺も集中力が消えかけている。

「お疲れ様……」

 そう呟いて、汗を拭う。久しぶりに本気の戦闘ができた。
 楽しかった、あの頃を思い出せた。やっぱり、俺は仲間との戦闘も好きだ。
 そして、勝利と共に得られるアイテムが好きだ。立ち上がり、機能を停止したゴーレムに近づく。
 『ウルトゴーレムコア』。ゴーレム系の敵を倒した時の最上級のアイテムだ。
 また一つ、俺のコレクションが増えてしまった。

 さて、忘れかけていたがいよいよ『黄金の果実』とご対面である。
 ゆっくりと開かれる扉の奥に、きらりと金色の光が見えた。
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