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一章 結婚
スマートフォンを介して
動画の向こうにいる
あれは僕だ
分かる
わかるさ
僕だから僕は理かる
留美流 智哉
ルミル チカ
名前だって同じじゃないか
彼は勇敢に己の主張を述べている
時空が歪んだ
時空が飛んだ
時空が笑った
時間が倍速
追いかける
いつかの動画で向こうの僕は言った
32歳だと
僕は12歳だ
段々と今の僕の状況が掴めてきた
1日は24時間ではなくて
12時間で動いている
何も変わっていない
何も変わっていないんだけど
いや、ごめん
1つだけ変わったんだ
一秒の概念
一秒が僕の知っている
1秒ではなくなった
半分
0.5秒が一秒になっている
・・・・
時空が歪んだ瞬間を見た
それは肉眼でキャッチできたから
空間が揺り動き、渦ができた
渦は三角形を右目と口と左耳のように形成した
口が笑った
僕は口に飲み込まれた
僕の右目は宇宙空間を捉え、いくつもの星々が構成する銀河を見出した
僕の左耳は、僕の声を聞いた
モモツイテゴランヨ
なんのことだかわからなかった
でも、確かにそう聞こえたんだ
あれは絶対に僕の声だ
・・・・
他人事のようにその様を経験したあとに
僕は平素に戻っていた
おおよそ変わることなど何もないように
スマートフォンで動画を見ていた
あの有名な動画野郎の動画を見ていたのに、
画面の先には僕が映っていた
なんだ
なんで
誰?
僕か?
なんだよ
どう言うことだ
何言ってるんだ
こいつは
「結婚を廃止する。
いやいや、違う、そうだ。
結婚制度自体を廃止するんだ。
考えてみろ。
当たり前だろ。
こんなくだらない制度に囚われて、既婚だ、独身だと人間を振り分けて。それこそ差別ではないか!
そもそも何故、結婚やら婚姻制度なんて永遠性の皆無の綺麗事の、束縛の一手を創ったんだ。
そうだ、そうか、やれやれ、ほうほう。
教えてしんじぇよう。
つまりすなわち。
はっはー。
子供の存在である。
古代からだぞ。
結婚とかいう制度を拵えたの、都合主義だ。
都合がよかっただけ。
誰の子供だかわからなぁんだよ。
つまりだよ。
一夫一妻とかいう制度を拵えたことによって、男は女を閉じ込めたんだ。
家と言う都合良い形態だ。
はい!
男は鍵、女は鍵穴。
そうだろ。
挿れる鍵は男だよな。
入れられる鍵穴は女だろ。
すなわっちゃ!
男は差し終わったら、外にプラプラ行っちまうけど。
差された鍵穴女は家で待ってろってことだ。
何言ってんだ、俺。
ちょっと待て。
何の話だっけ。
・
あゝ、そうだ。
結婚な。
つまりだよ。
婚姻して、女を閉じ込めないといけなかったんだよ。
ある男からしたら、女にプラプラされて違う男に挿されちまったら、どっちの子だかわからないだろ。3人とか4人とか挿されちまったら、訳わかんないだろ。
俺の子なのかよ。
一夫一妻制度にする必要があった。
綺麗事で秩序と言う。
おそらく古代からだ。
縄文とか弥生とかわかんねぇけどよ。
ある程度の婚姻制度はあった筈だ。
ほう、DNA検査だ。
これだけ科学が発展を遂げた今。
子供を我が子と決めつけるための家制度は不必要になった。
だって分かるんだ。
結婚してなくたって。
DNA検査の義務化だ
考えてみろ。
実際、今のこの世の中だって男には自分の子供だっていう確実事象は、わからないんだよ。
結婚しちまったら、俺の子供に違いない、っていう婚姻制度の美しさみたいな、もんを疑っちゃいけないっていう。なんつーか良識っていうかな。
男ってできないんだよ。そこは突っ込めないんだよ。
本当に俺の子なのかな?
これ思う奴、結構いるんだよ。
調べたり、公表したりしない。
実際、その美しき家庭制度の中で、全然関係ない、まあ、妻からしたら関係なくないんだろけど。
あーそういうケース。かなりあると思うな。
違う男の子供育てちまった、馬花な男がな。
結構かわいそうだろ。
妻はわかってるかもな。
場合によっちゃ
妻も分かってないケースもあるわけだ。
どっちの子なんだろうみたいな。
旦那の方じゃないかも。
けっこうあると思います。
血液型?
曖昧だろ。
海外では血液型調べない国、結構あるらしい。
なんでだ。
都合悪いんじゃねーの。」
・・・・
「僕だ
こいつは僕だ」
・・・・
つい最近
こいつが今話したことと
全く同じことを考えていた
結婚なんかなくなれば
存在しなければいいんだ
僕は中生(ちゅうせい)だった
男の子も好きだし
女の子も好きだった
真ん中で生まれた
この世界の真ん中の具現者が僕だ
結婚するんだったらどうだろう
なんか考えるとめんどくさいな
僕がその歳になる頃には世の中が変わっていて
もしかしたら男の子と結婚することが認められているかもしれない
でも、その後女の子を好きになったらどうするんだよ
はっきりしないヤツだな
自分で己の優柔不断を嘆いた
12歳の僕は何故、結婚なんてものが成立したのかを考えた
それがあの32歳の俺が動画で宣言した内容だった
再生回数は98回だった
そうか
未来の僕はそんなものなのか
スマートフォンを介して
動画の向こうにいる
あれは僕だ
分かる
わかるさ
僕だから僕は理かる
留美流 智哉
ルミル チカ
名前だって同じじゃないか
彼は勇敢に己の主張を述べている
時空が歪んだ
時空が飛んだ
時空が笑った
時間が倍速
追いかける
いつかの動画で向こうの僕は言った
32歳だと
僕は12歳だ
段々と今の僕の状況が掴めてきた
1日は24時間ではなくて
12時間で動いている
何も変わっていない
何も変わっていないんだけど
いや、ごめん
1つだけ変わったんだ
一秒の概念
一秒が僕の知っている
1秒ではなくなった
半分
0.5秒が一秒になっている
・・・・
時空が歪んだ瞬間を見た
それは肉眼でキャッチできたから
空間が揺り動き、渦ができた
渦は三角形を右目と口と左耳のように形成した
口が笑った
僕は口に飲み込まれた
僕の右目は宇宙空間を捉え、いくつもの星々が構成する銀河を見出した
僕の左耳は、僕の声を聞いた
モモツイテゴランヨ
なんのことだかわからなかった
でも、確かにそう聞こえたんだ
あれは絶対に僕の声だ
・・・・
他人事のようにその様を経験したあとに
僕は平素に戻っていた
おおよそ変わることなど何もないように
スマートフォンで動画を見ていた
あの有名な動画野郎の動画を見ていたのに、
画面の先には僕が映っていた
なんだ
なんで
誰?
僕か?
なんだよ
どう言うことだ
何言ってるんだ
こいつは
「結婚を廃止する。
いやいや、違う、そうだ。
結婚制度自体を廃止するんだ。
考えてみろ。
当たり前だろ。
こんなくだらない制度に囚われて、既婚だ、独身だと人間を振り分けて。それこそ差別ではないか!
そもそも何故、結婚やら婚姻制度なんて永遠性の皆無の綺麗事の、束縛の一手を創ったんだ。
そうだ、そうか、やれやれ、ほうほう。
教えてしんじぇよう。
つまりすなわち。
はっはー。
子供の存在である。
古代からだぞ。
結婚とかいう制度を拵えたの、都合主義だ。
都合がよかっただけ。
誰の子供だかわからなぁんだよ。
つまりだよ。
一夫一妻とかいう制度を拵えたことによって、男は女を閉じ込めたんだ。
家と言う都合良い形態だ。
はい!
男は鍵、女は鍵穴。
そうだろ。
挿れる鍵は男だよな。
入れられる鍵穴は女だろ。
すなわっちゃ!
男は差し終わったら、外にプラプラ行っちまうけど。
差された鍵穴女は家で待ってろってことだ。
何言ってんだ、俺。
ちょっと待て。
何の話だっけ。
・
あゝ、そうだ。
結婚な。
つまりだよ。
婚姻して、女を閉じ込めないといけなかったんだよ。
ある男からしたら、女にプラプラされて違う男に挿されちまったら、どっちの子だかわからないだろ。3人とか4人とか挿されちまったら、訳わかんないだろ。
俺の子なのかよ。
一夫一妻制度にする必要があった。
綺麗事で秩序と言う。
おそらく古代からだ。
縄文とか弥生とかわかんねぇけどよ。
ある程度の婚姻制度はあった筈だ。
ほう、DNA検査だ。
これだけ科学が発展を遂げた今。
子供を我が子と決めつけるための家制度は不必要になった。
だって分かるんだ。
結婚してなくたって。
DNA検査の義務化だ
考えてみろ。
実際、今のこの世の中だって男には自分の子供だっていう確実事象は、わからないんだよ。
結婚しちまったら、俺の子供に違いない、っていう婚姻制度の美しさみたいな、もんを疑っちゃいけないっていう。なんつーか良識っていうかな。
男ってできないんだよ。そこは突っ込めないんだよ。
本当に俺の子なのかな?
これ思う奴、結構いるんだよ。
調べたり、公表したりしない。
実際、その美しき家庭制度の中で、全然関係ない、まあ、妻からしたら関係なくないんだろけど。
あーそういうケース。かなりあると思うな。
違う男の子供育てちまった、馬花な男がな。
結構かわいそうだろ。
妻はわかってるかもな。
場合によっちゃ
妻も分かってないケースもあるわけだ。
どっちの子なんだろうみたいな。
旦那の方じゃないかも。
けっこうあると思います。
血液型?
曖昧だろ。
海外では血液型調べない国、結構あるらしい。
なんでだ。
都合悪いんじゃねーの。」
・・・・
「僕だ
こいつは僕だ」
・・・・
つい最近
こいつが今話したことと
全く同じことを考えていた
結婚なんかなくなれば
存在しなければいいんだ
僕は中生(ちゅうせい)だった
男の子も好きだし
女の子も好きだった
真ん中で生まれた
この世界の真ん中の具現者が僕だ
結婚するんだったらどうだろう
なんか考えるとめんどくさいな
僕がその歳になる頃には世の中が変わっていて
もしかしたら男の子と結婚することが認められているかもしれない
でも、その後女の子を好きになったらどうするんだよ
はっきりしないヤツだな
自分で己の優柔不断を嘆いた
12歳の僕は何故、結婚なんてものが成立したのかを考えた
それがあの32歳の俺が動画で宣言した内容だった
再生回数は98回だった
そうか
未来の僕はそんなものなのか
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