黒子の天使の異世界創造~幼馴染み熾天使はダンジョンマスター~

さんが

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第11話 幼馴染み天使のブランシュ

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「第13ダンジョンの司令官?何のことですか、ラーミウ様?私は聞いておりませんぞ」

 ラーミウの言葉に真っ先に反応したのは、俺ではなくリーフの方になる。

「熾天使筆頭である私の決定を、事前に話す必要はあるのかな?」

 しかしリーフのクレームは、いとも簡単に撥ね付けられる。ラーミウの表情は変わらないが、口調は冷たく鋭さが増し、放たれる殺気は熾天使のものとは思えない禍々しささえ感じられる。
 熾天使筆頭のラーミウと、第1ダンジョンの司令官であっても黒子天使にしか過ぎないリーフ。そこには圧倒的な権力と、埋めようがない力の差がある。それを改めて伝えられれば、リーフは直立不動で立ち尽くすし、首を左右に振ることしか出来ない。

「思い出したようだが、次は無い。替え幾らでもいる」

 この話を、これ以上長引かせるのは危険でしかない。しかし、犯罪者となり裁かれるのを待つだけの身であっても、目の前で進められるきな臭い話に細やかな抵抗はしたくなる。

「俺に拒否権はないのか?」

 望まない選択肢であっても、無いよりあった方が可能性は広がる。リーフの目は俺を睨みつけるが、怒りの矛先が向かないように言葉は発することなく、黙ったままでいる。選択を誤れば、前ダンジョン司令官になってしまうのだから。

「笑止な」

 しかし、予想に反してラーミウの殺気は収まり、俺の細やかな抵抗に取り合わない。指をパチンとならすと、ラーミウとリーフの姿は消えてしまう。
 入れ替わりに、別の天使の姿が徐々に現れてくる。凛とした佇まいで2対4枚の翼は、次の熾天使候補となる証でもあり、第13ダンジョンのダンジョンマスターなのだろう。
 徐々にハッキリとするハロ持ち天使の姿。艶のある長い黒髪は、この天使の凛々しさを際立たせている。

 俺は、この天使を知っている。

「ブランシュ……」

 俺の幼馴染みの天使ブランシュ。大学までは何時も一緒にいたが、俺は黒子天使になることを選び、ブランシュはハロ持ちの天使となることを選んだ。
 天界で神々に仕えるハロ持ちの天使と、地上に降りる黒子天使では住む世界が変わる。2度と会うことはないと思っていたブランシュが、今俺の目の前に立っている。

「第13ダンジョンのダンジョンマスター、熾天使代理のブランシュ」

 話し終わりに、僅かに下唇を噛む癖。痩せ我慢し無理をしている時に見せる仕草は、昔も今も変わっていない。俺が地上に降りる時に見送ってくれた、最後に見せた顔が今でも鮮明に記憶に残っている
 陰謀の渦巻く天使の世界に、ブランシュはあまりにも純粋過ぎる。でも、それがサージが選んだ道ならば、俺が止めることは出来なかった。

「熾天使代理なのか?」

「崩壊したダンジョンの残存する黒子天使を集めて、第13ダンジョンをつくります。場所は、ヒケンの森の廃ダンジョン」

「そうか……全てラーミウはお見通しってわけか」

 第6ダンジョンから魔物達を転移させたのが、ヒケンの森の廃ダンジョン。この世界で、初めてブラックアウトを起こしたダンジョンでもあり、立入ることを禁じられた場所の一つ。
 だが数万年の時を経て、禁忌を起こした災厄の影響は消え去っている。それを知っているのは俺を含めて一部の者しかいないはずだった。

「ダンジョンマスターとなる者には、ダンジョンの司令官を決める絶対的な権限があります。第13ダンジョンの司令官になってくれますか?レヴィン」

「断れる訳がないだろ」

 ラーミウの思惑通りになることが気に食わない。しかし、再び俺の目の前に現れたブランシュを見捨てることなんて出来ない。

 ブランシュの目には涙から溢れだし、俺へと抱きついてくる。

「待てって!ここは牢獄の中だぞ。監視の目だってある」

 しかし、根性なしの俺はブランシュを押し返すことも、受け止めることも出来ない。
 そして、俺たち2人を魔法が包み込む。間違いなくラーミウの仕業で、天界から地上へと転移させられている。若干殺気のこもった魔力は、早く仕事をしろと言っているのかもしれない。
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