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金! 暴力! 採掘!
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鎧……ではなくプロテクターのようなものだが、とにかく念願の装備を手に入れた。
ねんがんの そうびを てにいれたぞ!
私の装備は胸当てに肘当てや膝当てなどの必要最低限のプロテクター。わかりやすい装備だ。軽くて動きやすい。話ではこれで装備がついていない場所に攻撃を受けても全身が強化されてダメージを受けにくくなるらしいが、本当だろうか。
「わあ! なにこれなにこれ!」
「マントだね」
「マントは魔術を弾いてくれるであります!」
「そうなんだ!」
魔術を弾く。弾くと言っても、全てを弾くわけではない。それでも、強い魔術を軽減してくれるのは心強い。私も欲しいなとか思ったけど、あれつけて全力で動きまくるの絶対難しいよね。やはり私は自力で避けるよ。
「吾輩は……牙のネックレスでありますか?」
「サポーターでトラッパーでもあるんなら、単純に魔力量を増やした方がいいと思ったんじゃ。お前さんに合う装備は、ヨロイグマの素材じゃあ作れないわな」
「じゃ、じゃあ吾輩に合う装備は何なんでありますか!?」
隊長の装備、装飾がいいんだっけ? それなら、確かにヨロイグマの素材では作れそうにない。
装飾と言えば、指輪とか腕輪とか? 魔獣の素材で作れるのそれ。
「その説明をしようと思っていたんじゃ。お前さんら、明日は暇かのう?」
おじいさんのその一言に、隊長が食いつく。ちなみにやることが決まっていない私とポコも食いつく。
なんでも、最近鉱石の入荷が少なくなってきたそうで、採掘してほしいとかなんとか。量によっては装備が無料になり、むしろお金がもらえるとか。最高かよ。
その日は全力で残りの素材を換金し、馬車を貸してくれる馬小屋を探して、出発した。
* * *
というわけで見えてまいりました鉱山。
覚悟はしていたが、鉱山までが遠く野宿をした。旅を始めてから最初の野宿なので不安だったが、魔術って便利ね、外でも快適に過ごせちゃったわ。
一つ不満点があるとすれば、料理スキルがないこと。ただ焼いたり、鍋にぶち込んで煮込むくらいしかできない。もっと美味しく食べる工夫もしたいなぁ。
「ここが拠点なの?」
山のふもとに、小さな小屋が建てられている。鍛冶屋のおじいさんから聞いた話だと山の周りにいくつか小屋があり、鉱山で採掘をする人に向けて建てられていて、自由に利用して構わないとか。
「だろうね、山小屋か。十分だね。これ好きに使っていいんでしょ?」
「らしいでありますな。おお、馬小屋もあるでありますよ!」
鉱山は一部が自由に採掘できるエリアになっているそうで、私たちはそこで採掘をする予定だ。
何か困ったことがあったら、反対側の本格的に採掘をしている人たちに助けを求めてみてもいいかもしれない。お金が稼げない旅人や狩人向けの山なので、遠慮なく採掘しようね。
山小屋の中を確認し、いざ鉱山へと入っていく。岩肌を見ると、もうすでに光沢のある石が見られた。
「そぉい!」
隊長の持っていたピッケルを使い、角ばった石のある岩を崩していく。いかにも鉱石ですと言わんばかりの鉱石に笑みがこぼれそうになる。いかんいかん、余計な岩を崩さないように集中しなくては。
「うわぁ、これが鉱石なんだ!」
「結晶型の鉱石であります。この鉱石のある山は鉱石を取りつくしてもまた別の場所から鉱石がすぐに生まれるんであります! これは鉄結晶でありますな!」
結晶……クリスタルじゃねーか! と、まあ恒例のクリスタル万能説がやってまいりましたよ。
実際街灯とか、建物の明かりとかもクリスタルだし、万能なんだよね。種類が多いから覚えないと。
とまあそれはどうでもよいのだ。値段だ。私はお金が欲しいんだ。
「ほうほう、ちなみにどのくらいの値段で売れるのさ」
「純度にもよるでありますが……この鉱石一つで一日の食事には困らないであります」
「え、なにそれすごいじゃん。いっぱい採掘しようよ。むしろなんで誰も採掘してないの」
もうこれで生活できちゃうよ。このままここでひたすら採掘してお金を稼いだら大金持ちだよ。
「山に籠るとヒトの臭いを嗅ぎつけて魔獣が現れやすくなるでありますからな。鍛冶屋のおじいさんも、吾輩たちならその魔獣に対抗できると判断したんでありますよきっと」
「なんか……嬉しいねそれ!」
実力を認めてくれてるのか。やったね。
危険なのもそうだが、人が少ないのは他にも理由がある気がするんだ。例えば、安定してきたら山に籠って採掘なんてしてられない、とかね。
それだけの強さがあってお金もあるのなら、他の場所に行きたくなるものだ。私は絶対にそうするね。だって旅をする人や冒険家や狩人は、鉱山奴隷になりたいわけじゃないんだから。
だから、これは一時的なお金稼ぎだ。疑問は解決した。
「だね。でも、本当に魔獣が現れても私には食糧にしか見えないんだけども」
ん? 待てよ? 鉱山でお金を稼ぎ、魔獣が現れたら狩って、食べて。
それって、私のやりたいことなのでは?
いや、お金を稼ぎながら魔獣とも戦える、食べれる、だってそれは私が今やりたいことの全てではないのか。ここにいたら全部解決するのではないか。
「ポコ、隊長。あのさ――――――」
私はこの鉱山に籠ることを提案した。おじいさんの依頼が終わってからも、個人的にここに鉱石を採掘しに来て、鉱石を売る。魔獣も倒す。
しばらくのやりたいことが、今、決まった。
ねんがんの そうびを てにいれたぞ!
私の装備は胸当てに肘当てや膝当てなどの必要最低限のプロテクター。わかりやすい装備だ。軽くて動きやすい。話ではこれで装備がついていない場所に攻撃を受けても全身が強化されてダメージを受けにくくなるらしいが、本当だろうか。
「わあ! なにこれなにこれ!」
「マントだね」
「マントは魔術を弾いてくれるであります!」
「そうなんだ!」
魔術を弾く。弾くと言っても、全てを弾くわけではない。それでも、強い魔術を軽減してくれるのは心強い。私も欲しいなとか思ったけど、あれつけて全力で動きまくるの絶対難しいよね。やはり私は自力で避けるよ。
「吾輩は……牙のネックレスでありますか?」
「サポーターでトラッパーでもあるんなら、単純に魔力量を増やした方がいいと思ったんじゃ。お前さんに合う装備は、ヨロイグマの素材じゃあ作れないわな」
「じゃ、じゃあ吾輩に合う装備は何なんでありますか!?」
隊長の装備、装飾がいいんだっけ? それなら、確かにヨロイグマの素材では作れそうにない。
装飾と言えば、指輪とか腕輪とか? 魔獣の素材で作れるのそれ。
「その説明をしようと思っていたんじゃ。お前さんら、明日は暇かのう?」
おじいさんのその一言に、隊長が食いつく。ちなみにやることが決まっていない私とポコも食いつく。
なんでも、最近鉱石の入荷が少なくなってきたそうで、採掘してほしいとかなんとか。量によっては装備が無料になり、むしろお金がもらえるとか。最高かよ。
その日は全力で残りの素材を換金し、馬車を貸してくれる馬小屋を探して、出発した。
* * *
というわけで見えてまいりました鉱山。
覚悟はしていたが、鉱山までが遠く野宿をした。旅を始めてから最初の野宿なので不安だったが、魔術って便利ね、外でも快適に過ごせちゃったわ。
一つ不満点があるとすれば、料理スキルがないこと。ただ焼いたり、鍋にぶち込んで煮込むくらいしかできない。もっと美味しく食べる工夫もしたいなぁ。
「ここが拠点なの?」
山のふもとに、小さな小屋が建てられている。鍛冶屋のおじいさんから聞いた話だと山の周りにいくつか小屋があり、鉱山で採掘をする人に向けて建てられていて、自由に利用して構わないとか。
「だろうね、山小屋か。十分だね。これ好きに使っていいんでしょ?」
「らしいでありますな。おお、馬小屋もあるでありますよ!」
鉱山は一部が自由に採掘できるエリアになっているそうで、私たちはそこで採掘をする予定だ。
何か困ったことがあったら、反対側の本格的に採掘をしている人たちに助けを求めてみてもいいかもしれない。お金が稼げない旅人や狩人向けの山なので、遠慮なく採掘しようね。
山小屋の中を確認し、いざ鉱山へと入っていく。岩肌を見ると、もうすでに光沢のある石が見られた。
「そぉい!」
隊長の持っていたピッケルを使い、角ばった石のある岩を崩していく。いかにも鉱石ですと言わんばかりの鉱石に笑みがこぼれそうになる。いかんいかん、余計な岩を崩さないように集中しなくては。
「うわぁ、これが鉱石なんだ!」
「結晶型の鉱石であります。この鉱石のある山は鉱石を取りつくしてもまた別の場所から鉱石がすぐに生まれるんであります! これは鉄結晶でありますな!」
結晶……クリスタルじゃねーか! と、まあ恒例のクリスタル万能説がやってまいりましたよ。
実際街灯とか、建物の明かりとかもクリスタルだし、万能なんだよね。種類が多いから覚えないと。
とまあそれはどうでもよいのだ。値段だ。私はお金が欲しいんだ。
「ほうほう、ちなみにどのくらいの値段で売れるのさ」
「純度にもよるでありますが……この鉱石一つで一日の食事には困らないであります」
「え、なにそれすごいじゃん。いっぱい採掘しようよ。むしろなんで誰も採掘してないの」
もうこれで生活できちゃうよ。このままここでひたすら採掘してお金を稼いだら大金持ちだよ。
「山に籠るとヒトの臭いを嗅ぎつけて魔獣が現れやすくなるでありますからな。鍛冶屋のおじいさんも、吾輩たちならその魔獣に対抗できると判断したんでありますよきっと」
「なんか……嬉しいねそれ!」
実力を認めてくれてるのか。やったね。
危険なのもそうだが、人が少ないのは他にも理由がある気がするんだ。例えば、安定してきたら山に籠って採掘なんてしてられない、とかね。
それだけの強さがあってお金もあるのなら、他の場所に行きたくなるものだ。私は絶対にそうするね。だって旅をする人や冒険家や狩人は、鉱山奴隷になりたいわけじゃないんだから。
だから、これは一時的なお金稼ぎだ。疑問は解決した。
「だね。でも、本当に魔獣が現れても私には食糧にしか見えないんだけども」
ん? 待てよ? 鉱山でお金を稼ぎ、魔獣が現れたら狩って、食べて。
それって、私のやりたいことなのでは?
いや、お金を稼ぎながら魔獣とも戦える、食べれる、だってそれは私が今やりたいことの全てではないのか。ここにいたら全部解決するのではないか。
「ポコ、隊長。あのさ――――――」
私はこの鉱山に籠ることを提案した。おじいさんの依頼が終わってからも、個人的にここに鉱石を採掘しに来て、鉱石を売る。魔獣も倒す。
しばらくのやりたいことが、今、決まった。
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