俺は兄弟に愛されすぎている…

日高 アンズ

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……と。ここか。
送られてきた住所を頼りに俺は、今回の夜会会場についた。夜会と言っても夏来の家で、ご飯を食べるだけだ。
久しぶりに兄弟全員に会うので俺は、だいぶ緊張している。
それにしても夏来のマンションがでかい。
高級住宅街に立ち並ぶ超高級マンションだ。
プールもジムもあるらしい。
本当にすげえな。これが勝ち組のやつの家か。
俺はラウンジを抜けて、夏来の部屋のチャイムを鳴らした。
するとガチャっと扉が開いて、夏来がでてきた。
「シーくん。いらっしゃい。」
とニコッと笑った。その顔がイケメンすぎて一瞬怯む。
「お…おう。お邪魔しまーす。」
玄関に入り靴を脱ぐ。夏来の家は、思っていた以上にゴージャスだった。
広い廊下を抜けて、夏来が突き当たりのドアを開ける。
その部屋はリビングと思われる、とても広い部屋だった。
   
広い床は全て大理石が敷き詰められており天井には、大きなシャンデリアがキラキラと光っている。
そして、その部屋の中央には長方形の机が置いてあり、そこに俺の兄弟が椅子に腰かけていた。
長男。白壁  和春(かずはる)。
三男、秋影(あきかげ)。
四男、冬空(とあ)が座っていた。

俺は自分から家を出てったとはいえ、やっぱり寂しかった。
久しぶりの再開に少し涙ぐみそうになりながら、
「ひ……久し…ぶ」
と声をかけようとした瞬間、座っていたはずの、冬空が
「しぃちゃん。全くどこ行ってたの…。僕ずっと寂しかったんだからね!!」
と、俺に抱きついて上目遣いで言ってきた。
冬空は、大きな茶色の目に長いまつ毛。サラサラな茶髪が特徴的な、それは可愛い可愛い末っ子だ。
俺の三白眼とは大違い。
冬空はとても可愛いので女の子に間違われることも、よくある。
そんな可愛い冬空が、上目遣いで目をウルウルとさせながら聞いてきたもんだから、俺はニマニマしてしまった。


それを見て冬空は、
「もー!!なんで笑ってるの!。本当に心配したんだから!!」
と怒る。
やばい本当に天使。
そう思いながら、俺もギューっと抱きつき頭を撫でる。


そんなやり取りを、していたら横にいた夏来ににべりっとはなされた。
あぁ。俺の天使。
夏来は、冬空が俺に抱きついたのに嫉妬したのか少々不機嫌そうだった。
そりゃ、冬空はみんなのだからな。
嫉妬するのも仕方がない。


そう思っていると、今度は和春、秋影が一緒に俺のところに来た。
「四季。久しぶり。今度は勝手に居なくならないでよ。みんな心配してたんだよ。」
と最初に口を開いたのは和春だ。
和春は灰色の髪に茶色タレ目。右目の下のホクロがおっとりとした印象を与えるイケメンだ。
なんと言っても特徴はその身長で、夏来に聞いたところ191cmあるらしい。
俺はその迫力に圧倒されながら
「ご…ごめん。」
と謝ったら
「今度からは勝手に居なくならないでね。」
と朗らかに笑った。


その笑顔にほのぼのしていると
「本当だよ。全く。勝手にいなくなって。僕がどれだけ心配したと……。」
と次に口を開いたのは、次男の秋影。
艶やかな黒髪に切れ長の黒い瞳。誰が見ても秋影は美人だと思う。
夏来によると、大学でも男女問わずモテるらしい。
噂では、男に告白される確率の方が高いそうだ。
ツンデレなところも、とても可愛い。


俺は怒る秋影をなだめていると、夏来が
「ねえ。みんな。立ち話もなんだし、そろそろ座らない?」
と提案してきた。
俺は、なんで早く座らなかったんだろうと思いながら、
「おう。そうだな。」
と言って、夏来に指示された席に座った。

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