弱小領主のコレクター生活~アイテムチートで冒険、領地運営をしながら最強領主に成り上がります~

瀬口恭介

文字の大きさ
109 / 160
第2.5章『魔王懐柔編』

109 コレクター、魔王について調べる

しおりを挟む

 次の日、〈空間移動テレポート〉でロンテギアに転移した俺、カリウス、ルインの三人は図書館で魔王について調べることにした。
 早速魔王について記されている本を探すがやはり少ない。しかも書かれている内容もそこまで詳しくなく、ほんの少しだけ記されているのみだ。

「デルビリア大陸を支配する悪魔の王……」

 当たり障りのない紹介のされ方をしている。
 もっとこう、性格だとか成し遂げたことに対しての紹介はないのだろうか。

「巨漢らしいぞ」
「こっちには細身の男って書かれてるけど、どういうこと?」

 一応容姿については記されているが、カリウスの読んでいる資料には巨漢と書かれていて俺の読んでいる資料には細身の男と書かれている。
 これはいったいどういうことだろうか。ここまで情報が違うと混乱してしまう。

「あーそれはね、歴代魔王だよ。魔王は初代の魔王から力を引き継いでるの」
「なるほどなるほど」

 魔王の力が初代から引き継がれてきたということは、今の魔王はここに記されている魔王とは全く違う見た目をしているかもしれない。
 一番新しい本はどれだろうか。どれも古いな。年代も分からないし、手掛かりにはならなそうだ。
 というか。

「ルインに聞けばいいんだ。今の魔王ってどんな見た目してるの?」
「んー、分からない。魔王城からほとんど出ないから、容姿を見た人は本当に少ないんだって」

 あら残念。国民に容姿を知られてない王様ってどういうことなの。

「そっかぁ、ってことはルインは魔王についてほとんど知らないんだ?」
「うん。まあ少しは知ってるけど、期待には応えられないかな」

 こちらが想定していたよりも魔王の情報は手に入れることができなさそうだ。
 それはそれとしてオルタガの話ならば聞くことができるのでそちらを中心に調べてみようか。

「エルフに匹敵するほどの魔力、魔法技術。獣人に匹敵するほどの潜在能力……最強じゃないこれ?」
「種族からして上位種だよな」

 オルタガについて書かれている資料には、シャムロットとアルゲンダスクのいいところを取ったような解説がされていた。世界から浮いているような感覚だ。
 一番種族差を感じるのはこのオルタガという国かもしれない。

「人間とは立場が違うからね」
「……人間もやれるよ、十分ね」
「ふーん、まあレクトくんたちが特別なのはわかるけど他はどうかなぁ」
「どうだろうね」

 人間が劣らないことも証明しなくては。
 今のところ錬金術の技術などで他国を上回ることができそうだが、戦闘技術に関してはまだまだ未知数だ。
 これから先、ロンテギアの兵士や騎士たちを鍛えていけば戦力も引けを取らないものになるのだろうか。
 可能なら、時間があるときにでも実験をしてみようか。カリウス辺りに教官をさせれば強くなれそうな気がする。

「何その反応、つまんないなぁ」
「あくまで種族ごとの話だからね。絶対に人間は悪魔族に敵わないなんて言われたら流石にもう少し言うけど」
「人間が悪魔族にねぇ……今度騎士長に頼んで他の騎士と修行してみるのもいいかもしれねぇなぁ」
「いいね、エリィの錬金術も広めたいし時間があるならしばらく王都で強化合宿してもいいかも」

 現状錬金術はエリィだけが飛びぬけている状態だ。
 見習いの錬金術師たちにも質のいい錬金窯を用意したり一日の錬金回数を増やしたりするよう呼びかけなくては全体のレベルアップには繋がらない。
 この世界の人たちは才能以外で効率的に強くなる方法を知らないのだ。その技術が他国にも渡れば他国の戦力も上がるだろうが、それでも隠れていた天才は姿を現すはず。

「そんなことしても意味ないのに」
「え?」
「ううん何でもないよ。それでこの後はどうするのかな?」

 この後か、今回王都にやってきたのは図書館と王様との話し合いだけだ。
 なので王様と話をしたら目的は達成したことになる。後はさっさと魔法で帰るだけだ。

「王様と話し合いをしたら、用事は終わりだよ」
「なら宿でも探すか。せっかくだし今日は王都に泊まろうぜ。ルインも王都を観光したいだろ?」

 そういえばそうだ、完全に忘れていたがルインは旅をしているのだ。当然王都の観光もしたいはず。
 ならすぐには帰らずに王都でできることを探したほうがいいか。

「そういえば王都はまだだったなぁ。それなら、二人が王様と会っている間に観光しちゃおうかな」
「ああそうか、旅してるんだもんね。このまま王都に住んじゃってもいいと思うけど、どう?」
「観光してから決めようかな」

 トワ村よりも色々なものが揃っているので住むのなら王都がいいと思ったのだが、そんなにルインはトワ村を気に入っているのか。
 なんだか少し嬉しくなってしまう。最近は領主らしいこともできていないし、もう少し村のためになることも進めていきたい。

「じゃあ宿探しからだね。お金はあるからいいところ泊まろうよ」
「だな。というか、お前の『王証』を見せたら無料で泊まれそうだけど……」
「マジぃ? 権力って怖いなぁ」

 分かってはいたが宿屋の料金を払わずに利用できるとは。『王証』恐るべし。
 さあ、さっさと宿を探してお城に向かおう。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います

町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。

神様転生~うどんを食べてスローライフをしつつ、領地を豊かにしようとする話、の筈だったのですけれど~

於田縫紀
ファンタジー
大西彩花(香川県出身、享年29歳、独身)は転生直後、維持神を名乗る存在から、いきなり土地神を命じられた。目の前は砂浜と海。反対側は枯れたような色の草原と、所々にぽつんと高い山、そしてずっと向こうにも山。神の権能『全知』によると、この地を豊かにして人や動物を呼び込まなければ、私という土地神は消えてしまうらしい。  現状は乾燥の為、樹木も生えない状態で、あるのは草原と小動物位。私の土地神としての挑戦が、今始まる!  の前に、まずは衣食住を何とかしないと。衣はどうにでもなるらしいから、まずは食、次に住を。食べ物と言うと、やっぱり元うどん県人としては…… (カクヨムと小説家になろうにも、投稿しています) (イラストにあるピンクの化物? が何かは、お話が進めば、そのうち……)

ジャングリラ~悪魔に屠られ魔王転生。死の森を楽園に変える物語~

とんがり頭のカモノハシ
ファンタジー
「別の世界から勇者を召喚する卑怯な手口」に業を煮やした堕天使・ルシファーにより、異世界へ魔王として転生させられた大学生・左丹龍之介。 先代・魔王が勇者により討伐されて100年――。 龍之介が見たものは、人魔戦争に敗れた魔族が、辺境の森で厳しい生活を余儀なくされている姿だった。 魔族の生活向上を目指し、龍之介は元魔王軍の四天王、悪魔公のリリス、フェンリルのロキア、妖狐の緋魅狐、古代龍のアモンを次々に配下に収めていく。 バラバラだった魔族を再び一つにした龍之介は、転生前の知識と異世界の人間の暮らしを参考に、森の中へ楽園を作るべく奔走するのだが……

SSSレア・スライムに転生した魚屋さん ~戦うつもりはないけど、どんどん強くなる~

草笛あたる(乱暴)
ファンタジー
転生したらスライムの突然変異だった。 レアらしくて、成長が異常に早いよ。 せっかくだから、自分の特技を活かして、日本の魚屋技術を異世界に広めたいな。 出刃包丁がない世界だったので、スライムの体内で作ったら、名刀に仕上がっちゃった。

神様から転生スキルとして鑑定能力とリペア能力を授けられた理由

瀬乃一空
ファンタジー
普通の闇バイトだと思って気軽に応募したところ俺は某国の傭兵部隊に入れられた。しかし、ちょっとした俺のミスから呆気なく仲間7人とともに爆死。気が付くと目の前に神様が……。 神様は俺を異世界転生させる代わりに「罪業の柩」なるものを探すよう命じる。鑑定スキルや修復スキル、イケメン、その他を与えられることを条件に取りあえず承諾したものの、どうしたらよいか分からず、転生した途端、途方にくれるエルン。

異世界転移物語

月夜
ファンタジー
このところ、日本各地で謎の地震が頻発していた。そんなある日、都内の大学に通う僕(田所健太)は、地震が起こったときのために、部屋で非常持出袋を整理していた。すると、突然、めまいに襲われ、次に気づいたときは、深い森の中に迷い込んでいたのだ……

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。  

処理中です...