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第2章
◆円卓会議◆
しおりを挟む「慰霊か……魂の話はさておき、聖主の野郎にも共有する必要はあるな」
「はい。姫様本人も確信があるわけではなさそうなご様子でした。浄化の聖女として話が広がってしまえば、魔熱だけでなく病気などの患者まで押し寄せかねません。魔熱患者のみ治療して、病気は出来ないなどと言えば暴動にもなり得ます」
「シェイド、やはりリリ様に護衛は必要だろう」
アレックスが難しい顔をする。
「部屋前に二人腕の立つのをつけろ。門衛と外回りの警備強化。あとは俺らのうちの誰かが必ず公爵邸に在駐」
「僕適任じゃ~ん!妖精ちゃんとお茶会しよ~!ホワイトなお仕事!かわい子ちゃん付き!!」
「シェイド!!おじさんも!!!!」
「団長、魔熱の患者をリリ様に治療させるのですか?このまま教会側にも箝口令を敷いた方がよろしいのではないですか?」
「どうせすぐにバレる。噂に尾ひれがつく前に体勢を整えた方がいい。それに、リリなら自らやりたがる」
クリフの提案を一蹴しつつも、そう出来たらどんなにいいかと思う。
「魔熱患者を癒せるとなれば、各領が喉から手が出るほど欲しがるぞ。ただでさえリリ様のおかげでグラセン領の利益は急激に上がってる。元々他領よりも豊かな上にリリ様の御降臨だ。不満が出るに決まってる。何としても奪いにくる領も出かねん。独占するのは悪手だ。各領にまでリリ様を派遣させるつもりか?」
「…………リリはグラセンからは出さない。そうなれば魔熱症状の酷いものだけ受け入れざるを得ないな」
「わ~!他領からはがっぽりまきあげよっか~!また儲かるね~もう城立てちゃえばここが首都になっちゃうねぇ!団長準王族だしさ~」
「うちの領に魔獣の発現が無い事だけでも人が流れてくるんだ。皆聖女のお膝元で暮らしたいからな。グラセンが豊かと言っても万年人手不足だったのが一気に解消してる。優秀な人材もどんどん入ってきてる。騎士団はリリ様の守りとグラセンの警備、あとは遠征組に分けるか?騎士の派遣料を安くして不満を逸らすしかないな」
アレックスの提案に頷く。
「ああ。リリと公爵邸の護衛に優秀なのは全て集めろ」
「魔熱の重症患者って、ほぼ全て前線の騎士ですよね?姫様に、あまり近づいて欲しくはありません……危険です」
アランが心配気な目を向ける。
「それね~!僕もはんた~い!初恋泥棒わざわざ近づけてどうすんのさ!」
「リリ嬢ご本人は聖魔力のおかげか被った血の量にしては魔熱の症状は軽い方でしたし、今日の様な魔熱患者を見たのは初めてなのでしょう。とても怯えておいででした。ですが重症患者はあれが普通です。半年以上、ひどければ年単位で頻繁な発作がある。それが一瞬で治るのです。命の恩人、しかも妖精のような容姿、惚れるなと言う方が無理では?」
「副長が女の子褒めるの初めて見た~!」
「はあ~~~。顔と髪を隠すしかないな。嫌がりそうだが」
「何故ですか?ベールなど対応策はあるでしょうに。リリ嬢はわがままな方ではありませんし」
「俺と出かける時はめかし込みたがる。聖法衣のドレスさえ嫌がったからな」
「シェイドが惚気てる!!!おじさん成長が嬉しい!兄貴の墓に酒持って報告するぞ!!」
「父上、うるさい」
「では団長以外を護衛に付けての慰霊になさいますか?魔力枯渇の対応を他人に任せてよろしいのですか?」
「いいわけねぇだろ」
「聖主猊下ですらメロメロにしてんだよ~未だに未練たらったらだったよ~!あの人あんな顔すんだねー!多分、あの人と同じ事が起こるよね~」
「同じ事って何だクレッグ」
アレックスが片眉を上げて促す。
「初恋泥棒の妖精ちゃんを目の前にするでしょ?惚れたはいいけど常に魔王が側にいて、意味わからんけど何故か妖精ちゃんはメロメロ状態。羨ましくならないわけないよね。魔王から助け出す勘違いヒーローの出来上がり!」
「……………………」
「猊下がその様におっしゃったのですか?信じられませんが」クリストフが訝しげに聞く。
「言ったよ~団長に嫉妬してた、同じ様に好きになってもらいたかったってさ~。あの人女嫌いで有名だったのにね~!」
「あいつやっぱ殺るか」
「却下です。聖教会と戦うのは勝ちますが後が面倒です」
「元第二王子殿下も同じ理由でしたね」
アランがボソッと呟く。
「……………………」
「でしょ~?妖精ちゃんの団長への態度は男にとって目に毒なんだよ~妄想の具現化すぎて!」
「…………………………はぁ、ベールをする様にさせる。今日はもう終わりだ。俺は俺の妖精の元に帰りたい」
「だ、団長………………あの、それが……」
「何ですか、アラン、まだ何か報告が?」
クリフの問いにますますアランが縮こまる。
「弟が!…………その……本日姫様のし、寝所に、お、お邪魔しておりまして………………お、お泊まり会と仰って………………」
「ブッッッッッッハハハハハ!!妖精ちゃん最高!」
「ワハハハハハハハ!!シェイド、娼館奢ってやるぞ!!」
「あんの、クソガキが」
「実は団長よりテオの方が愛されてるのかもしれませんね」
「ガキに負けた……」
「ワハハハハハハハハハハハハハ!!!!」
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