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1章 はじまり

13話告白1

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それからしばらく経ち、セバスチャン先生の授業の日がやってきた。私は、今日こそセバスチャン先生に告白するぞ。そんな勢いで、授業に臨む。

そして、授業も終盤に差し掛かった頃。事情を知っているメイドたちが、気を利かせて部屋を出てくれた。

「あのさ」
二人で同時に口を開いた。私は、先にセバスチャン先生の話が聞きたかったので、そう申し出たが、それはセバスチャン先生も同じだった。
なので、私から話をすることになった。

「セバスチャン先生。好きです。付き合ってください」
私がそういうとセバスチャン先生は、寂しそうにこちらを見た。その表情で、この後振られることが伝わってきたので、私は、ただただうつむくしかなかった。
そんな私にセバスチャン先生はこう言った。
「フランソア、その気持ち嬉しいし俺もそうしたい。でもそれはできないんだよ。私の話を聞いてくれるかい?」
「はい」
私は、寂しい気持ちを抑えながら、了承するしかなかった。

「俺、フランスから離れることになったんだ。イギリスとの戦争も終わったし、イギリスに帰って教師になる夢をかなえようと思っている。だから、君とはお付き合いはできないんだよ。君とお付き合いするということは、フランスの国王になるということだからね」
私が、フランス人で王国の娘だからお付き合いできないってこと? セバスチャンは、身分の違いなんか気にしない人だと思っていたのに。

私は、涙をこらえて部屋を後にした。そして、自分の部屋に着くと、枕にうつぶせになって泣き続けた。
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