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第4話 尾行
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あたしたちが、情報保持者のあたりをつけて、テッドたちの故郷、惑星デュナンの地に降り立ったのは、それから2週間後のことだった。
あたしは、当初、乗り気じゃ無かった。何せ、砂漠服を着用して、情報保持者をあのテッドと尾行するなんてゴメンだった。こういうことはカレンの方が適任なのに、カレンったら、たまにはいいんじゃないとか言って、明るく送り出してくれちゃって、意地悪なんだから。
まあ、これも、あたしの日頃の行いの報いなのかもしれないけど、今はちょっと気が晴れてるかな。戦艦に装備されているグレン社製最新鋭の砂漠服は、重力補助装置もあって、快適に動けるのだ。服を着ながらにして、発汗や排泄まで対処してくれる。
トイレの為にアソコの型どりをされたのは、気はずかしかったし、吸いとられるってのが妙な刺激になって癖になってきそうで怖い。しかし、テッドときたら、偶然を装って、あたしたち姉妹の型を見ようとしやがった。全く、あれだけは本能の行動なんだろうけど、カレンちゃんとのWキックで阻止してやったわ。あんたは、マリアや姉ちゃんたちのでも見てろ!
あたしたちは、万が一のために海洋生物学者のふりをして、情報保持者の尾行をしている。尾行といっても、超望遠で見えるか見えないかの距離をとって、偽の調査作業をしながら、情報保持者とおぼしき人物の足取りを補則して確定しようとしているのだ。
もちろん、衛星軌道上に停泊しているビッグスペンダー号からも見張っているから、目視で対象者を見失っても問題は無いのである。
情報保持者との距離が離れすぎた場合は、砂上船からボートを呼んで、それで移動すればいい。
今の段階で、99%ほぼ確定なのだが油断は禁物である。情報保持者とおぼしき人物は、最初は、海辺の生物を捕獲するなどしていたが、今はひたすらに、海岸べりを歩いていたからだ。砂の海の惑星デュナンは、文字どおり砂の海でほぼ覆われている。ほぼというのは、砂がない海もあるにはあるのだが、そこは気象状態が良くなく、およそ人が生活することは出来ない過酷な土地なのだ。なぜ、デュナンの中心都市がオアシスゼロなのかと言えば、その地区だけ気流の乱れが、穏やかで、まるで台風の目のような地域なのだ。
ここを通過せずに、宇宙船単独で着陸するのは自殺行為以外他ならない。例え、無法者のベルゼブブでもそこまでのリスクは犯さない筈である。最初の入植者であったテッドのご先祖さまたちは、この無風地帯を見つけて降り立ち、入植の主発点として、オアシスゼロと名付けたのだ。
砂の海は、元々は水の海の上を比重の異なる大量の砂の層で覆われたものだが、海べりは砂の結合力も小さく、下手をすると砂漠服を来たまま、縁にはまると、底無し沼のように海底へ引きづり込まれてしまうこともあるのだ。結合力の強い、弱いは砂目をみればおおよそわかるが季節によっても、その目の出方は違うので、これが見切れるというこということは、そいつの目的は海べりに目的のものがあると見て間違いないのだ。
惑星を再生させる能力のある植物とやらは、海洋生物なので、今、尾行している人物にほぼ間違いないのだ。それだったら、砂上船から尾行すればいいのだが、情報保持者の足取りを追うのも重要で、何をしていたかを確認する必要があるからだ。それに砂上船が常にいたら、流石に警戒される。砂上船は通常、海べりを航行することはないからだ。
「ベルゼブブの連中、意外とアホで大助かりだったな、本当に尾行が楽になっちまたよ」
テッドが不意に話しかけてきた。
確かにアホだった。と、いうか、彼らの行動を追って、その情報を盗もうって奴がいるとは、彼らも思わなかったことだろう。彼らも極秘で手に入れてたし、準備も万全だったのだろうから、無理もない。
あたしたちは、イブの力も借りて、2週間をかけて、膨大なプロファイルデータから、ベルゼブブの一味と、情報保持者とおぼしき人物を二十人までに絞り混んだのだった。
特に、オアシスゼロから外に出る人々には、しつこいまでにその目的の説明とビデオ撮りによる面接が行われる。オアシスゼロの先は死と隣合わせなので、そこまで行うのも当然であるのだ。
ベルゼブブの一味は、男女の二人組で海洋生物学者を装っていたが、アーニャさんとサンチョスは、すぐにその人たちが傭兵崩れだと見抜いた!
何から見抜いたのかと言えば、彼らの医療記録というか、その体にあった古傷からだった。履歴書では、大学院から助手、助教授を経て教授になったバリバリの学者さんなのに、内臓にはレーザー銃痕や、軍隊格闘技者にしか出来ないような骨折痕をレントゲン3Dの骨格モデルに見つけたのだ。いかに、医学が進もうとも完全には消えないそれらで、彼らは、自分達が宇宙海賊ベルゼブブの一味ですと言ってしまっていたのだ。
あたしたちは、そいつらがオアシスゼロを出発する直前を襲って、身代わりにデクを使って、その情報保持者の行く方角とは全く逆の方角へ向かわせたのだ。
デクの音声合成技術も、疑似生体反応データ発信も完璧で、もうかれこれ2週間はたつが、疑って調べに来る様子も無かった。捕らえたベルゼブブの一味は、惑星連合警察につきだして、褒賞金もたんまり貰えた。彼らは、結構な凶悪犯だったようだが、アーニャさんとサンチョスの敵では無い。
そいつらが尾行する予定だった情報保持者をは、そいつらを捕まえたことで分かった。だが、その意外な結果にあたしたちも困惑した。なんと、その対象者は身長百五十五センチメートルの小柄な女性科学者だったのだ。
彼女の目的地は、入江であることは、砂上船にいるローラの情報から当たりがついたが、どこの入江なのかは皆目見当がつかなかった。惑星再生能力があるとされる海洋生物は、この惑星デュナンの入江の至るところに生息しているが、どこに生息してるものがその能力や成分組織に高い価値があるかまでは、一部の生物学者しかまだ知らないのだ。
また、その生物は地表に出すと数分で死んでしまうので、捕獲後は捕獲庫に入れて生体維持をさせねばならないと聞いている。あるいは全部とらずとも細胞の一部を採集すれば培養で増やす方法もあるらしい。
なんにせよ、お宝発見はまだ先のように思えていたが、突如として、異変は起きた。彼女から救難信号が発せられたのだ。しかも特殊な暗号を使った信号だった。そのことを知らせてくれたのはイブだった。惑星連合加盟の星であれば、衛星がキャッチしてレスキューへ伝達するのだが、ここ惑星デュナンでそれはかなわないことを彼女は知らないようだ。もっとも、この信号では、意識が朦朧としているのでそういう判断も難しいだろうと思われた。
「急げ」のテッドの掛け声に、わたしは急かされるように走った。だが、パワーアシスト用にスーツ内に張り巡らせた人工筋肉のお陰で、さしたる力をいれることなく、軽々と走れている。アシストといっても体は動かされるので、それなりに運動にもなるらしいから便利なものである。
こんなことするよりも、砂上船よろしく揚力を得られる小型のホバー翼のついたボードで進めば楽じゃないかと思うのだが、さっきも話したように砂目の問題があるのだ。降りたところが悪いとずぼりといってしまうこともあるのだ。
ただし、広域にはないので砂上船のようなでかいものだと影響はないということだ。さて、どうにかあたしたちは、情報保持者が倒れた岩盤にたどり着いた。立っていて力尽きてばたりと倒れた姿だった。
『ウルスラ、体揺さぶって声かけてみろよ。まだ、意識はあるようだから』
『なんで、あたし?』
『いや、女性なんだろう。俺がやっちまうと、変なところ触っちまい兼ねないからさ』
『そんなのいつものことでしょうに。触るなと言っても、手が滑ったとか、体が勝手にと言い訳するのがあんたじゃないの』
『いや、そうだけど。出掛けるとき、お前の乳の秘密に気づいて揉みしだいたもんだから、カレンがキレちまったからなあ。
今も上空から監視してそうだから、そんなことしようもんなら、上空から致命傷にならんまでも狙撃されかねないからなあ』
『カレンなら、ありうるかもね。砂漠服だけ破壊しそうだもんね。でも、あんたらなら、砂漠服なくても、大丈夫なんでしょしょ?』
『まあ、死にはしない。多量の汗が皮膚をコーティングして、強烈な日射をさえぎるのさ。おい、無駄話はいいから、さっさとやってくれ。起きなかったら、浣腸だ』
『浣腸?あんた、めちゃくちゃだね。まあ、本人が起きてくれないと、このままだと仮死状態になっちまうから、それは名案かもね』
とりあえず、あたしは彼女の体を揺さぶってみることにした。
「ねえ、あんた大丈夫!生きてる。死んでんのかなあ。おーい!!」
彼女の意識は、あるようだが、ほとんど金縛り状態に近い様子だった。そこで、あたしは、ふつふつと浣腸モードに移行したくなっていた。それでも、とりあえず、体を揺さぶって「ちょっと、あんたてば」と話しかけた。でも、心はうきうきしてきて、浣腸指で狙いを定め始めている。
『ちょっと、お姉ちゃん何やってんの?テッドにそそのかされたというより、お姉ちゃんやりたいんじゃないの?』
そうだ、あたしはやりたいのだ。もう、後には引き下がれない、行くぞ!と構えてしまい、一気に指先は肛門付近のスーツを穴の中心部にいぼらせてしまった。一時(いっとき)、間があったが、次の瞬間、海老ぞるようにうねりはじめ、すぐさま立ち上がり、お尻を押さえながら、あたしたちを見回した。ヘルメットはミラーガラスで顔は見えないが、きっと凄い顔をしているに違いないと思えた。
『もう、お姉ちゃん、何やってんのよ』
カレンの説教を聞いてる間もなく、今度は攻撃を仕掛けられた。足元数センチ手前に手元から放たれた攻撃を落とされた。
カレンが後方へ飛ぶ緊急スイッチを入れてくれたので、後方に吹っ飛ばされてしまったが、これはスキンシップと理解したい。なにせ、緊急警報が鳴り響いて、あたしは体が硬直してしまったのだから、ああするより仕方ないのだ。
一方、テッドはイブに頼んで、相手の索敵が終わる瞬間にステップ移動して、間合いを詰めにかかっていた。いともあっさりと間合いは詰められ、テッドは彼女を押さえ込んだのもつかの間、彼女の疲労はピークに達してたのだった。
あたしはテッドの指示で、彼女を背後から羽交い締めをしたが、すぐに力がなくなり、もがく間にぐったりとうなだれてしまった。
『え、まさか死んじゃった?』
『いや、急に動いたんで、気を失ったんだろう』
途端に、彼女の砂漠服から粘液のようなものが染み出し、彼女は覆われはじめた。あたしは、やばいと思って、情報保持者から離れた。情報保持者は岩の上にぐったりたおれ、スーツの人工筋肉繊維の力で丸くなった。
粘液は、あれよあれよの間に彼女の全体を覆い、巨大なコクーン(繭)と化した。外皮は甲羅のように固くなった。生体反応はあるが活動は急激に落ちてしまった。外皮をレーザーカッターで切ろうとしたが、びくともしなかった。
『しまった。仮死状態モードになっちまいやがった』
『テッドのバカ!』
カレンの一声とともに、大空高くから一筋の閃光がテッド目掛けて落ち、テッドの砂漠服を一瞬のうちに粉々に破壊した。
「ぶわちいいい」と叫ぶテッドの声は、カレンには届かなかったが、それでもどうにか砂上船までもったテッドは流石だと思った。
すっ裸なのに、大した日焼けもせず、汗だくではあったけど、普通に動けるのだから、土着種族が強靱というのは本当だった。
だけど、前は隠して欲しかった。迎えが来るまで、視線の先でぶらぶらさせられて、かなりトラウマにされてしまった。
あたしは、当初、乗り気じゃ無かった。何せ、砂漠服を着用して、情報保持者をあのテッドと尾行するなんてゴメンだった。こういうことはカレンの方が適任なのに、カレンったら、たまにはいいんじゃないとか言って、明るく送り出してくれちゃって、意地悪なんだから。
まあ、これも、あたしの日頃の行いの報いなのかもしれないけど、今はちょっと気が晴れてるかな。戦艦に装備されているグレン社製最新鋭の砂漠服は、重力補助装置もあって、快適に動けるのだ。服を着ながらにして、発汗や排泄まで対処してくれる。
トイレの為にアソコの型どりをされたのは、気はずかしかったし、吸いとられるってのが妙な刺激になって癖になってきそうで怖い。しかし、テッドときたら、偶然を装って、あたしたち姉妹の型を見ようとしやがった。全く、あれだけは本能の行動なんだろうけど、カレンちゃんとのWキックで阻止してやったわ。あんたは、マリアや姉ちゃんたちのでも見てろ!
あたしたちは、万が一のために海洋生物学者のふりをして、情報保持者の尾行をしている。尾行といっても、超望遠で見えるか見えないかの距離をとって、偽の調査作業をしながら、情報保持者とおぼしき人物の足取りを補則して確定しようとしているのだ。
もちろん、衛星軌道上に停泊しているビッグスペンダー号からも見張っているから、目視で対象者を見失っても問題は無いのである。
情報保持者との距離が離れすぎた場合は、砂上船からボートを呼んで、それで移動すればいい。
今の段階で、99%ほぼ確定なのだが油断は禁物である。情報保持者とおぼしき人物は、最初は、海辺の生物を捕獲するなどしていたが、今はひたすらに、海岸べりを歩いていたからだ。砂の海の惑星デュナンは、文字どおり砂の海でほぼ覆われている。ほぼというのは、砂がない海もあるにはあるのだが、そこは気象状態が良くなく、およそ人が生活することは出来ない過酷な土地なのだ。なぜ、デュナンの中心都市がオアシスゼロなのかと言えば、その地区だけ気流の乱れが、穏やかで、まるで台風の目のような地域なのだ。
ここを通過せずに、宇宙船単独で着陸するのは自殺行為以外他ならない。例え、無法者のベルゼブブでもそこまでのリスクは犯さない筈である。最初の入植者であったテッドのご先祖さまたちは、この無風地帯を見つけて降り立ち、入植の主発点として、オアシスゼロと名付けたのだ。
砂の海は、元々は水の海の上を比重の異なる大量の砂の層で覆われたものだが、海べりは砂の結合力も小さく、下手をすると砂漠服を来たまま、縁にはまると、底無し沼のように海底へ引きづり込まれてしまうこともあるのだ。結合力の強い、弱いは砂目をみればおおよそわかるが季節によっても、その目の出方は違うので、これが見切れるというこということは、そいつの目的は海べりに目的のものがあると見て間違いないのだ。
惑星を再生させる能力のある植物とやらは、海洋生物なので、今、尾行している人物にほぼ間違いないのだ。それだったら、砂上船から尾行すればいいのだが、情報保持者の足取りを追うのも重要で、何をしていたかを確認する必要があるからだ。それに砂上船が常にいたら、流石に警戒される。砂上船は通常、海べりを航行することはないからだ。
「ベルゼブブの連中、意外とアホで大助かりだったな、本当に尾行が楽になっちまたよ」
テッドが不意に話しかけてきた。
確かにアホだった。と、いうか、彼らの行動を追って、その情報を盗もうって奴がいるとは、彼らも思わなかったことだろう。彼らも極秘で手に入れてたし、準備も万全だったのだろうから、無理もない。
あたしたちは、イブの力も借りて、2週間をかけて、膨大なプロファイルデータから、ベルゼブブの一味と、情報保持者とおぼしき人物を二十人までに絞り混んだのだった。
特に、オアシスゼロから外に出る人々には、しつこいまでにその目的の説明とビデオ撮りによる面接が行われる。オアシスゼロの先は死と隣合わせなので、そこまで行うのも当然であるのだ。
ベルゼブブの一味は、男女の二人組で海洋生物学者を装っていたが、アーニャさんとサンチョスは、すぐにその人たちが傭兵崩れだと見抜いた!
何から見抜いたのかと言えば、彼らの医療記録というか、その体にあった古傷からだった。履歴書では、大学院から助手、助教授を経て教授になったバリバリの学者さんなのに、内臓にはレーザー銃痕や、軍隊格闘技者にしか出来ないような骨折痕をレントゲン3Dの骨格モデルに見つけたのだ。いかに、医学が進もうとも完全には消えないそれらで、彼らは、自分達が宇宙海賊ベルゼブブの一味ですと言ってしまっていたのだ。
あたしたちは、そいつらがオアシスゼロを出発する直前を襲って、身代わりにデクを使って、その情報保持者の行く方角とは全く逆の方角へ向かわせたのだ。
デクの音声合成技術も、疑似生体反応データ発信も完璧で、もうかれこれ2週間はたつが、疑って調べに来る様子も無かった。捕らえたベルゼブブの一味は、惑星連合警察につきだして、褒賞金もたんまり貰えた。彼らは、結構な凶悪犯だったようだが、アーニャさんとサンチョスの敵では無い。
そいつらが尾行する予定だった情報保持者をは、そいつらを捕まえたことで分かった。だが、その意外な結果にあたしたちも困惑した。なんと、その対象者は身長百五十五センチメートルの小柄な女性科学者だったのだ。
彼女の目的地は、入江であることは、砂上船にいるローラの情報から当たりがついたが、どこの入江なのかは皆目見当がつかなかった。惑星再生能力があるとされる海洋生物は、この惑星デュナンの入江の至るところに生息しているが、どこに生息してるものがその能力や成分組織に高い価値があるかまでは、一部の生物学者しかまだ知らないのだ。
また、その生物は地表に出すと数分で死んでしまうので、捕獲後は捕獲庫に入れて生体維持をさせねばならないと聞いている。あるいは全部とらずとも細胞の一部を採集すれば培養で増やす方法もあるらしい。
なんにせよ、お宝発見はまだ先のように思えていたが、突如として、異変は起きた。彼女から救難信号が発せられたのだ。しかも特殊な暗号を使った信号だった。そのことを知らせてくれたのはイブだった。惑星連合加盟の星であれば、衛星がキャッチしてレスキューへ伝達するのだが、ここ惑星デュナンでそれはかなわないことを彼女は知らないようだ。もっとも、この信号では、意識が朦朧としているのでそういう判断も難しいだろうと思われた。
「急げ」のテッドの掛け声に、わたしは急かされるように走った。だが、パワーアシスト用にスーツ内に張り巡らせた人工筋肉のお陰で、さしたる力をいれることなく、軽々と走れている。アシストといっても体は動かされるので、それなりに運動にもなるらしいから便利なものである。
こんなことするよりも、砂上船よろしく揚力を得られる小型のホバー翼のついたボードで進めば楽じゃないかと思うのだが、さっきも話したように砂目の問題があるのだ。降りたところが悪いとずぼりといってしまうこともあるのだ。
ただし、広域にはないので砂上船のようなでかいものだと影響はないということだ。さて、どうにかあたしたちは、情報保持者が倒れた岩盤にたどり着いた。立っていて力尽きてばたりと倒れた姿だった。
『ウルスラ、体揺さぶって声かけてみろよ。まだ、意識はあるようだから』
『なんで、あたし?』
『いや、女性なんだろう。俺がやっちまうと、変なところ触っちまい兼ねないからさ』
『そんなのいつものことでしょうに。触るなと言っても、手が滑ったとか、体が勝手にと言い訳するのがあんたじゃないの』
『いや、そうだけど。出掛けるとき、お前の乳の秘密に気づいて揉みしだいたもんだから、カレンがキレちまったからなあ。
今も上空から監視してそうだから、そんなことしようもんなら、上空から致命傷にならんまでも狙撃されかねないからなあ』
『カレンなら、ありうるかもね。砂漠服だけ破壊しそうだもんね。でも、あんたらなら、砂漠服なくても、大丈夫なんでしょしょ?』
『まあ、死にはしない。多量の汗が皮膚をコーティングして、強烈な日射をさえぎるのさ。おい、無駄話はいいから、さっさとやってくれ。起きなかったら、浣腸だ』
『浣腸?あんた、めちゃくちゃだね。まあ、本人が起きてくれないと、このままだと仮死状態になっちまうから、それは名案かもね』
とりあえず、あたしは彼女の体を揺さぶってみることにした。
「ねえ、あんた大丈夫!生きてる。死んでんのかなあ。おーい!!」
彼女の意識は、あるようだが、ほとんど金縛り状態に近い様子だった。そこで、あたしは、ふつふつと浣腸モードに移行したくなっていた。それでも、とりあえず、体を揺さぶって「ちょっと、あんたてば」と話しかけた。でも、心はうきうきしてきて、浣腸指で狙いを定め始めている。
『ちょっと、お姉ちゃん何やってんの?テッドにそそのかされたというより、お姉ちゃんやりたいんじゃないの?』
そうだ、あたしはやりたいのだ。もう、後には引き下がれない、行くぞ!と構えてしまい、一気に指先は肛門付近のスーツを穴の中心部にいぼらせてしまった。一時(いっとき)、間があったが、次の瞬間、海老ぞるようにうねりはじめ、すぐさま立ち上がり、お尻を押さえながら、あたしたちを見回した。ヘルメットはミラーガラスで顔は見えないが、きっと凄い顔をしているに違いないと思えた。
『もう、お姉ちゃん、何やってんのよ』
カレンの説教を聞いてる間もなく、今度は攻撃を仕掛けられた。足元数センチ手前に手元から放たれた攻撃を落とされた。
カレンが後方へ飛ぶ緊急スイッチを入れてくれたので、後方に吹っ飛ばされてしまったが、これはスキンシップと理解したい。なにせ、緊急警報が鳴り響いて、あたしは体が硬直してしまったのだから、ああするより仕方ないのだ。
一方、テッドはイブに頼んで、相手の索敵が終わる瞬間にステップ移動して、間合いを詰めにかかっていた。いともあっさりと間合いは詰められ、テッドは彼女を押さえ込んだのもつかの間、彼女の疲労はピークに達してたのだった。
あたしはテッドの指示で、彼女を背後から羽交い締めをしたが、すぐに力がなくなり、もがく間にぐったりとうなだれてしまった。
『え、まさか死んじゃった?』
『いや、急に動いたんで、気を失ったんだろう』
途端に、彼女の砂漠服から粘液のようなものが染み出し、彼女は覆われはじめた。あたしは、やばいと思って、情報保持者から離れた。情報保持者は岩の上にぐったりたおれ、スーツの人工筋肉繊維の力で丸くなった。
粘液は、あれよあれよの間に彼女の全体を覆い、巨大なコクーン(繭)と化した。外皮は甲羅のように固くなった。生体反応はあるが活動は急激に落ちてしまった。外皮をレーザーカッターで切ろうとしたが、びくともしなかった。
『しまった。仮死状態モードになっちまいやがった』
『テッドのバカ!』
カレンの一声とともに、大空高くから一筋の閃光がテッド目掛けて落ち、テッドの砂漠服を一瞬のうちに粉々に破壊した。
「ぶわちいいい」と叫ぶテッドの声は、カレンには届かなかったが、それでもどうにか砂上船までもったテッドは流石だと思った。
すっ裸なのに、大した日焼けもせず、汗だくではあったけど、普通に動けるのだから、土着種族が強靱というのは本当だった。
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