“魔剣" リルムリート

さよなら本塁打

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第二章 大隅秘湯、夜這い旅? 人気ゴルファーの謎

第16話 エロスの温泉

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「るんるん♪」


 脱衣場から、御機嫌な鼻歌が聴こえる。敏子だ。実は彼女、ここの温泉が大変に気に入ったらしく、毎日、ヘビーローテーションで入っている。すでに今日も、朝と夜に入浴済みだが、日付けが変わろうとするこの時間帯、またも、ここに現れたのである。


「なんか、この旅館に来てから、肌ツヤがいいんだよねぇ……」


 鏡で、ぱっつん前髪の下にある愛らしいロリータフェイスをチェックし、指先で頬のあたりを撫でてみた。この温泉は、美容にもいいようだ。まさに“名湯"であり“秘湯"ではないか。良い宿を提供してくれた“組織"に感謝した。


 浴衣を脱ぐと、チャーミングなロリータボディがあらわになる。水玉模様のブラジャーを外し、AAカップのバストを解放させた。


「さぁ、温泉温泉♪」


 長い髪をアップにし、敏子は、湯気に曇ったガラス戸を開けた。










「ぶくぶくぶく、ぷはっ……!」


 誰もいない浴槽で泳いでいた隼人が、美しい顔を上げた。体調が戻り、久々の風呂である。気持ち良くないわけがない。医者からも許可が出た。


「あぁ、いい湯だなぁ……」


 そう言いながら、溜息をついた。檜で出来た浴槽には風情もあり、さらには露天風呂まである。子供が楽しむには充分の温泉だ。普段、入っている奈美坂精神病院のバスルームとは全然違う。


「あれ?隼人くん」


 ロリータボイスが浴場に響いた。目を向ける。敏子ではないか。


「君も今、お風呂だったんだね」


 湯気で霞む空気の先に、一糸も纏わぬロリータボディが立っていた。肉感的な和美と違い、敏子は身体付きが薄い。肩やお尻も小さいが、胸もぺったんこだ。でも、陰毛は黒々と生えている。童顔であっても、彼女は子供ではない。立派な大人なのである。隼人は、ちょっと赤くなった。


「んじゃ、いっしょに入ろッか」


 男湯が改装中であることを思い出し、敏子は言った。相手は小学生なのだから女湯に共に入っても問題はない。小柄な上に、少女と見間違うような美貌の少年である。余計に抵抗を感じない。


 すでに先程、一度入浴している敏子は、壁にかけられたシャワーで軽く体を流した。そして、隼人が浸かっている湯船に近づいてくる。


「よいしょ」


 と、彼女が入る直前、少年の目に、結構はっきりと黒い陰毛が映ってしまった。なかなかヤバい角度だった。またも隼人は赤くなる。


「ここの温泉、いいよねぇ」


 と、敏子。


「うん……」


 と、美少年。ちょっと、もじもじしている。


「体の調子は大丈夫?」

「うん……」

「そっか、良かった」

「うん……」

「隼人くんは、ひとりっ子なの?」

「うん……」

「そっかぁ。うちは大家族なんだ。あたしが長女」


 なるほど。敏子は、しっかり者である。実家の経済的な事情で進学せず、EXPERになった彼女は、家計も支えていた。


「でも、家族で温泉とか来たことないんだよね。いつか、みんなで来なきゃ」


 そう言うロリータフェイスを見て、その苦労を隼人は知った。悲壮感はなく、前向きな表情である。いつも元気に振る舞っていた香代のことを思い出した。


「無理は、しないでね」

「え?」


 隼人の言葉の奥底にあるものを、敏子は知らない。だから、聞き返した。


「敏子さんは、元気でいてね」


 それは、香代と同じ目に遭う女を二度と見たくないという思いから言わせた台詞である。


 “あたしたちは人のために生きていくべきなんじゃないかしら。特別な力を持っている以上、どこの誰だか知らない人であっても、その人たちのために"


 香代の言葉は、隼人の生涯における“枷"なのかもしれない。みっともない嫉妬から彼女にひどいことを言い、傷つけ、突き放した過去を償うため、少年は戦うことを誓ったのか。首払村で魔剣リルムリートと共に、命をかけて化け物を斃し、その後、奈美坂精神病院に戻った彼は、正義と平和、そして市井の人々の安全を守るため、人生を捧げることになる。それは、EXPERならば誰しもが同じであり、特別なことではない。


 だが、敏子や和美には、“戦場"に散った香代のような運命を辿ってほしくはなかった。前向きな姿勢に、ほんの少しでいいからブレーキをかけてほしいと願った。死ぬのは男子である自分一人で充分だ。だから言った。


「一人っ子の僕に、“お姉さん"が二人出来たんだ。だから、元気で、安全でいてよ」


 敏子は感激した。目の前の少年は、“心配"してくれているのだ。そして、自分を“姉"と呼んでくれたではないか。


「隼人くん……」


 涙が出てきた。それは、風呂の湯に流され隼人には見えなかったかもしれない。だが、“心"くらいは伝わっただろうか。


「ありがとう……!」


 そう言って、敏子は美しい少年を抱きしめた。


「と、敏子さん……」


 隼人は、真っ赤っ赤になってしまった。ロリータボディの小さな胸に付いている大人の乳首が少年の体に当たる。その感触は和美のものほどに豊満ではないが、子供には充分、刺激的なものだった。


「大丈夫だよ。あたしは……」


 と、敏子。彼女の言葉を隼人は信じきっていない。以前、首払村の川岸で、和美も同じことを言っていた。だが結局、化け物に取り憑かれ、危険な目に遭ったではないか。だから祈った。敏子の平穏な人生を。


(やば……)


 湯の中で、なにやら少年のあそこが、むくむくと大きくなってきた。それが、ちょうど敏子の股間のあたりに当たっているではないか。ロリータボディに生えている陰毛の感触が、隼人の性器に伝わる。“そこ"に触れているのだ。


「心配してくれて嬉しい。あたし、隼人くんのこと、大好きだよ……」


 感謝の言葉を述べる敏子は、少年の“異変"に気づかないのか。風呂が熱いせいで、股間の高熱を感じないのか。


「う、うん……だから、そろそろ……」


 と、隼人。だが、感動中のロリータボディは離そうとしてくれない。それどころか、抱きしめる力が、より強まった。隼人の全身も温泉並みに熱くなってきた。


「隼人くんは、優しいんだね。いい子だね。和美ちゃんの言うとおりだよ」


 もはや、抵抗すらしない隼人を精一杯抱きしめ、敏子が言った。そのロリータボディは小さなものだが、隼人の体はもっと小さい。魅惑の拘束は続いた。


「隼人くん……?」


 三分後、敏子は少年の顔を確認した。なんと隼人は、茹でダコのように、真っ赤になっているではないか。










「うーん……」


 と、のぼせた隼人を脱衣場に寝かせ、素ッ裸のまま敏子は、うちわで、ぱたぱたとあおいだ。


(あぁ、あたしのせいで……)


 彼女は反省した。今回の仕事、責任者は自分である。それなのに、年少者の隼人の健康に配慮出来ていない。風邪の次は、入浴中の“事故"である。


 とりあえず隼人の胴体にバスタオルをかけ、濡れタオルで首と脇を冷やした。水を入れた洗面器に足をつけさせている。のぼせたときの対処法だ。これで、回復するはずである。


(それにしても……)


 敏子は、おそるおそる隼人の股間を見た。バスタオルに覆われたそこが雄々しくそそり立っている。さっき、湯船から引き上げたときに、バッチリ見てしまった。勃起がおさまらないまま、のぼせているのだ。


(男の人の……あ、あそこって、こんな風になるんだね……)


 多少の性知識はあっても、いまだ恋人がいない敏子にとっては初見である。“通常の状態"ならば、父親や弟のものを見たことがあるが、勃起した男性器を目にした経験はなかった。


(子供だと思っていたのに……)


 自分のせいだという自覚はあった。敏子もそこまで幼くはない。隼人は性的に興奮したのだ。


(綺麗な顔……そして、肌も)


 彼女は思った。目の前で寝ている少年の姿は天使のようである。少女のような美貌は、あどけなさを残しつつも、艶がある。かわいいだけでなく色っぽいのだ。そして、白い肌は、上質の陶器を思わせるほどに滑らかである。そんな彼に男性器が生えている。ふたなりのような美しさだ。和美が狂うのも無理はない。


 ふと、敏子は隼人の白い身体を汚してやりたくなった。その欲望は、かつて和美や啓子、香代が抱いたものと同様のものである。自分の中にサディスティックな一面があることを知った。


(す、少しくらいなら、いいよね……)


 隼人の股間にかかるバスタオルをめくってみた。白い性器は、逞しく天井を向いている。


(これ、触ってあげたら、気持ちよくなって男の子は喜ぶんだよね……)


 今宵、敏子もまた、隼人の美貌に狂ったのだ。彼女の頭の中はぼうっとし、罪の意識が消え失せていた。それもまた、少年の美しさが為せる業なのか。


(じゃあ、してあげるね……)


 敏子の手が、隼人の性器に伸びた。








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