3 / 15
第一章 顔合わせ編
小さな彼女
しおりを挟む「結衣お前、今日も来たのか…………」
「うん!だめ?あそぼぅ?あっちは怖いし、嫌だよ」
「何でだ、プレゼントだって沢山もらえるし、美味いもんもいっぱいあるだろ」
「そうだけど…………全部桜子の物だから食べちゃ駄目だし、プレゼントも全部桜子のだよ?」
「んなわけないだろ…………うちの一族だって二つずつ同じ贈り物を用意していたはずだ。俺の兄の耀がちゃんと渡したはず」
「あのキラキラしたお兄さん?うーん、でも、全部まとめて桜子が管理するからって言って…………でも大丈夫、別にいらないから」
男の子は目を見開いて私を見てフリーズした。
「何故だ…………今回は無理してでも揃えたはず……やはり他族の贈り物の方がよかったか?」
「え?ううん?ほかの動物お兄さん達のプレゼントだって何が入ってたかも知らないし…………大丈夫、桜子の物を欲しがったりしないよ?」
「………………」
1週間の滞在で、毎日抜け出しては男の子の元へと通った。純粋に悪意なく遊んでもらった事のない私はかまってもらえる事が嬉しくて嬉しくて。
結構年上のお兄さんだったはずなのに、沢山遊んでくれた。一緒に泥団子も作ってくれたし、かくれんぼもしてくれた。背中に黒い羽が生えていて高い木の上に連れて行ってくれた。
5日目ぐらいだっただろうか、毎日のお茶会をキャンセルする私を不審に思ったのか部屋にいない事がバレてお兄さん達が探しに来た事があった。
「おかしいな、匂いが辿れない。部屋に戻ったのかな?」
耀さんがキョロキョロと当たりを見回すのを木の上から眺めてくすくすと笑い合う。
「姉さんは貴方達が怖いんですって!そっとしておいてあげて?」
桜子が言う。片手を笹音さんに、もう片手を恭さんと繋いで満足そう。
「結衣おまえ、あいつらが怖いのか?」
よくわからない術で小さな結界を私達の周りに出したお兄ちゃんが笑いながら言う。
この結界のおかげで、声も気配も届かないみたいだ。
「?そんな事ないよ??お話ししたら駄目っていわれてるから話さないけど…………」
「まぁそうだろうな。耀は分かってるみたいだが……優柔不断だな。我が兄上ながら」
「??」
「なんでもないよ、ほらあいつら帰ったぞ」
「ん!!今日はおままごとしたい!!結衣、お姫様ね!」
「じゃあ俺、庭の石な」
「ええ~~~王子様がいい!お兄ちゃん王子様みたいだし!」
「どこがだよ俺は石で結構だ」
「むーーーーー」
105
あなたにおすすめの小説
私のことが大好きな守護竜様は、どうやら私をあきらめたらしい
鷹凪きら
恋愛
不本意だけど、竜族の男を拾った。
家の前に倒れていたので、本当に仕方なく。
そしたらなんと、わたしは前世からその人のつがいとやらで、生まれ変わる度に探されていたらしい。
いきなり連れて帰りたいなんて言われても、無理ですから。
そんなふうに優しくしたってダメですよ?
ほんの少しだけ、心が揺らいだりなんて――
……あれ? 本当に私をおいて、ひとりで帰ったんですか?
※タイトル変更しました。
旧題「家の前で倒れていた竜を拾ったら、わたしのつがいだと言いだしたので、全力で拒否してみた」
幸せな番が微笑みながら願うこと
矢野りと
恋愛
偉大な竜王に待望の番が見つかったのは10年前のこと。
まだ幼かった番は王宮で真綿に包まれるように大切にされ、成人になる16歳の時に竜王と婚姻を結ぶことが決まっていた。幸せな未来は確定されていたはずだった…。
だが獣人の要素が薄い番の扱いを周りは間違えてしまう。…それは大切に想うがあまりのすれ違いだった。
竜王の番の心は少しづつ追いつめられ蝕まれていく。
※設定はゆるいです。
義弟の婚約者が私の婚約者の番でした
五珠 izumi
ファンタジー
「ー…姉さん…ごめん…」
金の髪に碧瞳の美しい私の義弟が、一筋の涙を流しながら言った。
自分も辛いだろうに、この優しい義弟は、こんな時にも私を気遣ってくれているのだ。
視界の先には
私の婚約者と義弟の婚約者が見つめ合っている姿があった。
『えっ! 私が貴方の番?! そんなの無理ですっ! 私、動物アレルギーなんですっ!』
伊織愁
恋愛
人族であるリジィーは、幼い頃、狼獣人の国であるシェラン国へ両親に連れられて来た。 家が没落したため、リジィーを育てられなくなった両親は、泣いてすがるリジィーを修道院へ預ける事にしたのだ。
実は動物アレルギーのあるリジィ―には、シェラン国で暮らす事が日に日に辛くなって来ていた。 子供だった頃とは違い、成人すれば自由に国を出ていける。 15になり成人を迎える年、リジィーはシェラン国から出ていく事を決心する。 しかし、シェラン国から出ていく矢先に事件に巻き込まれ、シェラン国の近衛騎士に助けられる。
二人が出会った瞬間、頭上から光の粒が降り注ぎ、番の刻印が刻まれた。 狼獣人の近衛騎士に『私の番っ』と熱い眼差しを受け、リジィ―は内心で叫んだ。 『私、動物アレルギーなんですけどっ! そんなのありーっ?!』
『番』という存在
彗
恋愛
義母とその娘に虐げられているリアリーと狼獣人のカインが番として結ばれる物語。
*基本的に1日1話ずつの投稿です。
(カイン視点だけ2話投稿となります。)
書き終えているお話なのでブクマやしおりなどつけていただければ幸いです。
***2022.7.9 HOTランキング11位!!はじめての投稿でこんなにたくさんの方に読んでいただけてとても嬉しいです!ありがとうございます!
あなたの運命になりたかった
夕立悠理
恋愛
──あなたの、『運命』になりたかった。
コーデリアには、竜族の恋人ジャレッドがいる。竜族には、それぞれ、番という存在があり、それは運命で定められた結ばれるべき相手だ。けれど、コーデリアは、ジャレッドの番ではなかった。それでも、二人は愛し合い、ジャレッドは、コーデリアにプロポーズする。幸せの絶頂にいたコーデリア。しかし、その翌日、ジャレッドの番だという女性が現れて──。
※一話あたりの文字数がとても少ないです。
※小説家になろう様にも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる