Tune the Rainbow

媛貴

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03「男連中の幼馴染会議・高校生進路編。」

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月翔「はぁ~~~~~~~~………」
蔵人「露骨な『ねえちょっと話聞いてよオーラ』全開なため息ありがとう。どうした?」
月翔「………絶対羊に幻滅された…………」
蔵人「何??どした??別れるの???別れるの??????」
月翔「ムカつく。ほんとムカつく。今日ほど兄さんのこの笑顔がムカついた日はない」
寿城「何やらかしたんだよ」
月翔「…しくじった……せっかくいいチャンスだったのに」
蔵人「よし洗いざらい話せ」
寿城「マジで何やらかしたんだ」
月翔「……昨日さ、僕の部屋でおうちデートだったんだ。昨日は非常に…
…そう、非常に運がいいことに、両親、弟ともに不在でした」
寿城「おっと?」
蔵人「これは期待できる」
月翔「いつも通りモンハンやってたりして遊んでたんだけど、その……いい雰囲気になってさ」
寿城「おお!」
蔵人「証人は続けてください」
月翔「その……勢いで、押し倒してしまいまして」
寿城「つよい」
蔵人「待て。まだ慌てるな寿城」
月翔「……押し倒したのはいいんだけど……
どうしていいかわからなくなって………」
寿城「あーーーー……………」
蔵人「あーーーー……………」
月翔「絶対!絶対!!羊に意気地無しって思われた!!!!幻滅されたに決まってる!!!!」
蔵人「あっはっはっはっはっ!!ざまぁwwww!!」
寿城「兄貴、思春期の硝子ofハートを助走つけてブチ砕くのはやめてやれ」
月翔「だってさ!だってさ!!!なまじそっち系の知識があるから困るんだよ!!情報過多なんだよ!!!!」
寿城「お前、医者目指してるもんな。小児科医だっけか」
蔵人「本能に従えばいいものを」
月翔「僕は理論派なんだよ!草食系なんだよ!!!
兄さんや寿城みたいな飢えた肉食恐竜と一緒にしないで欲しい!!」
寿城「俺まで全否定された。しかも俺は特に飢えてねぇし」
月翔「は????」
蔵人「何言ってんだこいつふざけんなよ。
青春真っ盛りで毎分毎秒ブラブラムラムラしてる男子高校生が女の子に興味ないとか男として終わってるだろ。
去勢すっぞ」
寿城「ホント容赦ねぇな!俺も、進路に向けて色々準備してんだよ」
月翔「そういえば寿城の進路って聞いてなかったよね。どうするの?水泳は続けるんだよね?」
蔵人「水泳の選手かー。オリンピック目指してるんだろ?」
寿城「………潜水士」
月翔「えっ?」
蔵人「うん?」
寿城「海保の潜水士、目指すことにした」
月翔「せんすいし…?あの、海難救助の?」
寿城「うん」
月翔「……随分急だね……」
蔵人「………お袋さんのことか?」
寿城「…そんなとこ」
月翔「……そう、なんだ………なんか、ごめん…」
寿城「は?なんで謝るんだよ」
月翔「なんか、僕が浮かれてるみたいでさ…」
寿城「いいんじゃね?俺は俺がなりたくて目指してるだけだし。それに……」
月翔「それに?」
寿城「潜水士も医者と同じくらいモテるらしい」
月翔「ンフッ」
蔵人「さすが寿城。抜け目ない。…蓮美ちゃんはどうすんのさ」
寿城「は?なんで蓮美??」
月翔「えっ。2人って仲良いじゃん。てっきり付き合うんだと思ってた」
寿城「どっからそんな話湧いてんだ。蓮美はただの幼馴染だろ。そりゃ確かに零韻より可愛いけどさ」
蔵人「は????????お前今なんつった???????
ウチの妹は最強最高にハチャメチャに可愛いし???
可愛くて可愛くて可愛くて、どうしようもなく最高に可愛いオブ可愛いなんですけど何か文句あります???張り倒すぞクソが」
寿城「違う、そういう意味じゃねぇよ」
月翔「寿城は地雷が足元にあるの分かっててなんの躊躇いもなくブチ抜きに行くタイプの命知らず」
蔵人「そんな奴が潜水士勤まんのかよ」
寿城「……なる。絶対になる。潜水士になって、一人でも多くの人を助ける。
例え亡くなった人でも、一人でも多くの人を…家族の所に返してあげたいんだ」
月翔「………」
蔵人「…カッコイイな、寿城。お前めちゃくちゃカッコイイよ」
寿城「ほ、褒めてもなんも出ねえよ…!そういう兄貴はどうすんだ?」
蔵人「俺?俺はJAEかな」
寿城「JAE???」
月翔「何それ」
蔵人「ジャパンアクションエンタープライズ。
最近俳優やCMの仕事も入るようになったけど、やっぱりアクションスキル増やしたいなーって」
寿城「相手役、確実に死んだな」
月翔「兄さんがこれ以上戦闘能力上がったら、ヒューマノイドタイフーンとして局地災害指定されてもいいと思う」
蔵人「だって!!JAEって言ったら特撮のアクション俳優さんをわんさか排出してんだぞ?!
俺もレジェンド高岩みたいなアクション俳優になりたいし、将来の夢は特撮でヒーローやりたいもん!!
ただしスーツアクターは無理!!装着してるだけで暑苦しいから!!!!」
月翔「それを有言実行しちゃうのが兄さんクオリティ」
蔵人「なれるよ、月翔も寿城も。だってお前ら強いもん」
月翔「またまた。兄さんはそうやってすぐ僕たちを唆す」
蔵人「月翔。お前なんで医者になりたいんだ?」
月翔「えっ。僕は…弟が…陽翔(あきと)が小児ガンで入院した時の先生がすごく優しくて…患者に寄り添って、
家族である僕たちのケアにも尽力してくれた素敵な先生で…
そんな小児科の先生になりたいし、陽翔が笑って元気に過ごしてくれてると…たまに涙が出るほど嬉しくなる。
そうやって救える命があるなら、僕は知識を吸収して技術を磨いて、同じ小児医療であの時の恩返しがしたいんだ」
蔵人「寿城はどうだ」
寿城「……似たようなもんだよ。
水難事故でお袋は助からなかったけど、遺体はちゃんと帰ってきた。
火葬場で焼いて、ちゃんと遺骨を墓に入れてやれた。水死体ってのは長時間水没してると、発見時は人の形を保ってても、いざ引き上げようとしたら肉が崩壊して原型を留めてないことも珍しくないらしい。
それでも見つかるだけいい。発見されなかったら、独り冷たい海で永遠に彷徨うことになる…
そんなの、浮かばれねぇ…亡くなった人も、家族も、誰一人救われない。
すべての命を救うなんてことはできねぇが、一人でも多くの人を救いたい。
…現役潜水士の親父の意志を継ぎたいなんて格好はつけねぇ。俺が、そうしたいんだ」
蔵人「……グッド。二人とも、いい覚悟だ。それだけの想いがあるなら十分だよ。月翔も寿城も、『自分の意志で将来を選択している』…。
それがどれほど価値があり尊いことか、何年か先に分かると思う。俺自身も、今の仕事に誇りを持っている。
どの選択肢もね、決して平坦ではないと思う。
もしかしたら、ただの『賽の河原の石積み』に終わることもあるだろう。
だけど、それでも『経験』であることには違いない。
無意識に身体に、心に刻まれていく経験を決して無駄にするな。
どんな崖っぷちでも『経験』は、お前たちの財産になってお前たち自身を、そしてお前たちが心から護りたいと思う存在をも救うことになるから」
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