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小学校編
1.通せんぼの記憶
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私の中の1番古い記憶は、小学校2年生の頃。当時の私は、勉強が大の苦手で、いつも居残り授業をしていた。
あの日は、天気が良くて、私は居眠りをしてしまい、先生から、1時間のお説教を受ける羽目になり、先生と2人っきりで教室にいた。
そして、先生のお許しを貰って、身支度を整え、挨拶をする。
ここまでは、いつもと同じだった。
「先生、さようなら」
「はい、さようなら」
担任の、山木優美(やまきゆみ)先生は、お父さんと同じ年くらいで、結婚し、私たちと同じ年の子供がいる。
1年生の頃から、担任だったので、私は山木先生をとても信用していた。
私が通っていた第二学園。2年1組の教室は、南校舎の二階で、隣は5年1組、そのまた隣が5年2組だった。
家に帰ったら友達とゲームをする約束をしていたので、走って階段を降りており前を見ていなかった。
(ドン!)
案の定、前を走っていた5年生のガキ大将、柿永蓮(かきながれん)にぶつかった。
「いってぇな」
蓮先輩は、 私の家の近所に住んでいる有名なガキ大将で、小学生の誰もが恐れている先輩だった。その先輩を怒らせたのだからあとが怖い。
「ご、ごめんなさい」
怖かったけれど精一杯の力を振り絞って謝った。許してくれると思ったのだが、先輩の顔は般若のように恐ろしく、絶対に許してはくれないことを悟った。
「あ?」
やはり、許しては貰えない。何を言われるか怖いよ。
き、聞いてみたら教えてくれるかな?
「あ、あの……」
私がそう言うと、もっと怖い顔をして怒鳴りつけてきた。
「申し訳ございませんだろ?!」
「も、申し訳ございませんでした」
深々とお辞儀をしながら、先輩の方を見るが明らかに許していない。
もうダメだと思い、強引にその場をすぐに立ち去ろうとした。
すると、先輩に肩を強く捕まれ、いまにも殴りかかりそうな勢いでこう言われた。
「いっとくけど、ここは俺たち5年生様の階段だからな。2年生は通るんじゃねぇ」
ビビりで泣き虫のくせに、負けず嫌いなので、その言葉が許せない。
「か、階段はみんなのものだよ」
咄嗟に出た言葉だったが、まずいことをしたと、後から冷や汗が止まらなくなった。
「あ? 喧嘩売ってんのかてめぇ。こうなりゃ、意地でも通してやらねぇ。」
先輩は、拳を上げて、私に襲いかかろうとした。
ぶつかったのだから、私も悪い。それに、ここにいたら殴り殺される。
私は、いったん教室へと戻ることにし、最後の力を振り絞りその場から逃げた。
教室に戻ると、山木先生と、弓川真紀子(ゆみかわまきこ)校長先生がいた。
先生たちの顔を見て、私は泣き出してしまい、校長からどうしたのかと尋ねられた。経緯を話しているうちに、少し落ち着いてきたので、山木先生の顔を見ると、先生は呆れた顔をしており、ボソリと、一言こう言った。
「ほかの階段通ればよかったでしょ」
信じられなかった。山木先生の顔も声も、私の知っている感じではなかったし、突き放されたような感覚に陥った。
結局その日は、違う階段を通って帰ることにした。
そして、それ以降、山木先生を信用できないままだった。
あの日は、天気が良くて、私は居眠りをしてしまい、先生から、1時間のお説教を受ける羽目になり、先生と2人っきりで教室にいた。
そして、先生のお許しを貰って、身支度を整え、挨拶をする。
ここまでは、いつもと同じだった。
「先生、さようなら」
「はい、さようなら」
担任の、山木優美(やまきゆみ)先生は、お父さんと同じ年くらいで、結婚し、私たちと同じ年の子供がいる。
1年生の頃から、担任だったので、私は山木先生をとても信用していた。
私が通っていた第二学園。2年1組の教室は、南校舎の二階で、隣は5年1組、そのまた隣が5年2組だった。
家に帰ったら友達とゲームをする約束をしていたので、走って階段を降りており前を見ていなかった。
(ドン!)
案の定、前を走っていた5年生のガキ大将、柿永蓮(かきながれん)にぶつかった。
「いってぇな」
蓮先輩は、 私の家の近所に住んでいる有名なガキ大将で、小学生の誰もが恐れている先輩だった。その先輩を怒らせたのだからあとが怖い。
「ご、ごめんなさい」
怖かったけれど精一杯の力を振り絞って謝った。許してくれると思ったのだが、先輩の顔は般若のように恐ろしく、絶対に許してはくれないことを悟った。
「あ?」
やはり、許しては貰えない。何を言われるか怖いよ。
き、聞いてみたら教えてくれるかな?
「あ、あの……」
私がそう言うと、もっと怖い顔をして怒鳴りつけてきた。
「申し訳ございませんだろ?!」
「も、申し訳ございませんでした」
深々とお辞儀をしながら、先輩の方を見るが明らかに許していない。
もうダメだと思い、強引にその場をすぐに立ち去ろうとした。
すると、先輩に肩を強く捕まれ、いまにも殴りかかりそうな勢いでこう言われた。
「いっとくけど、ここは俺たち5年生様の階段だからな。2年生は通るんじゃねぇ」
ビビりで泣き虫のくせに、負けず嫌いなので、その言葉が許せない。
「か、階段はみんなのものだよ」
咄嗟に出た言葉だったが、まずいことをしたと、後から冷や汗が止まらなくなった。
「あ? 喧嘩売ってんのかてめぇ。こうなりゃ、意地でも通してやらねぇ。」
先輩は、拳を上げて、私に襲いかかろうとした。
ぶつかったのだから、私も悪い。それに、ここにいたら殴り殺される。
私は、いったん教室へと戻ることにし、最後の力を振り絞りその場から逃げた。
教室に戻ると、山木先生と、弓川真紀子(ゆみかわまきこ)校長先生がいた。
先生たちの顔を見て、私は泣き出してしまい、校長からどうしたのかと尋ねられた。経緯を話しているうちに、少し落ち着いてきたので、山木先生の顔を見ると、先生は呆れた顔をしており、ボソリと、一言こう言った。
「ほかの階段通ればよかったでしょ」
信じられなかった。山木先生の顔も声も、私の知っている感じではなかったし、突き放されたような感覚に陥った。
結局その日は、違う階段を通って帰ることにした。
そして、それ以降、山木先生を信用できないままだった。
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