黒子の天使の異世界創造~幼馴染み熾天使はダンジョンマスター~

さんが

文字の大きさ
14 / 53

第14話 魔力の接収

しおりを挟む
「おい、マリク。第13ダンジョンに戻って、魔力モニタを設置してこい」

「何で俺なんすか?魔力モニタの設置なんて、誰でもイイっすよ。カシューだって出来る仕事じゃないっすか」

 マリクの視線の先には、黒服・サングラス姿のカシューがブランシュの横に張り付いている。恐らくは、ボディガードをしているとアピールしているのだろう。

「マリク、何を言う。私には、ブランシュ様をお守りするという崇高な使命があるのだ。貴様には出来ん仕事なのだぞ!」

「オレは、ブランシュさんに第6ダンジョンを案内する約束をしてるんすよ。オレだって先輩にしごかれてるんすから、ブランシュさんの警護くらい出来るってもんすよ」

「ほうっ、マリク。貴様、抜け駆けしたな」

 カシューは腰の刀を抜くと、床に1本の線を引く。

「ここより、ブランシュ様に近づいてみろ。拙者の刀の錆にしてくれるわ!」

「カシュー、お前にも別の仕事があるんだ。それにな、残念だけどお前らの上司は“俺”なんだよ。2人とも、黒子天使だろが。何なら、第13ダンジョン専任にも出来るんだぞ!」

 情けない目で俺を見てくる2人だが、そこにブランシュが声を掛けてくる。

「カシューさんに、マリクさんですね。大切な仕事なんです。2人とも、宜しくお願いしますね」

「「お任せください」」



 俺のパソコンのモニター画面は横に2分割され、第6ダンジョンと第13ダンジョンの獲得魔力・魔力消費量が映し出されている。

 第6ダンジョンの安全は確認されているが、損傷がないことの確認だけであって、細かな確認はまだまだ時間がかかる。だから、ダンジョンの最下層にある司令官室でも、稼働させているのは俺のデスクの上にある1台のみ。

 ブランシュは俺の右肩に両手を置き、肩越しにモニターを覗き込んでくる。
 熾天使としての佇まいや言葉遣いは凛としているが、こんな所は学生時代と全く変わっておらず、幼馴染みのブランシュを感じさせる。

「近い、近すぎるぞ」
「穢れが移る」

 後ろからマリクとカシューの雑音が聞こえるが、一切相手にしない。

「やっぱりか」

「何がやっぱりなの?」

 第13ダンジョンに設置した魔力モニタから、情報が転送されてくる。魔法リボーン・ダンジョンで、ダンジョンとしての力を取り戻し、吸い上げる魔力量は大きい。

「ブランシュは、ダンジョン運用について何か聞いているのか?」

「ラーミウ様からは、崩壊したダンジョンの残存する黒子天使達を率いて、第13ダンジョンを統括せよとだけ。それ以上は、何も聞けないわ」

「そうか、もう魔力が接収されているんだ」

 新設されたダンジョンからは、軌道に乗るまで魔力の接収はされない。それが通例となっているが、第13ダンジョンからはキッチリと魔力が接収されている。
 まだ何もないダンジョンで、黒子天使も魔物達も全て第6ダンジョンへと移動している。それなのに、7割の魔力は消費しダンジョン内に残される魔力は3割。

「7公3民か。極悪だな、こんなので新設のダンジョンなんて運用出来ないだろ」

「でも、レヴィンなら出来るんでしょ?」

「何で、そう思うんだ?」

「だって、もっと切迫した事態なら、目つきが鋭くなるもん。こんな風にね!」

 ブランシュは、わざと右目だけを細めて、俺の顔真似をしてくる。俺がブランシュの癖を知っているように、ブランシュも俺の癖を知り尽くしている。
 俺の嘘は、何時もブランシュにバレる。自然と俺の右肩越しに顔を覗かせたのも、俺の右目を見るためなのかもしれない。

「ああ、逆に第6ダンジョン下層の魔力は接収されていないんだ」

 ダンジョン運営が軌道に乗れば、最大で7割の魔力が接収され、残りの3割の魔力でダンジョン運営が行なわれる。

 ダンジョン運営の魔力用途しては、主に3つがある。

■黒子天使や魔物の生命力源
■ダンジョンの空調や照明・パソコンなどの運用
■勇者への加護

 何もしなくても、第6ダンジョンの魔力の8割は消費されるはず。しかし、モニターに表示される魔力使用率は1割強。

「このダンジョンには、ラーミウも気付いていないんだ」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。

タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。 しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。 ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。 激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。

【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~

ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。 王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。 15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。 国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。 これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。  

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

【完結保証】科学で興す異世界国家 ~理不尽に死んだ技術者が、「石炭」と「ジャガイモ」で最強を証明する。優秀な兄たちが膝を折るまでの建国譚~

Lihito
ファンタジー
正しいデータを揃えた。論理も完璧だった。 それでも、組織の理不尽には勝てなかった。 ——そして、使い潰されて死んだ。 目を覚ますとそこは、十年後に魔王軍による滅亡が確定している異世界。 強国の第三王子として転生した彼に与えられたのは、 因果をねじ曲げる有限の力——「運命点」だけ。 武力と経済を握る兄たちの陰で、継承権最下位。後ろ盾も発言力もない。 だが、邪魔する上司も腐った組織もない。 今度こそ証明する。科学と運命点を武器に、俺のやり方が正しいことを。 石炭と化学による国力強化。 情報と大義名分を積み重ねた対外戦略。 準備を重ね、機が熟した瞬間に運命点で押し切る。 これは、理不尽に敗れた科学者が、選択と代償を重ねる中で、 「正しさ」だけでは国は守れないと知りながら、 滅びの未来を書き換えようとする建国譚。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

勘当された少年と不思議な少女

レイシール
ファンタジー
15歳を迎えた日、ランティスは父親から勘当を言い渡された。 理由は外れスキルを持ってるから… 眼の色が違うだけで気味が悪いと周りから避けられてる少女。 そんな2人が出会って…

処理中です...