堕ちた双子

ゆきみまんじゅう

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崩れ去った日常

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その日の夜はあまり寝付けなかった。

やっと眠れたと思ったら、今度は悪夢に襲われた。
内容ははっきりとは覚えていないが、何者かに追われていたような気がする。
そのせいで1時間おきに目が覚めてしまい、とうとう朝が来てしまった。

いつもならとっくに起きて、掃除をしている時間だが、とてもじゃないがする気力がなかった。
けれども海斗を放っておくわけにもいかず、俺は重い腰を上げた。

海斗の部屋に着き、カーテンを開けると、外は昨日と同じように、快晴だった。

俺の気持ちとは裏腹に、何事もないように1日が始まっていく。
まるで俺だけが日常から取り残されたようで、孤独感に苛まれた。

それでも海斗の寝顔を見てみると、それだけで少しだけ心が救われた。

「海斗、おはよう。」

寝ぼけ眼な海斗の頭を、優しく撫でる。
すると海斗は、そっと微笑んで挨拶を返した。

いつもと同じように、朝食を用意して、一緒に食事を取る。
そして海斗の制服に着替えて学校へと向かうため、玄関に向かう。

この先は地獄が待っていようが、俺は立ち向かってやる。
意を決して玄関のドアを開けようとしたら、海斗に呼び止められた。

「兄さん、もしも、今日も捕まえられなかったら、もういいから…。」

今にも消えそうな声で、海斗が心配そうに話した。

本当なら、振り返って笑顔を見せたいところだったが、とてもじゃないが無理だった。
もし今、海斗の顔を見てしまったら、泣いてしまいそうだったからだ。
だから俺は振り返ることなく、家を出た。
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