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クニタ ①
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優凛党のクニタの演説が始まろうとしている
「皆さん、優凛党のクニタです。
よくお集まりくださいました。
ありがとうございます!
宜しくお願いします」
月曜日の15:00頃に
船橋駅前の路上では、足早に人々が交差して
クニタの演説を聞こうと耳を傾けようとしているのは
15人前後といったところであった
少数政党優凛党所属の国会議員クニタは前回参議院選挙比例代表で初当選を果たした
39歳エネルギーと野心に満ちた若手だった
日本を良くしたい、
野心とは言えども、己の改革を断行するにはそれ相応の立場の人間となっていなければならない
優凛党を野党第一党へ
そして
政権交代、与党、要職の大臣職に就いて、幹事長へ
そして
・・・・
選挙時期でもないのに
翼望をはためかせて街頭演説のマイクを轟かせた
「消費税を1%上げます!
私にお任せください。必ず皆さんの暮らしを豊かにしてみせます」
聴衆のしらけ顔と対峙する
「現在消費税10%の税収は年間約24兆円です。皆さん。
消費税を1%増税するとですね。毎年2.4兆円の財源が確保できるのです。これをですね。
少子高齢化対策に全額ぶっ込みます!
宜しいですか。
1970年には65歳以上の人口に対して、15~64歳の世代の人口は10倍だったんですね。つまり、10人で1人の高齢者を支えていた、と。
2020年には、その割合は2対1になりました。
現在の日本は、働く世代2人で65歳以上1人を支えている状況です。
さらに深刻化していきます。
この人口構成は労働、社会保障、介護、皆さんの負担が増える一方です。全世代においてです。
国は弱体化していき、威信を失った国は諸外国との外交面でも対等性を失い、私たちの、日本の未来は光を失うばかりです。
1%の増税
現在日本においては年間約50万組がご結婚されて夫婦となります。
1%の増税によって得た2.4兆円をご祝儀とします。
2.4兆円を50万組に配分すれば、1組あたり480万円です。
つまり皆さんの1%の増税は新婚の夫婦の手に渡ります。
ご自身の手に戻ってくる可能性もあるということです。
ご祝儀です。
真髄は
国民全員で新婚夫婦を祝う
国民全員でご祝儀を渡す
その1%の増税です!
ご祝儀欲しさに結婚を繰り返されるのは問題がありますので1人1回ですね。金銭の受け渡しは夫婦ではなく個人各々に240万です。
ご祝儀なので籍を入れた時点です。
即離婚は返金です。
石の上にも3年。
この施策が成功すれば、婚姻件数は増加し配分は減ります。
年間100万組が婚姻すれば、1組で240万円、個人で120万です。それでいいのです。
婚姻が増加し家族形態の増加は好況に繋がる筈です。消費は増加し、企業は潤い、経済は令和のバルーン景気を・・
その頃には
"皆さんの給料が上がっている"
・・・・
いろいろ試算しましたが、国からの、いや国民同士によるご祝儀は満額支払われない場合があります
手数料
いや仲人料です
ある企業と連動してこの方策を私は話しています」
ハミルカンパニー 17
代表取締役社長ルミヤが壇上へ上がる
「お見合い事業部を新設します。
長い歴史の中でお見合いは日本の婚姻の一端を担ってきました。
鎌倉時代にまでその歴史は遡ることができます。
とりわけ私達の現代ですと、昭和ですね。
昭和初期には婚姻の7割がお見合いによる結婚だっだということです。
お見合いの歴史は家族が主体となっていました。
会社が担います。
私達が始めるのです。
過去の家族の役割を、会社が取って変わるのです。
会社が仲人となります。
このお見合い事業部につきましては、会社の代表である私が担当致します。
ええ、そうです。
得意先にもお見合い事業部を立ち上げて頂くようお話をさせていただきます。
我が社の社員と得意先の社員によるお見合いを実現させるのです。
当然、希望者のみです。希望者のみがこの制度、お見合い事業部を利用すれば良い。
相手は得意先ですので、お相手の身元は確実に把握できますし人柄や容姿、趣味なども"確実に"
結婚が成立すれば、得意先とも家族になったようなものです。企業としてもメリットがあります。
社員と社員を結びつける。
そうです。一部戦略的婚姻となる可能性もございます。
そちらに違和感を感じるようでしたら、利用は控えた方が宜しいでしょう。
ですが、この少子高齢化の流れを打ち破るには、企業の積極的な参画は不可欠です。
私たちがその旗手となります。
至る企業でお見合い事業部が設立されれば。
安心安全で微笑ましい出会いが
この国を縦横無尽に❤️が飛び回ります
「皆さん、優凛党のクニタです。
よくお集まりくださいました。
ありがとうございます!
宜しくお願いします」
月曜日の15:00頃に
船橋駅前の路上では、足早に人々が交差して
クニタの演説を聞こうと耳を傾けようとしているのは
15人前後といったところであった
少数政党優凛党所属の国会議員クニタは前回参議院選挙比例代表で初当選を果たした
39歳エネルギーと野心に満ちた若手だった
日本を良くしたい、
野心とは言えども、己の改革を断行するにはそれ相応の立場の人間となっていなければならない
優凛党を野党第一党へ
そして
政権交代、与党、要職の大臣職に就いて、幹事長へ
そして
・・・・
選挙時期でもないのに
翼望をはためかせて街頭演説のマイクを轟かせた
「消費税を1%上げます!
私にお任せください。必ず皆さんの暮らしを豊かにしてみせます」
聴衆のしらけ顔と対峙する
「現在消費税10%の税収は年間約24兆円です。皆さん。
消費税を1%増税するとですね。毎年2.4兆円の財源が確保できるのです。これをですね。
少子高齢化対策に全額ぶっ込みます!
宜しいですか。
1970年には65歳以上の人口に対して、15~64歳の世代の人口は10倍だったんですね。つまり、10人で1人の高齢者を支えていた、と。
2020年には、その割合は2対1になりました。
現在の日本は、働く世代2人で65歳以上1人を支えている状況です。
さらに深刻化していきます。
この人口構成は労働、社会保障、介護、皆さんの負担が増える一方です。全世代においてです。
国は弱体化していき、威信を失った国は諸外国との外交面でも対等性を失い、私たちの、日本の未来は光を失うばかりです。
1%の増税
現在日本においては年間約50万組がご結婚されて夫婦となります。
1%の増税によって得た2.4兆円をご祝儀とします。
2.4兆円を50万組に配分すれば、1組あたり480万円です。
つまり皆さんの1%の増税は新婚の夫婦の手に渡ります。
ご自身の手に戻ってくる可能性もあるということです。
ご祝儀です。
真髄は
国民全員で新婚夫婦を祝う
国民全員でご祝儀を渡す
その1%の増税です!
ご祝儀欲しさに結婚を繰り返されるのは問題がありますので1人1回ですね。金銭の受け渡しは夫婦ではなく個人各々に240万です。
ご祝儀なので籍を入れた時点です。
即離婚は返金です。
石の上にも3年。
この施策が成功すれば、婚姻件数は増加し配分は減ります。
年間100万組が婚姻すれば、1組で240万円、個人で120万です。それでいいのです。
婚姻が増加し家族形態の増加は好況に繋がる筈です。消費は増加し、企業は潤い、経済は令和のバルーン景気を・・
その頃には
"皆さんの給料が上がっている"
・・・・
いろいろ試算しましたが、国からの、いや国民同士によるご祝儀は満額支払われない場合があります
手数料
いや仲人料です
ある企業と連動してこの方策を私は話しています」
ハミルカンパニー 17
代表取締役社長ルミヤが壇上へ上がる
「お見合い事業部を新設します。
長い歴史の中でお見合いは日本の婚姻の一端を担ってきました。
鎌倉時代にまでその歴史は遡ることができます。
とりわけ私達の現代ですと、昭和ですね。
昭和初期には婚姻の7割がお見合いによる結婚だっだということです。
お見合いの歴史は家族が主体となっていました。
会社が担います。
私達が始めるのです。
過去の家族の役割を、会社が取って変わるのです。
会社が仲人となります。
このお見合い事業部につきましては、会社の代表である私が担当致します。
ええ、そうです。
得意先にもお見合い事業部を立ち上げて頂くようお話をさせていただきます。
我が社の社員と得意先の社員によるお見合いを実現させるのです。
当然、希望者のみです。希望者のみがこの制度、お見合い事業部を利用すれば良い。
相手は得意先ですので、お相手の身元は確実に把握できますし人柄や容姿、趣味なども"確実に"
結婚が成立すれば、得意先とも家族になったようなものです。企業としてもメリットがあります。
社員と社員を結びつける。
そうです。一部戦略的婚姻となる可能性もございます。
そちらに違和感を感じるようでしたら、利用は控えた方が宜しいでしょう。
ですが、この少子高齢化の流れを打ち破るには、企業の積極的な参画は不可欠です。
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