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3章 辺境の地ライムライトへ
26、ケイはランクアップする
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「じゃあさっさと手続きしちゃうわね」
僕が渡した郵便物と冒険者カードを手にカウンターの中へ入ったミルファさんは、レナさんが帰ったと教えてくれた茶髪ハーフアップの女性に軽く手を上げて挨拶をすると、神具『神の眼』が置いてあるデスクに向かって作業を始めた。
「ミルファは用心棒的な仕事以外に、本来の仕事じゃねえがああやって受付の手伝いもしてる。案外堂に入ってるだろ」
レオンハルトがキーボードを打っているミルファさんを指さして言った。
ものすごい早さでキーを打ち、サクサクと仕事を進めていたセイアットさんに比べると、手付きはゆっくりだけど正確に打とうとしているのが分かる。縦長の瞳孔を持つミルファさんの目は真剣そのものだ。
じっと見られていると仕事がやりにくいだろうと目線を外し、少しだけ人が増えてきたギルド内を見回すと、使い込まれた装備をしている冒険者が多いことに気が付いた。ベテランでなくとも身につけている鎧や兜などの武具や、武器はあまり詳しくない僕の目から見てもいいものだった。さすが鍛治の街グランダンナの冒険者といえるだろう。
今まで防具は籠手しか使っていなかったけれど、冒険者になった以上、身体の動きを阻害しない程度の軽くて丈夫な胸当てや状態異常無効のアクセサリーなどの装備品も考えた方がいいかもしれない。
「あら!」
そんなことを考えていたら、驚いたようなミルファさんの声がして、レオンハルトと僕は目を見合わせた。
「? どうしたんですか? ……あ」
ミルファさんの手元には僕のギルドカード。さっきまで白だったはずのそれは今では茶色に変化していた。つまりそれは僕がF級からE級に昇格したことを意味していた。
「お、昇級したのか。おめでとさん」
レオンハルトもカードの色を見て昇級に気付き、お祝いの言葉をかけてくれる。けれど嬉しさの前に僕に襲ってきたのは早い昇級に対しての困惑だった。
「何かの間違いでは? 冒険者登録してまだ三日も経ってないんですけど」
「F級は登録しただけの人たちで数が多いですからね。ある程度依頼を熟せばすぐに昇級するようになっているんですよ」
「なるほど」
ミルファさんが僕の疑問に答えた。
身分証のためだけにギルドカードを作り、あとはカードの期限が切れる前に清掃や採取などの小さい子供でもできる簡単な依頼を受けるといった、昇級を望まずずっとF級のままでいる人たちは掃いて捨てるほどいる。そのためF級は昇級条件がゆるく、早い段階でE級に上がれるようになっているのだそうだ。
ただし昇級が簡単なのはここまでだ。上に行けば行くほど昇級条件は厳しくなっていく。特にC級からB級に上がるのは困難で、だいたいの冒険者が万年C級のままB級に上がることなく冒険者を辞めていく。
「ケイはペイルに騎乗したままで水辺スライムとキシベヌートリアを大量に倒してたじゃねえか。そんなのE級の奴らだって出来るもんじゃねえぞ。それにほら……、草原で会ったF級のアンポンタンたち覚えてるか?」
「レオンハルトさん……。多分それはシンくん、カーンくん、センくんだと思うよ……」
レオンハルトが言うアンポンタンたち、それはあの三人の少年のことだろう。
「そうだっけ? まあ名前なんてどうでもいいや。F級っていったらみんなアイツらと似たり寄ったりの強さで、お前があっという間に倒してた水辺スライム一匹ですら三人がかりでも手こずるぜ。お前の強さでF級のままだったら他の奴らの立場がねえだろ。純粋な強さだけならお前の今の実力はC級、いやB級でも遜色ないと思うぜ」
強さだけなら、というのは敵が対人であると想定した場合だろう。魔獣相手と人間相手はそも戦い方が違う。僕たち暗殺者のターゲットはもっぱら人で、人に対しては強いけれど、これが本能だけで行動する魔獣になると、どこまでこの力が通用するか分からない。習性や弱点を知り、魔獣を相手に戦闘を繰り返してきた冒険者たちと比べたら僕はD級くらいが妥当か。
ミルファさんの視線が僕のギルドカードの情報に向かう。
「え~っと、あとは山賊の討伐も昇級の理由ね」
「ああ! そんな奴らも居たなぁ。縛って山中に放置したままだっけな。まあ今ごろ魔獣のエサになってるだろうがな」
「もうっ。そういうことは早く報告してください!」
腰に手を当てて栗鼠のように頬を膨らましたミルファさんは、デスクの引き出しから六つ折りにされた地図を出し、それを広げてレオンハルトに見せ場所を聞いた。
「あ、そういえば山中で『ファントム』にも遭遇したな」
山賊を置き去りにした場所を指で差した後、指をずらしてファントムの出現位置をついでのように報告したレオンハルトの言葉に、ミルファさんはデスクを両手で叩いて頭を抱えた。
「……『ファントム』って言ったら滅多に遭遇することがないけれど、遭うと命の危険があるA級災害指定の幻想種じゃない! ギルドから緊急で国に報告すべき案件ですよ? レオンさん、いったい何年ギルマスやってるんですか!」
ミルファさんは他の人に注意喚起の周知をしないといけないと言って、僕のカードを押し付けるように渡した。
「これ、手続き終わりましたから! ああ、忙しい忙しい!」
慌てた様子で奥の部屋へ入っていったミルファさんはしばらく待っても出てこなかった。レイド戦が終わって忙しくなる時に手を煩わせることになって申し訳ない。
「忙しそうだから帰るかぁ」
「……レオンハルトさん」
しれっと帰ろうとしているレオンハルトをミルファさんの代わりに睨んでおいた。
外に出て解体したマーダージャイアントホーネットの素材を持つ冒険者たちを横目で見ながら道を歩く。マジックバッグを持っていないのか、素材を手づかみして歩く冒険者もいれば、台車に乗せて魔獣に引かせている者もいる。台車を引く魔獣はテイムした小型種で、地域によって種類はさまざまだ。ここグランダンナでは二足歩行の兎、首狩兎が多いようだ。
「ウサギ肉が食いたくなってきた……」
「あ、おい! どうした!? 待てーー!!」
よだれを垂らさんばかりにレオンハルトが呟いた言葉に、近くにいたヴォーパルバニー数匹がブルっと体を震わせ、台車をすごい早さで引っ張って逃げていった。テイマーだろう冒険者が急に走り出したヴォーパルバニーを慌てて追いかけていく。ウサギは耳が大きいので、レオンハルトの小さな呟きも聞こえてしまったんだろう。
「よし! 今日の夕食はウサギ肉が美味えとこにするかぁ。もうちょっと先に兎肉のローストやシチューが美味い店があるんだ」
今日の夕飯のメニューが決まった瞬間だった。
「お前の昇級祝いだからな。いつもの安酒場とは違ってお忍びの貴族や金のある高位冒険者なんかが立ち寄るちょいっと格式が高めな店だ。味は保証するぜ」
「えーっと。服はこれで大丈夫なの?」
よれよれの白いシャツに紺色のトラウザーズ、色がくすんでしまった灰色のマント姿のレオンハルトに、シャツ、ジャケット、トラウザーズ、ショートブーツに至るまで真っ黒な僕。僕の方はジャケットもあるからなんとかなるにしても、レオンハルトの恰好は格式高い料理店には不向きだ。顔パスで店には入れるだろうが、他の客から白い目で見られそうだ。
「別の店でも……」
そう言ったけれど、レオンハルトの中ではもう夕食はウサギ肉以外考えられない状態になっているようで、ウサギ肉を出すのがその店のみということで別の店の選択肢はない。
「そういやお前が着てる服って」
「はい。レオンハルトさんが適当に買ってきたものですね。あとはバークレー商会から売れ残りを頂いたり」
服も金も持っていなかった僕に、王都を発つ前日、下着や服を用意してくれたのはレオンハルトだ。ただ、吟味したものではなく店任せで買ったもので、サイズも微妙に合ってない。僕としては着られれば何でもいいのでありがたく着させてもらっている。靴は元々履いていたものだ。
「じゃ、パパッとテキトーな服屋で服買って、さっさとウサギ食うぞ~~」
レオンハルトの大きな声にまたヴォーパルバニーが大慌てで逃げていった。
……………………………………………………………………
【補遺】
首狩兎ヴォーパルバニーとは
シャン◯ロにも出演されている有名なうさぎさんなので知っている人は多いでしょう。手に剣を持っているウサギさん。首を狙ってくるので要注意!
この作中のヴォーパルバニーさんは、二足歩行、子供くらいの身長、ウサギの顔に筋肉モリモリの身体を持つ、けっこう気持ち悪い感じのウサギさんです。もちろん食べられません。逆に自分たちが食べられないように気をつけましょう。
……………………………………………………………………
僕が渡した郵便物と冒険者カードを手にカウンターの中へ入ったミルファさんは、レナさんが帰ったと教えてくれた茶髪ハーフアップの女性に軽く手を上げて挨拶をすると、神具『神の眼』が置いてあるデスクに向かって作業を始めた。
「ミルファは用心棒的な仕事以外に、本来の仕事じゃねえがああやって受付の手伝いもしてる。案外堂に入ってるだろ」
レオンハルトがキーボードを打っているミルファさんを指さして言った。
ものすごい早さでキーを打ち、サクサクと仕事を進めていたセイアットさんに比べると、手付きはゆっくりだけど正確に打とうとしているのが分かる。縦長の瞳孔を持つミルファさんの目は真剣そのものだ。
じっと見られていると仕事がやりにくいだろうと目線を外し、少しだけ人が増えてきたギルド内を見回すと、使い込まれた装備をしている冒険者が多いことに気が付いた。ベテランでなくとも身につけている鎧や兜などの武具や、武器はあまり詳しくない僕の目から見てもいいものだった。さすが鍛治の街グランダンナの冒険者といえるだろう。
今まで防具は籠手しか使っていなかったけれど、冒険者になった以上、身体の動きを阻害しない程度の軽くて丈夫な胸当てや状態異常無効のアクセサリーなどの装備品も考えた方がいいかもしれない。
「あら!」
そんなことを考えていたら、驚いたようなミルファさんの声がして、レオンハルトと僕は目を見合わせた。
「? どうしたんですか? ……あ」
ミルファさんの手元には僕のギルドカード。さっきまで白だったはずのそれは今では茶色に変化していた。つまりそれは僕がF級からE級に昇格したことを意味していた。
「お、昇級したのか。おめでとさん」
レオンハルトもカードの色を見て昇級に気付き、お祝いの言葉をかけてくれる。けれど嬉しさの前に僕に襲ってきたのは早い昇級に対しての困惑だった。
「何かの間違いでは? 冒険者登録してまだ三日も経ってないんですけど」
「F級は登録しただけの人たちで数が多いですからね。ある程度依頼を熟せばすぐに昇級するようになっているんですよ」
「なるほど」
ミルファさんが僕の疑問に答えた。
身分証のためだけにギルドカードを作り、あとはカードの期限が切れる前に清掃や採取などの小さい子供でもできる簡単な依頼を受けるといった、昇級を望まずずっとF級のままでいる人たちは掃いて捨てるほどいる。そのためF級は昇級条件がゆるく、早い段階でE級に上がれるようになっているのだそうだ。
ただし昇級が簡単なのはここまでだ。上に行けば行くほど昇級条件は厳しくなっていく。特にC級からB級に上がるのは困難で、だいたいの冒険者が万年C級のままB級に上がることなく冒険者を辞めていく。
「ケイはペイルに騎乗したままで水辺スライムとキシベヌートリアを大量に倒してたじゃねえか。そんなのE級の奴らだって出来るもんじゃねえぞ。それにほら……、草原で会ったF級のアンポンタンたち覚えてるか?」
「レオンハルトさん……。多分それはシンくん、カーンくん、センくんだと思うよ……」
レオンハルトが言うアンポンタンたち、それはあの三人の少年のことだろう。
「そうだっけ? まあ名前なんてどうでもいいや。F級っていったらみんなアイツらと似たり寄ったりの強さで、お前があっという間に倒してた水辺スライム一匹ですら三人がかりでも手こずるぜ。お前の強さでF級のままだったら他の奴らの立場がねえだろ。純粋な強さだけならお前の今の実力はC級、いやB級でも遜色ないと思うぜ」
強さだけなら、というのは敵が対人であると想定した場合だろう。魔獣相手と人間相手はそも戦い方が違う。僕たち暗殺者のターゲットはもっぱら人で、人に対しては強いけれど、これが本能だけで行動する魔獣になると、どこまでこの力が通用するか分からない。習性や弱点を知り、魔獣を相手に戦闘を繰り返してきた冒険者たちと比べたら僕はD級くらいが妥当か。
ミルファさんの視線が僕のギルドカードの情報に向かう。
「え~っと、あとは山賊の討伐も昇級の理由ね」
「ああ! そんな奴らも居たなぁ。縛って山中に放置したままだっけな。まあ今ごろ魔獣のエサになってるだろうがな」
「もうっ。そういうことは早く報告してください!」
腰に手を当てて栗鼠のように頬を膨らましたミルファさんは、デスクの引き出しから六つ折りにされた地図を出し、それを広げてレオンハルトに見せ場所を聞いた。
「あ、そういえば山中で『ファントム』にも遭遇したな」
山賊を置き去りにした場所を指で差した後、指をずらしてファントムの出現位置をついでのように報告したレオンハルトの言葉に、ミルファさんはデスクを両手で叩いて頭を抱えた。
「……『ファントム』って言ったら滅多に遭遇することがないけれど、遭うと命の危険があるA級災害指定の幻想種じゃない! ギルドから緊急で国に報告すべき案件ですよ? レオンさん、いったい何年ギルマスやってるんですか!」
ミルファさんは他の人に注意喚起の周知をしないといけないと言って、僕のカードを押し付けるように渡した。
「これ、手続き終わりましたから! ああ、忙しい忙しい!」
慌てた様子で奥の部屋へ入っていったミルファさんはしばらく待っても出てこなかった。レイド戦が終わって忙しくなる時に手を煩わせることになって申し訳ない。
「忙しそうだから帰るかぁ」
「……レオンハルトさん」
しれっと帰ろうとしているレオンハルトをミルファさんの代わりに睨んでおいた。
外に出て解体したマーダージャイアントホーネットの素材を持つ冒険者たちを横目で見ながら道を歩く。マジックバッグを持っていないのか、素材を手づかみして歩く冒険者もいれば、台車に乗せて魔獣に引かせている者もいる。台車を引く魔獣はテイムした小型種で、地域によって種類はさまざまだ。ここグランダンナでは二足歩行の兎、首狩兎が多いようだ。
「ウサギ肉が食いたくなってきた……」
「あ、おい! どうした!? 待てーー!!」
よだれを垂らさんばかりにレオンハルトが呟いた言葉に、近くにいたヴォーパルバニー数匹がブルっと体を震わせ、台車をすごい早さで引っ張って逃げていった。テイマーだろう冒険者が急に走り出したヴォーパルバニーを慌てて追いかけていく。ウサギは耳が大きいので、レオンハルトの小さな呟きも聞こえてしまったんだろう。
「よし! 今日の夕食はウサギ肉が美味えとこにするかぁ。もうちょっと先に兎肉のローストやシチューが美味い店があるんだ」
今日の夕飯のメニューが決まった瞬間だった。
「お前の昇級祝いだからな。いつもの安酒場とは違ってお忍びの貴族や金のある高位冒険者なんかが立ち寄るちょいっと格式が高めな店だ。味は保証するぜ」
「えーっと。服はこれで大丈夫なの?」
よれよれの白いシャツに紺色のトラウザーズ、色がくすんでしまった灰色のマント姿のレオンハルトに、シャツ、ジャケット、トラウザーズ、ショートブーツに至るまで真っ黒な僕。僕の方はジャケットもあるからなんとかなるにしても、レオンハルトの恰好は格式高い料理店には不向きだ。顔パスで店には入れるだろうが、他の客から白い目で見られそうだ。
「別の店でも……」
そう言ったけれど、レオンハルトの中ではもう夕食はウサギ肉以外考えられない状態になっているようで、ウサギ肉を出すのがその店のみということで別の店の選択肢はない。
「そういやお前が着てる服って」
「はい。レオンハルトさんが適当に買ってきたものですね。あとはバークレー商会から売れ残りを頂いたり」
服も金も持っていなかった僕に、王都を発つ前日、下着や服を用意してくれたのはレオンハルトだ。ただ、吟味したものではなく店任せで買ったもので、サイズも微妙に合ってない。僕としては着られれば何でもいいのでありがたく着させてもらっている。靴は元々履いていたものだ。
「じゃ、パパッとテキトーな服屋で服買って、さっさとウサギ食うぞ~~」
レオンハルトの大きな声にまたヴォーパルバニーが大慌てで逃げていった。
……………………………………………………………………
【補遺】
首狩兎ヴォーパルバニーとは
シャン◯ロにも出演されている有名なうさぎさんなので知っている人は多いでしょう。手に剣を持っているウサギさん。首を狙ってくるので要注意!
この作中のヴォーパルバニーさんは、二足歩行、子供くらいの身長、ウサギの顔に筋肉モリモリの身体を持つ、けっこう気持ち悪い感じのウサギさんです。もちろん食べられません。逆に自分たちが食べられないように気をつけましょう。
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