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第二章 新たな出会い-2
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「リンネ。見たかい?」
「うん。あの二人。なかなかスジがいいね。どこから来たんだろう?」
リンネとヤムはハザードとカインを遠くで見ながら話す。
「少し話をしてみるか」
「え? 話すってまさか……」
リンネはヤムの行動に違和感を感じる。それに関係なくヤムは行動に移す。
「ちょっとヤム様!」
リンネはその小さな体を小さな羽でもって羽ばたかせながらヤムのそばを離れることなく、ついて行く。
「君たち!」
カインとハザードは声のする方へ目をやる。そこには上半身ハダカのムキムキの筋肉質の男が一人走ってくる。
「おいおい。ジョールの次はあんな強そうなおっさんかよ」
カインは仕方なく剣を鞘から抜き取る。ハザードも剣を抜くと、「今度は話して分かるといいけどね」と残す。
「いやいや、剣は収めてくれ。俺は敵ではないよ」
ヤムは両手を上げて、何も武器を持っていないことをアピールする。
「ほんとだ。この人はジョールとは違うみたい」
ハザードは安心して、剣を鞘の中へ収めた。すかさず、ヤムはハザードの首もとへ右手の手首のスナップを利かせてストンと落とすと、ハザードは気を失う。
「な!? 貴様! ハザードに何を……」
ハザードに起こった一瞬のことについていけなかったカインはヤムに大声を上げるが、ヤムの腕の動きの方が早く、カインも気を失ってしまった。
「ヤム様。二人をどうする気ですか?」
リンネは二人の体を抱えたヤムに問いかける。
「この二人には、これから修行を積み重ねてもらうことにする。俺の攻撃をかわせないようでは、これから先やっていくことは出来ないだろうからね。今回のジョールはあまり強くなかったが、この先出てくるジョールは今回のようには行くまい。リンネ、君にも力を借りるよ」
「仕方ないですね。分かりました。ヤム様のご要望とあらば」
リンネは「かしこまりー」とヤムのそばをクルクルと回ってみせる。そんなリンネを横目にヤムは二人を担いで洞窟へと進むのであった。
「うぅ……」
カインは少し頭を押さえながら意識を取り戻す。
「気がついたかい?」
カインの様子にヤムが声をかける。カインは焚き火にかけていた魚を手に取り、かぶりつく。
「貴様! いてて……」
カインは上半身を起こそうとするが、体が思うように動かないことに気が付く。
「まだ動かない方がいい。そんなに早く俺の攻撃を受けてから身動きが取れるようになるとは思えない。そもそもそんなに軽い力で君を……」
ヤムが続きを言おうとしたところで、カインがまた口を挟む。
「黙れ! 貴様の攻撃なんざ、これっぽっちも! いつっ……」
「やれやれ。だから、言ったじゃないか。今はしっかり休むんだな」
カインの体を気遣うヤムは「ほれ」と、串刺しにされた炙り魚を一匹カインに放り投げた。
「食え。話はそれからだ」
「くそっ! いるかよ!」
カインは強気な口調で言葉を返すが、お腹から「グゥー」という音が洞窟内に鳴り響いた。洞窟内だからこそ余計に音が反響する。
「ははは。カイン、腹が減ってるなら食べた方がいいぜ!」
その言葉の主にカインはハッとする。
「ハザード!」
カインは剣を持って洞窟の向こうから現れた相棒の姿に大声を出す。
「ようやく目覚めたようだぞ。君の相棒は」
ヤムがカインの方を向いて指さす。ハザードは「みたいだね」と一言返す。
「時にハザード。何か収穫物はあったかい?」
「一応、ヤシの実と海藻!」
ヤムの言葉にハザードは採ってきた大きなヤシの実と剣に巻き付いた海藻を見せる。
「なんだ。動物じゃないのか。大きな獲物を捕るにはまだまだ時間がかかりそうだな」
ヤムはハザードに両手上げて「やれやれ」と首を横に振った。
「そんなことないよ。そのうち、うーんと大きい獲物捕ってきてやるんだから!」
カインはヤムとハザードのやり取りを見ながら「ポカン」と大きく口を開ける。
「ハザード? いったい、これはどういうことなんだ?」
カインの言葉にハザードは「ははは」と笑うと、ヤムも同時に大きく笑い始める。
「ちょっと! 二人してカインさんをいじめるのもいい加減にしてあげてください。リンネが説明してあげますよー!」
どこからともなく聞こえてくる声にカインは辺りを見渡す。
「誰だ!」
「誰だ。とは失礼な。リンネは一応、レディーなんですよ! それに今からカインさんにことの全てをお話しようと思っているのに、その態度はないでしょー!」
リンネの声はまだまだ子供だ。お子さまの声でカインに語りかけるが、カインの目にリンネは写り込まない。
「どこだ? どこにいる!」
カインはまだリンネの姿を見つけることが出来ず、声を荒げる。
「カイン、右だよ。君の右肩に乗ってるよ」
ハザードは笑いながら、リンネの場所をカインに教える。リンネはその小さい体をカインの右肩にちょこんと乗せていた。
「右肩だと? うぉ! なんだ! お前!」
カインはリンネの存在を見つけると共に声をあげる。右肩を左手でパッパッと払うとリンネはすぐさま、座っていたその位置から退くとパタパタと羽でカインのそばで、滞空する。
「カインさん。荒いですよ! まったく。あたしはリンネ・サーカス。ヤム様にお仕えする精霊です。ハザードさんとカインさんは先のジョールとの戦いで見事打ち勝たれました。その様子をヤム様とあたしは見ていました」
リンネはそこまで話すと、「ふぅ」と小さくため息をついた。
「その後、あたしとヤム様はハザードさんとカインさんを連れて、洞窟内にやってきたのです」
カインがリンネの説明に納得がいかないのは当然だった。
「うん。あの二人。なかなかスジがいいね。どこから来たんだろう?」
リンネとヤムはハザードとカインを遠くで見ながら話す。
「少し話をしてみるか」
「え? 話すってまさか……」
リンネはヤムの行動に違和感を感じる。それに関係なくヤムは行動に移す。
「ちょっとヤム様!」
リンネはその小さな体を小さな羽でもって羽ばたかせながらヤムのそばを離れることなく、ついて行く。
「君たち!」
カインとハザードは声のする方へ目をやる。そこには上半身ハダカのムキムキの筋肉質の男が一人走ってくる。
「おいおい。ジョールの次はあんな強そうなおっさんかよ」
カインは仕方なく剣を鞘から抜き取る。ハザードも剣を抜くと、「今度は話して分かるといいけどね」と残す。
「いやいや、剣は収めてくれ。俺は敵ではないよ」
ヤムは両手を上げて、何も武器を持っていないことをアピールする。
「ほんとだ。この人はジョールとは違うみたい」
ハザードは安心して、剣を鞘の中へ収めた。すかさず、ヤムはハザードの首もとへ右手の手首のスナップを利かせてストンと落とすと、ハザードは気を失う。
「な!? 貴様! ハザードに何を……」
ハザードに起こった一瞬のことについていけなかったカインはヤムに大声を上げるが、ヤムの腕の動きの方が早く、カインも気を失ってしまった。
「ヤム様。二人をどうする気ですか?」
リンネは二人の体を抱えたヤムに問いかける。
「この二人には、これから修行を積み重ねてもらうことにする。俺の攻撃をかわせないようでは、これから先やっていくことは出来ないだろうからね。今回のジョールはあまり強くなかったが、この先出てくるジョールは今回のようには行くまい。リンネ、君にも力を借りるよ」
「仕方ないですね。分かりました。ヤム様のご要望とあらば」
リンネは「かしこまりー」とヤムのそばをクルクルと回ってみせる。そんなリンネを横目にヤムは二人を担いで洞窟へと進むのであった。
「うぅ……」
カインは少し頭を押さえながら意識を取り戻す。
「気がついたかい?」
カインの様子にヤムが声をかける。カインは焚き火にかけていた魚を手に取り、かぶりつく。
「貴様! いてて……」
カインは上半身を起こそうとするが、体が思うように動かないことに気が付く。
「まだ動かない方がいい。そんなに早く俺の攻撃を受けてから身動きが取れるようになるとは思えない。そもそもそんなに軽い力で君を……」
ヤムが続きを言おうとしたところで、カインがまた口を挟む。
「黙れ! 貴様の攻撃なんざ、これっぽっちも! いつっ……」
「やれやれ。だから、言ったじゃないか。今はしっかり休むんだな」
カインの体を気遣うヤムは「ほれ」と、串刺しにされた炙り魚を一匹カインに放り投げた。
「食え。話はそれからだ」
「くそっ! いるかよ!」
カインは強気な口調で言葉を返すが、お腹から「グゥー」という音が洞窟内に鳴り響いた。洞窟内だからこそ余計に音が反響する。
「ははは。カイン、腹が減ってるなら食べた方がいいぜ!」
その言葉の主にカインはハッとする。
「ハザード!」
カインは剣を持って洞窟の向こうから現れた相棒の姿に大声を出す。
「ようやく目覚めたようだぞ。君の相棒は」
ヤムがカインの方を向いて指さす。ハザードは「みたいだね」と一言返す。
「時にハザード。何か収穫物はあったかい?」
「一応、ヤシの実と海藻!」
ヤムの言葉にハザードは採ってきた大きなヤシの実と剣に巻き付いた海藻を見せる。
「なんだ。動物じゃないのか。大きな獲物を捕るにはまだまだ時間がかかりそうだな」
ヤムはハザードに両手上げて「やれやれ」と首を横に振った。
「そんなことないよ。そのうち、うーんと大きい獲物捕ってきてやるんだから!」
カインはヤムとハザードのやり取りを見ながら「ポカン」と大きく口を開ける。
「ハザード? いったい、これはどういうことなんだ?」
カインの言葉にハザードは「ははは」と笑うと、ヤムも同時に大きく笑い始める。
「ちょっと! 二人してカインさんをいじめるのもいい加減にしてあげてください。リンネが説明してあげますよー!」
どこからともなく聞こえてくる声にカインは辺りを見渡す。
「誰だ!」
「誰だ。とは失礼な。リンネは一応、レディーなんですよ! それに今からカインさんにことの全てをお話しようと思っているのに、その態度はないでしょー!」
リンネの声はまだまだ子供だ。お子さまの声でカインに語りかけるが、カインの目にリンネは写り込まない。
「どこだ? どこにいる!」
カインはまだリンネの姿を見つけることが出来ず、声を荒げる。
「カイン、右だよ。君の右肩に乗ってるよ」
ハザードは笑いながら、リンネの場所をカインに教える。リンネはその小さい体をカインの右肩にちょこんと乗せていた。
「右肩だと? うぉ! なんだ! お前!」
カインはリンネの存在を見つけると共に声をあげる。右肩を左手でパッパッと払うとリンネはすぐさま、座っていたその位置から退くとパタパタと羽でカインのそばで、滞空する。
「カインさん。荒いですよ! まったく。あたしはリンネ・サーカス。ヤム様にお仕えする精霊です。ハザードさんとカインさんは先のジョールとの戦いで見事打ち勝たれました。その様子をヤム様とあたしは見ていました」
リンネはそこまで話すと、「ふぅ」と小さくため息をついた。
「その後、あたしとヤム様はハザードさんとカインさんを連れて、洞窟内にやってきたのです」
カインがリンネの説明に納得がいかないのは当然だった。
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