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第三章 前世其ノ弐
第三幕 揺らぐ⑵
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ガーディランス公爵家で、王宮で開催される大舞踏会で着る為のドレスの打ち合わせをした日から、2週間が過ぎたある日
「アイリーン様。奥様がサロンにてお呼びでございます。」
私専属の侍女のローラが、部屋で公爵夫人から出された課題に取り組む私を呼びに来ました。
「分かったわ、ローラ。只今参ります。」
そう言って、私は読みかけの本を閉じ、我が家のサロンへ向かったのでした。
「まぁ~なんて素敵なのでしょう!」
お母様のお手元にあるのは、先日ガーディランス公爵家で見たデザイン画と瓜二つの出来栄えになっていたドレスでした。
「試着してご覧なさい、アイリーン。」
お母様はそう仰ってローラを呼び寄せ、ドレスをローラにお渡しになられました。
「畏まりました奥様。」
ローラはお母様に深々とお辞儀をし、
「さ、お嬢様。参りましょう。」
と、私の背中を押しながら、サロンの隣りにある衣装部屋へと誘導したのでした。
コルセットをギュっと締められ、腰に括れを作ると共に囁かな胸が持ち上がりました。
「軽く髪も結いますね。お嬢様は未婚ですので結い上げたりは致しませんが、だからといって何もしないわけにはまいりませんもの。」
ローラは私のアクセサリーが入った箱の中から、ドレスに似合う髪飾りを出して止めてくれました。
「お母様。」
そう言って、再びサロンに戻った私をご覧になったお母様は、
「まぁ!」
と両手を胸の前で合わせ、うっとりとして私の前まで来られると、私の周りをグルグルと回られたのでした。
「この様な素晴らしいドレスは見た事がないわ。流石はガーディランス公爵夫人でいらっしゃるわね。大舞踏会の日は、予め絵師を呼んで、綺麗に着飾ったアイリーンを描いて貰いましょうね。あぁ、当日が楽しみだわ。」
お母様の少女の様な可愛らしい笑みは、私の顔を綻ばせました。
「アイリーン様。奥様がサロンにてお呼びでございます。」
私専属の侍女のローラが、部屋で公爵夫人から出された課題に取り組む私を呼びに来ました。
「分かったわ、ローラ。只今参ります。」
そう言って、私は読みかけの本を閉じ、我が家のサロンへ向かったのでした。
「まぁ~なんて素敵なのでしょう!」
お母様のお手元にあるのは、先日ガーディランス公爵家で見たデザイン画と瓜二つの出来栄えになっていたドレスでした。
「試着してご覧なさい、アイリーン。」
お母様はそう仰ってローラを呼び寄せ、ドレスをローラにお渡しになられました。
「畏まりました奥様。」
ローラはお母様に深々とお辞儀をし、
「さ、お嬢様。参りましょう。」
と、私の背中を押しながら、サロンの隣りにある衣装部屋へと誘導したのでした。
コルセットをギュっと締められ、腰に括れを作ると共に囁かな胸が持ち上がりました。
「軽く髪も結いますね。お嬢様は未婚ですので結い上げたりは致しませんが、だからといって何もしないわけにはまいりませんもの。」
ローラは私のアクセサリーが入った箱の中から、ドレスに似合う髪飾りを出して止めてくれました。
「お母様。」
そう言って、再びサロンに戻った私をご覧になったお母様は、
「まぁ!」
と両手を胸の前で合わせ、うっとりとして私の前まで来られると、私の周りをグルグルと回られたのでした。
「この様な素晴らしいドレスは見た事がないわ。流石はガーディランス公爵夫人でいらっしゃるわね。大舞踏会の日は、予め絵師を呼んで、綺麗に着飾ったアイリーンを描いて貰いましょうね。あぁ、当日が楽しみだわ。」
お母様の少女の様な可愛らしい笑みは、私の顔を綻ばせました。
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