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どうも魔法少女(おじさん)です。【3】~魔王降臨!!おじさんの昔のオトコ!?~
【6】おやすみの明日は決戦※ その2
しおりを挟むそして翌日。
勇者フィラースにジークとコウジ達一行の姿は、魔王城の門前にあった。
元はモルガナ国の白亜の大神殿があった場所だ。そこに幾つもの針のような尖塔をもつ、小山のように巨大な漆黒の城が建っている。
いきなりこの城が時空を割って空中に現れたと思ったら、大神殿に向かい砲撃が放たれたという、一瞬にして白亜の神殿は炎に包まれ崩壊した。そのあとに宙に浮かんでいた城が降り立ったのだと。
白い蛾となった女神モルガナは「わたしの神殿の上にこんな無粋なものを置くなんて!」とキイキイ言っていたが、自分達を魔王城の門前で下ろすと、アンドルと女神アルタナの創った動く神殿とともに去って行った。
魔王城までは女神様のお力で送ってくれるが、そこから先は自力でということだ。いや、これでも十分に親切だ。
「常々思っていたんだけどよ」とコウジは口を開く。
「ゲームなんかで、あなたは世界を救う勇者なんて神様はお告げしてくれるのに、なんでレベル1からコツコツ始めなきゃならねぇんだとは思っていたんだよな。
神様だったらさ、最初からレベルカンストにして、伝説の武器防具与えてくれて、妙な遠回りのクエストなんてさせずに、目と鼻の先にある魔王城に虹の橋かけてくれりゃ簡単なのにさ……ってな」
「それじゃあ、ゲームの楽しさが台無しじゃない」というシオンに「お、シオンちゃん意外とゲーム好きか?」とコウジは訊く。
「それより、ちゃんと戦って頂戴!」
シオンが弓を引き絞り放てば、その無数の紫の炎をまとった矢が、襲い来る彫像の甲冑をまとった魔騎士達を撃ち砕く。
「ちゃんと給料分は働いているぜ!」
コウジの放った弾丸が、その騎士達の後方。これまた彫像だった巨大なグリフォンの額に当たって、頭を吹き飛ばした。
魔王城の巨大な両開きの扉をぶち抜いて中にはいれば、そこは血のような赤い絨緞が敷かれた長い回廊だった。絨緞の道の両わきには、闇色の甲冑をまとった騎馬の像が無数に並び、その後ろに巨大な羽を広げたグリフォンの姿が。
マモノの姿はなく彫像に不気味さを感じながらも、上階へと昇る大階段へと続く回廊の真ん中に来た時に予想通りというか。
彫像がいきなり動き出してこちらを襲ってきたのだ。
コンラッドもまたシオンの横で彼女の矢を突破してこちらに突進してきた、彫像の騎馬を青い炎をまとった槍の一撃で仕留めていた。
ピートとマイアは、背中合わせ、その舞いによって起こしたかまいたちで、天井に無数に彫り込まれていたコウモリの翼の小鬼達が襲ってくるのを、切り裂き吹き飛ばしていた。
そして、勇者と英雄は。
回廊の最奥の壁面に浮き彫りにされてた、二つの頭を持つ一つ目巨人の彫像。それがミシリと音を立てて壁から離れた。頭が二つだけでなく、四つの腕を振りまわして。
その手には巨大な棍棒。四つもあるそれを振り下ろされたら、人なんぞぺちゃんこだ。
ジークとフィラースは、遥か見上げるような巨人にひるむことなどなかった。自分達に向かいまるで巨大隕石のように影がさして、落ちてくる棍棒を互いに左右に跳んで避けた。
同時に二人の手からはなたれる雷光に閃光。それは巨人の両肩を撃ち砕いて、四つの腕が大音響をたてて魔王城の床に転がる。
攻撃手段を失ったように見えたギガントだが、ヤツは二つの頭を巡らせて、キザギザの歯が並ぶ口からゴオッと炎を吐いた。
それも高く跳んだジークとフィラース、その二人が手に持つ黒と白の聖剣の一閃によって、首が吹っ飛ばされる。
しかし首がとんでも、巨人の口から飛び出た炎が二人に襲い掛かろうとする。それにコウジはくわえていた煙草を投げた。闇の煙により結界が炎を完全に防ぐ。
二人、同時に着地して、くるりとコウジを振り返るのも一緒。「「助かった」」と言うのも。
どうやら、昨日の“ガチケンカ”で二人のわだかまりは解消されたようだ。息があっているのは何よりだと、コウジはうなずいた。
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