貴方の駒になど真っ平御免です

Saeko

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第三章 学園生活

第11話 学園生活 (大学部 4)

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決行を決めてから半月後

父から sirogane.coの入社試験を受ける様に言われた事を連城先生に伝えると、

「そうですか。では、それに従った事にして願書だけ会社へ送っておきましょう。きっと白金氏の事です。筆記も面接も何もせずに彼の一存でりりちゃんを内定者とするつもりでしょう。ですが、sirogane.coクラスの企業であれば、多分ですが、書類審査があるかと思います。白金氏の方から人事部への通達がなされていなかった場合は、人事部の方で希望者をふるいにかけると思います。りりちゃんは、書類審査に通らない様な願書を書いて下さい。また、貴生氏から通達がなされていた場合は、試験日の通知が会社より来ると思います。が、その場合、りりちゃんは試験をドタキャンして下さい。それでも内定通知が来てしまった場合、辞退する旨をあちらに告げましょう。その場合、余程の事がない限り、辞退者からの連絡がTOPである貴生氏の耳に入る事は無いと思います。ですので、りりちゃんは、そのまま放置しておいて下さい。」

と言われた。

なるほど。抜け道はいっぱいあるって事ね。

「分かりました、先生。早速適当に願書書いて送付しておきます。」

「そうだね。あぁ。それと…」

「はい。」

「図書館司書の件はどうなったのかな?」

さっきの口調とは打って変わって砕けた口調になった先生。これは弁護士モードじゃなくなったんだなと思った。そんな先生に対して私は心の中でニヤッとしながら、

「先生がご存知とは知りませんでした。出処は、お爺様ですか?」

しれっと聞いてみる。

「いや……。」

口ごもる先生。

「大丈夫ですよ、先生。別に隠しておく事では無いですし。寧ろ、その件もご相談したくて伺ったんですから。」

「そうか。いや、うん……。」

「はい。実はですね……」

私は先生に、司書が狭き門である事や強力なコネクションを探している事を話した。

「そんな事なら私が解決してあげるよ。それに最悪司書になれなかったとしても、此処で働けばいい。」

「え?此処でですか?」

「あぁ、そうだよ。どうせそう遠くない未来、りりちゃんは此処で働く事になると思うんだけど…違うのかな?」

ニヤニヤしながら聞いてくる先生の言葉に一瞬首を傾げるも…

(そうだ!私……駿斗のプロポーズ受けてた。そうなれば、私は駿斗をサポートして…この事務所で一緒に……)

途端に火がついたかのように、私の顔に熱が集まったのが分かった。

「柊君には悪いが…待ってるからね。私の義娘になる百合香りりかちゃん。」

義娘って……照れちゃうよね
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