王子様に恋をした【完結】

Saeko

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第二章 前世其ノ壱

幕間③ 病室 1

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ピッ ピッ ピッ ピッ……
規則正しい電子音

カーテンが閉ざされた部屋

シュー シューと音がする

「お疲れ……どうだ?気分は?」

頭と腕に包帯を巻き、松葉杖をついた1人の男が、ベットに横たわる女に声をかける。

「……」

女はその声かけに応える事はない。

ただ静かに人工呼吸器と無数の管を身体に付け眠っていた。

男は尚も話しかける。

「今日はな?課長のやろうが傑作でよ。」

女の手を擦りながら、その日にあった事を話しているようだ。

ひとしきり話をすると、

「じゃな。また明日来るわ。」

と、愛おしそうに女の髪を撫でた。


そして、男は松葉杖をついて、病室を出て行った。

部屋にはまた酸素を送る音と電子音だけが鳴っていた。
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