堕ちた双子

ゆきみまんじゅう

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もう抗うことはできない

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身体を拭き、ベッドに座らされた俺は、初めて目の前で、男の隆起したものを見た。

まだそこは、触れられていないはずだ。

それなのにこれだけ大きくなっているということは、やはり俺を性的興奮の対象と見做しているといることだろう。

俺が男のものを凝視していると、次第にそれが間近に迫ってきた。

そして口元まで来ると、それが唇に軽く触れた。

「陸斗くんは、今まで散々気持ちよくなったよね。じゃあ今度は、僕を気持ち良くさせてよ。」
「───ッ⁉︎」

つまりは、咥えろということだろう。

そう頭では理解したが、なかなか簡単に実行できることではない。

「ほら、早くしないと、今日はもう、辞めちゃうよ。」
「えっ………?」

なぜだろうか。

辞めてくれれば嬉しいはずなのに、胸がざわついて堪らない。

男に犯されるなんて、屈辱的なはずなのに、一体どうしてなのか、自分でもさっぱり分からない。

まさか心の奥底では、更なる快楽を求めているということなのだろうか。

いや、違う。

今までだって、何度も快楽を求め続けていたじゃないか。

上辺だけで快楽を否定して、自分を偽り続けていただけだった。

その事に気付いたのなら、もう我慢する必要はないのではないか。

しばらく押し黙ったまま、躊躇いを捨て、頭の中の欲望に従うことにした。

恐る恐る男のものを左手で掴み、口先を近づけていく。

もちろん今まで、ものなんて咥えたことなんてなかったので、どうすればいいか分からないまま、舌を震わせながら先端をそっと舐めた。

「別に喉の奥まで挿れなくてもいいからね。先の方だけでいいよ。」

そんな俺を見かねてか、音が優しく声をかけてくる。

男に言われた通り、先端だけを咥えた俺は、頭を上下に動かしてみた。

なるべく男のものを咥えていると意識しないよう、目を瞑って視界を遮断した。

だが次第に口の中で硬く大きくなるものの実感で、嫌でも意識せざるを得なかった。

恥ずかしさのあまり、俺は咥えるのをやめ、頭を後ろに下げた。

「よく頑張ったね。それじゃあ、ご褒美をあげる。」

不意をつかれた俺は、あっさりとベッドに押し倒され、その上に男が跨ってきた。

「いっ……いやっ!」

股を開かれ、あそこに硬いものが充てがわれる。

「大丈夫。すぐに気持ち良くなるから。」

散々慣らされたそこは、あっさりと男のものを受け入れ、俺の中に収まりきった。

今まで感じたことのない中の熱に、思わず息を乱した。

「それじゃあ、動くよ。」
「やっ……待って…ッ……ああ…っ……ん……。」

男は腰を上下に動かし、最奥を何度も貫いた。

そして俺の感じる場所を見つけると、その部分を容赦なく責め立てた。

「やあっ…!!……そこ…っ……だめ……っんん!!」
「駄目じゃなくて、いいところでしょ?その証拠に、僕のを締め付けて離さない。」

とてつもない快楽に、俺の思考は完全に溶けてしまい、飲み込まれていく。

男の方も息を切らし、切羽詰まった様子だった。

「この様子だと、中だけでもイケそうだね。じゃあ、もっと早く動かすよ。」

律動がさらに早まり、身体も心も快楽に支配された俺は、イクことしか考えられなかった。

「あああっ!……っ……イ…ッ…ああああああっ!!」

その瞬間、視界に白いモヤがかかり、思考が完全に停止した。

それでも男の腰は止まらず、自分の性を吐き出すことしか頭にないようだった。

「う……っ。すごい締め付けだ。僕も…イキそうだ。」

そう言うと男は一層動きを早め、低く呻ったかと思えば、俺の中に熱いものを吐き出した。

「ああ…っ……はあ……はあ……。」

男に抱かれ、中に吐き出されるという、屈辱的な行為。

それなのに俺は、何故満足感を抱いているのだろうか。

気づけば頬に涙が伝っていた。

これは男に犯された悲しみの涙ではない。

快楽に屈服し、もうそれなしでは生きられなくなった自分に絶望した涙だった。



ホテルを後にし男と別れた俺は、腰に鈍痛を感じながら、家路へと向かっていた。

外はすっかり暗くなっており、それほど長い時間、男に犯されていたのだと実感した。

これでは夕食を作るのは間に合わないと思い、コンビニで弁当でも買おうかと思い、海斗に連絡を入れようとした。

その時初めて、スマホを持っていないことに気がついた。

「そういえば、机の上に置きっぱなしだった気がする。」

俺からの連絡がないと、海斗も心配するだろうと思い、コンビニには寄らす、急いでそのまま家に向かった。
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