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再構築
187.精霊との相性
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『本当に変わってるわね。やっぱり、一緒にいると飽きないわ』
ムーアが呆れて、目の前で繰り広げられるリッター達の集団行動を見ている。
契約者と精霊の間に、それなりの関係を構築されなければ契約する事は出来ない。そして魔力を提供し、精霊達のスキルを借りる。それが一般的な召喚契約になる。
しかしこれからは、少しずつ精霊との関係性が変わるのかもしれない。なぜなら俺が新しく求めた事は、スキルの性能ではないのだから。
俺が指示を出してから、探知スキルを使って敵を探し、結果を報告するのではない。探知スキルを使うまでのプロセスや、使った後のフォローを求めた。
コミュニケーションを取る必要はあるので、言葉を操ったり人型になるだけの力は必要になるだろうが、スキルが弱くてもプロセスやフォローを判断できる才覚があれば役に立つ精霊と認識される。
その中でもリッター達は活気付いている。精霊達の中でも1番数の多い精霊でもあり、その分だけ可能性を秘めていて士気も高い。
まだ言葉を話すことは出来ないが、隊列をつくり集団行動で、次々と空中に文字なのか記号を描きだしている。
「なるほどな。確かに有効な手段だな。あれなら、言葉が使えなくても意思表示や伝達は出来る。だけどムーア、あの文字か記号みたいのは何なんだ?」
『暗号みたいなものかしら。見てのお楽しみよ。あなたの休んでる間に皆、努力してたんどから!』
「俺が起き上がろうとしたのに、ベッドに縛り付けたのはムーアだろ」
『違うでしょ。ベッドに縛り付けたのはナルキでしょ。強いて言うなら、自分の体に生えた腕に拘束されたんだから、自分のせいじゃないの?』
「だけど、ムーアが指示したんだろ!」
『あら、変な事を言うわね。自主性を与えたのは誰だったかしら。それに強制的に休息を取ったのは正解だったと思うわよ。あなたは、無理をする性格だからね♪』
ムーアが勝ち誇ったようにニヤリと笑う。これは自主性じゃない。わざとムーアを焦らした事への仕返しに違いない。しかし最後に“休息”と言われたら、何も返す事が出来ない。
『ほら、もっと過激な自主性の塊が来たわよ!』
「んっ、ソースイとハンソか?」
精霊達との関係で1番大きく変わったのは、ソースイとハンソになるだろう。俺と全ての精霊は、必ずしもベストな相性とはいえない。精霊が今の状況を回避する為に、やむを得ず契約を結ぶ場合もある。
そして俺とハンソより、ソースイとハンソの方が相性が良かった。これから、ソースイやホーソン、チェンと相性の良い精霊が見つかれば代理契約を結ぶという選択肢も出てくるかもしれない。
自信満々に胸を張って歩いてくるソースイと、項垂れるようにして後を付いてくるハンソ。しかしキョロキョロと周りを窺い、急に立ち止まる。
「あっ、ハンソが逃げたぞ」
『大丈夫よ、見ていて』
ハンソが逃げ出した瞬間、姿が消えてしまう。
『ホラね、大丈夫でしょ!』
「ああ、召喚解除して逃走阻止したのか」
『あの2人、なかなかコンビネーションはイイわよ』
そして、ソースイが黒剣を鞘から引き抜き上に掲げると、リッター達の集団行動が始まる。
空中に矢印が浮かび上がると、それに合わせてソースイがハンソを落と···召喚してゆく。
ドオォォォーーンッ
ドオォォォーーンッ
召喚される度に、大きなクレーターが次々と出来てゆく。しかし次の瞬間、リッター達のつくる矢印がソースイの方を向く。
ピカッ光が放たれるが、その光線を遮るようにしてハンソが召喚されている。
「確かに凄いな。だけど、あれは連携っていうのか?」
『ハンソが抵抗してるなら、あそこまでスムーズには召喚出来ないわよ』
「相性っていのは難しいな。ハンソは、あんな扱いされても俺よりもソースイの方がイイんだろ」
『精霊にもイロイロあるのよ』
そして、再びドオォォォーーンッと音が響き始めると、チェンが慌てて飛んでくる。
「カショウの旦那、どうするで?これ以上の、あっしには耐えられやせん!それにエルフ族からも、毎日旦那に会わせろと来てるんすよ」
『まだカショウが目を覚まして4日目でしょ。もう少し何とかしなさいよ。あなたは私達のご主人様で、フタガの領主様でしょ!』
「ムーアの姐さん、そりゃないっすよ。カショウの旦那が目を覚ましてから4日っすけど、ここに来てもう2週間経ってるんすよ!」
ムーアが呆れて、目の前で繰り広げられるリッター達の集団行動を見ている。
契約者と精霊の間に、それなりの関係を構築されなければ契約する事は出来ない。そして魔力を提供し、精霊達のスキルを借りる。それが一般的な召喚契約になる。
しかしこれからは、少しずつ精霊との関係性が変わるのかもしれない。なぜなら俺が新しく求めた事は、スキルの性能ではないのだから。
俺が指示を出してから、探知スキルを使って敵を探し、結果を報告するのではない。探知スキルを使うまでのプロセスや、使った後のフォローを求めた。
コミュニケーションを取る必要はあるので、言葉を操ったり人型になるだけの力は必要になるだろうが、スキルが弱くてもプロセスやフォローを判断できる才覚があれば役に立つ精霊と認識される。
その中でもリッター達は活気付いている。精霊達の中でも1番数の多い精霊でもあり、その分だけ可能性を秘めていて士気も高い。
まだ言葉を話すことは出来ないが、隊列をつくり集団行動で、次々と空中に文字なのか記号を描きだしている。
「なるほどな。確かに有効な手段だな。あれなら、言葉が使えなくても意思表示や伝達は出来る。だけどムーア、あの文字か記号みたいのは何なんだ?」
『暗号みたいなものかしら。見てのお楽しみよ。あなたの休んでる間に皆、努力してたんどから!』
「俺が起き上がろうとしたのに、ベッドに縛り付けたのはムーアだろ」
『違うでしょ。ベッドに縛り付けたのはナルキでしょ。強いて言うなら、自分の体に生えた腕に拘束されたんだから、自分のせいじゃないの?』
「だけど、ムーアが指示したんだろ!」
『あら、変な事を言うわね。自主性を与えたのは誰だったかしら。それに強制的に休息を取ったのは正解だったと思うわよ。あなたは、無理をする性格だからね♪』
ムーアが勝ち誇ったようにニヤリと笑う。これは自主性じゃない。わざとムーアを焦らした事への仕返しに違いない。しかし最後に“休息”と言われたら、何も返す事が出来ない。
『ほら、もっと過激な自主性の塊が来たわよ!』
「んっ、ソースイとハンソか?」
精霊達との関係で1番大きく変わったのは、ソースイとハンソになるだろう。俺と全ての精霊は、必ずしもベストな相性とはいえない。精霊が今の状況を回避する為に、やむを得ず契約を結ぶ場合もある。
そして俺とハンソより、ソースイとハンソの方が相性が良かった。これから、ソースイやホーソン、チェンと相性の良い精霊が見つかれば代理契約を結ぶという選択肢も出てくるかもしれない。
自信満々に胸を張って歩いてくるソースイと、項垂れるようにして後を付いてくるハンソ。しかしキョロキョロと周りを窺い、急に立ち止まる。
「あっ、ハンソが逃げたぞ」
『大丈夫よ、見ていて』
ハンソが逃げ出した瞬間、姿が消えてしまう。
『ホラね、大丈夫でしょ!』
「ああ、召喚解除して逃走阻止したのか」
『あの2人、なかなかコンビネーションはイイわよ』
そして、ソースイが黒剣を鞘から引き抜き上に掲げると、リッター達の集団行動が始まる。
空中に矢印が浮かび上がると、それに合わせてソースイがハンソを落と···召喚してゆく。
ドオォォォーーンッ
ドオォォォーーンッ
召喚される度に、大きなクレーターが次々と出来てゆく。しかし次の瞬間、リッター達のつくる矢印がソースイの方を向く。
ピカッ光が放たれるが、その光線を遮るようにしてハンソが召喚されている。
「確かに凄いな。だけど、あれは連携っていうのか?」
『ハンソが抵抗してるなら、あそこまでスムーズには召喚出来ないわよ』
「相性っていのは難しいな。ハンソは、あんな扱いされても俺よりもソースイの方がイイんだろ」
『精霊にもイロイロあるのよ』
そして、再びドオォォォーーンッと音が響き始めると、チェンが慌てて飛んでくる。
「カショウの旦那、どうするで?これ以上の、あっしには耐えられやせん!それにエルフ族からも、毎日旦那に会わせろと来てるんすよ」
『まだカショウが目を覚まして4日目でしょ。もう少し何とかしなさいよ。あなたは私達のご主人様で、フタガの領主様でしょ!』
「ムーアの姐さん、そりゃないっすよ。カショウの旦那が目を覚ましてから4日っすけど、ここに来てもう2週間経ってるんすよ!」
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