工業女子に何か?

もふもふイチゴ

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入学編

⑪雨

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真白「ねぇー、怒ってる?」

颯馬「別に怒ってねーよ。ただ俺には理解できねーなって思ってただけだ。」

真白「それだけ?」

颯馬「おう。」

2人は練習試合をした。勝ったのは真白だった。いつもだと剣術は颯馬の方が強い。だが、今回は颯馬の木刀の動きが荒々しかった。敗北した颯馬は顔を洗いに行った。

師匠「颯馬。イライラしているな。」

颯馬「師匠は何でもお見通しですね。」

師匠「真白のことか?」

颯馬「はい。あいつ自分の悪口言っていた奴と仲良くしたいって言い出したんです。」

師匠「ほほー(笑)実に真白らしいな(笑)颯馬もそんな事気にするなんて、過保護だねー(笑)」

颯馬「真白がお花畑すぎるんです。」

師匠「そうだが、それが真白のいい所じゃないか。」

颯馬「少し心配です…」

次の日雨が降ったため真白は電車で登校した。

真白「おはよぉ!ねぇー吹奏楽部に入ろうよー!」

茉莉「まーた来た。だから言ってるでしょ、あんたと仲良くなった覚えはない。他を当たってちょうだい。」

真白「えー、茉莉ちゃんたちと一緒にやりたいのー!」

桃「昨日からしつこい!うちらは吹奏楽部には入らないから。さっさとどっかに行ってくれない?」

真白「そっかー...んじゃーまた!」

真白は笑顔で立ち去った。

颯馬「そろそろ諦めたらどうだー?」

真白「やだ!諦めないもん。」

颯馬「そっか...」

颯馬は呆れた顔をしていた。授業中、真白がぼーっとする事は無かった。

放課後になり、真白と颯馬は駅に向かった。ホームで電車を待っていると茉莉たちの声が聞こえた。

桃「あいついつまで来るんだろうな。そろそろ鬱陶しい。」

茉莉「そうねー...」

真白は少し落ち込んだ。

茉莉「きゃー!」

真白は直ぐに茉莉の所へ向かおうとした。颯馬は真白の腕をつかんだ。

颯馬「真白!あいつはお前のこと鬱陶しいって言ってる奴らだぞ。そんな奴助ける義理はねぇーだろ。」

真白「それでも悲鳴を上げてる人を放っておけない!離して!」

真白は颯馬の手を腕から外し茉莉の所に駆けつけた。どうやら3人の男の人たちに連れてかれそうになっている。

真白「茉莉ちゃん!」

男1「おー、こりゃまたいい女が来たねー(笑)」

男2「そいつも連れてこうぜ(笑)」

真白は男に腕を掴まれそうになった。真白はその手を避けた。

男3「へぇー嫌ってか...見られた以上、無理やりにでも着いてきて貰おうか。警察に訴えられても困るし。」

男は力ずくで連れて行こうとした。真白は出てきた腕を掴み、背負い投げした。男は腰を打った。痛そうにしながら転がっていた。
他の男もそれを見て真白に殴りかかった。

真白はそれらも避け、1人目はお腹の溝を押し、行動不能に。もう1人は固め技で確保した。

真白「茉莉ちゃん!桃ちゃん!大丈夫?怪我とか無い?」

茉莉「あぁー...うん...大丈夫だよ...」

桃「私も...怪我してないよ...」

真白「そっかー良かったー(笑)」

茉莉「ねぇー真白...その人大丈夫?暴れてるけど...」

真白「あー...ちょっと私動けないからー駅の人呼んでもらっていい?」

茉莉「仕留めた後の事、何も考えて無かったのね...」

駅員「誰だー!誘拐しようとした人はー!」

真白「あっ!駅員さん、ちょうど今呼びに行こうかと思っていました。この人達です。」

駅員「えっ?」

駅員は驚いた。体格のいい男3人がホームに転がっていてうち1人は女子高生に抑えられているのだから。

茉莉「えっと...この男の人たちに絡まれて、そこに友達が助けに来てくれたんです。」

駅員「そっ、そっかー...まー怪我がなくて良かった。んじゃーそこの抑えてる女の子!縛る縄持ってくるからもう少し頑張ってて貰えるかな。」

真白「はーい!」

駅員は走って縄を取りに行った。駅員の顔はまだ驚きと不信感があった。

真白は颯馬が立ち去ったのを見た。その時確信した。駅員を呼んでくれたのは颯馬だと言うことを。

茉莉「ねぇ真白...」
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