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タイコの湖
304.蛇達の正体
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ウィンドサイクロンに雷属性が帯びることで、急激に殺傷能力が上がる。しかし2属性の同時魔法行使は、それだけでは終わらない。
「疾風怒濤」
今度はウィンドサイクロンの中にストーンバレットが表れると、蛇達が次々と襤褸切れのようになり、次々と赤い光りは消え存在が消滅してゆく。
「もう大丈夫そうかな」
まだ全ての蛇を倒しきったわけではないが、蛇達はウィンドサイクロンから距離をとるようにして離れている。それに初めて行使した上位魔法を、さらに広範囲にして制御する度胸はない。
『ええ、少しやり過ぎよ。魔石までが砕け散って、これじゃ使い物にならないわよ!』
「後は、無事に終わらせれるかだな」
『ちょっと、どんな心配してるのよ!』
「マトリなら、大丈夫だって。上手くやってくれる!」
『なんで他人任せにしてるのよ!』
そして少しずつ魔力を絞り、ウィンドサイクロンを終息させにゆく。二人で連携しているだけに、一歩間違えば制御を失った魔法が暴走してしまう可能性もある。
少しずつ風が収まり、魔法が終息し始める。その間に、蛇達は1ヶ所に集まるようにして山を作り始めているが、ウィンドサイクロンの中心に居る俺達は何も出来ない。
「バラけているよりは、対処がしやすいさ」
『秘密兵器の登場かもしれないわよ!』
山となった蛇の塊が徐々に小さくなり、そして人の形へと姿を変え始める。しかし、頭部だけは形を変えずに蛇が髪の毛として残される。
『ゴルゴンよ?』
ムーアの言葉で咄嗟に顔を逸らすが、もう顔を見てしまっている。蛇頭の印象が強く、顔まではハッキリと思い出せないが、それでも顔を見てしまったのには変わりない。
一瞬であれば大丈夫なのか?それとも、もう石化スキルの影響を受けてしまったのだろうか?いや、目を見れば石化してしまうというのは、元の世界だけ認識かもしれないと、僅かに期待してしまう。
しかし、ムーアの感情の声は“石化の呪い”とハッキリと言っている。
だが、まだ体は動いているし、スキルも発動出来ている。瞬時に気配探知スキルをゴルゴンに向けて発動するが、普段よりも長く感じてしまう。せめて多くの情報を残さなければと気持ちは急くが、そんなことでスキルの発動速度は変わらない。
そして、見えてくるゴルゴンの姿形。大量の蛇が集まった割には、体は小さく華奢な体をしている。髪の毛は幾つかの種類の蛇が混ざっているみたいで、コブラのような蛇でも幾つもの種類が混ざっている。
そして肝心のゴルゴンの目は閉ざされている···のか?
『大丈夫だって?』
「何が?」
『シナジーが、ゴルゴンを見ても大丈夫って言ってるわよ!』
「えっ」
恐る恐るゴルゴンを見ると、体は鎖で縛り付けられ、肝心の目は完全に潰されてしまっている。自由に動くのは髪の毛となっている蛇だけで、それが体を護ろうと必死に威嚇している。
「確かに、これじゃ石化の呪いなんてかけれないな」
『完全に、力を封じられているのよ』
ゴルゴンの潰れた瞳からは魔力が漏れ、幾ら魔力を吸収してもゴルゴンの瞳は癒えることはない。そして、その漏れた魔力がタイコの湖に溶け込み、御神酒となっている。
『なんてことを···』
その秘密を察したムーアの表情は厳しく、怒りに満ちている。ラガート達と契約していることもあるのか、魔物達に触れたことで感じ方や考え方も変わりつつあるのかもしれない。
「残念だけど、僕達が関わってるんだよ」
そのナレッジの声は重く、説明がなく短い言葉だけでは、何を言っているか理解することが出来ない。
「どういうことだ?」
「いいから、あれを見て!」
閉ざされて出口の無い部屋を、リッター達が八方向に飛び立つと、部屋の奥にある壁を照らし出す。そして送られてくる光景には、壁の一面にびっしりと模様のようなものが描かれている。
「これは何なんだ?」
「これはね、八属性の紋様だよ。それが、この部屋を囲んでいる」
そう言われてみれば、火・水・地・風・光・闇・空・無を現した模様のようにも見える。
「この何も描かれていない壁は、無属性なのか?」
「そうだよ。僅かな模様やムラさえもないでしょ」
少し複雑な気分ではあるが、今はこれ以上話の腰を折ってはならないと思い、ナレッジに続きを促す。
「この部屋の結界は、精霊達によってつくられたものだよ!」
「疾風怒濤」
今度はウィンドサイクロンの中にストーンバレットが表れると、蛇達が次々と襤褸切れのようになり、次々と赤い光りは消え存在が消滅してゆく。
「もう大丈夫そうかな」
まだ全ての蛇を倒しきったわけではないが、蛇達はウィンドサイクロンから距離をとるようにして離れている。それに初めて行使した上位魔法を、さらに広範囲にして制御する度胸はない。
『ええ、少しやり過ぎよ。魔石までが砕け散って、これじゃ使い物にならないわよ!』
「後は、無事に終わらせれるかだな」
『ちょっと、どんな心配してるのよ!』
「マトリなら、大丈夫だって。上手くやってくれる!」
『なんで他人任せにしてるのよ!』
そして少しずつ魔力を絞り、ウィンドサイクロンを終息させにゆく。二人で連携しているだけに、一歩間違えば制御を失った魔法が暴走してしまう可能性もある。
少しずつ風が収まり、魔法が終息し始める。その間に、蛇達は1ヶ所に集まるようにして山を作り始めているが、ウィンドサイクロンの中心に居る俺達は何も出来ない。
「バラけているよりは、対処がしやすいさ」
『秘密兵器の登場かもしれないわよ!』
山となった蛇の塊が徐々に小さくなり、そして人の形へと姿を変え始める。しかし、頭部だけは形を変えずに蛇が髪の毛として残される。
『ゴルゴンよ?』
ムーアの言葉で咄嗟に顔を逸らすが、もう顔を見てしまっている。蛇頭の印象が強く、顔まではハッキリと思い出せないが、それでも顔を見てしまったのには変わりない。
一瞬であれば大丈夫なのか?それとも、もう石化スキルの影響を受けてしまったのだろうか?いや、目を見れば石化してしまうというのは、元の世界だけ認識かもしれないと、僅かに期待してしまう。
しかし、ムーアの感情の声は“石化の呪い”とハッキリと言っている。
だが、まだ体は動いているし、スキルも発動出来ている。瞬時に気配探知スキルをゴルゴンに向けて発動するが、普段よりも長く感じてしまう。せめて多くの情報を残さなければと気持ちは急くが、そんなことでスキルの発動速度は変わらない。
そして、見えてくるゴルゴンの姿形。大量の蛇が集まった割には、体は小さく華奢な体をしている。髪の毛は幾つかの種類の蛇が混ざっているみたいで、コブラのような蛇でも幾つもの種類が混ざっている。
そして肝心のゴルゴンの目は閉ざされている···のか?
『大丈夫だって?』
「何が?」
『シナジーが、ゴルゴンを見ても大丈夫って言ってるわよ!』
「えっ」
恐る恐るゴルゴンを見ると、体は鎖で縛り付けられ、肝心の目は完全に潰されてしまっている。自由に動くのは髪の毛となっている蛇だけで、それが体を護ろうと必死に威嚇している。
「確かに、これじゃ石化の呪いなんてかけれないな」
『完全に、力を封じられているのよ』
ゴルゴンの潰れた瞳からは魔力が漏れ、幾ら魔力を吸収してもゴルゴンの瞳は癒えることはない。そして、その漏れた魔力がタイコの湖に溶け込み、御神酒となっている。
『なんてことを···』
その秘密を察したムーアの表情は厳しく、怒りに満ちている。ラガート達と契約していることもあるのか、魔物達に触れたことで感じ方や考え方も変わりつつあるのかもしれない。
「残念だけど、僕達が関わってるんだよ」
そのナレッジの声は重く、説明がなく短い言葉だけでは、何を言っているか理解することが出来ない。
「どういうことだ?」
「いいから、あれを見て!」
閉ざされて出口の無い部屋を、リッター達が八方向に飛び立つと、部屋の奥にある壁を照らし出す。そして送られてくる光景には、壁の一面にびっしりと模様のようなものが描かれている。
「これは何なんだ?」
「これはね、八属性の紋様だよ。それが、この部屋を囲んでいる」
そう言われてみれば、火・水・地・風・光・闇・空・無を現した模様のようにも見える。
「この何も描かれていない壁は、無属性なのか?」
「そうだよ。僅かな模様やムラさえもないでしょ」
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「この部屋の結界は、精霊達によってつくられたものだよ!」
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