彼岸花

ミルク365

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思い出

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「死にたい」
私は今日も、そう呟く。
私は、事故で彼を失った。彼は私の命の恩人で、生きる意味だった。彼が死んだ今、私は生きる気力を失った。どうせなら、あの時死んでいればよかった。いや、彼と会う前に、自殺してればよかった。私は歩き続けながら、彼との思い出を思い出す。

私はいじめられていた。理由は真面目でウザイからと、言っていた。普通に学校生活を送っていただけなのに、なんで虐められないと行けないのか分からなかった。いじめは日に日に酷くなっていき、私は追い込まれていった。そして私は、自殺しようとしていた。決心がついて、飛び降りようとした時。彼に腕を掴まれて、止められた。初めて見る人だった。私は突然止めてきた彼を突き放そうとした。それでも彼は、手を離さなかった。彼は、私を死なせてくれなかった。そして、私は彼に怒られた。彼の目は、私を真っ直ぐ見て、叱ってくれた。私は泣いた。そして、全てを吐き出した。いじめられていること、辛かった事など、初めて見る彼の前で、みっともないほど、泣いた。だけど彼は、優しくずっと見守ってくれた。彼は言ってくれた、俺がどうにかする、君を助ける。彼はそう言ってくれた。私は嬉しかった。私を助けてくれたことに感謝した。その日行こう、いじめはなくなった。彼が何かしたのは間違いないだろう。逆にいじめっ子達は怯えて、教室の影に息を潜めていた。他のいじめられていた人たちも、いじめが無くなり、学校は平和になった。私は彼に、助けてくれた理由を聞いたところ。彼は私のことが好きだから、助けたと言った。それを聞いた時はびっくりしたけど、その後付き合ってくれないかと言われたので、お願いしますと、返事を返した。それから何日たっただろうか、私達は買い物をして帰っていた。彼と会話したり、お店を回るのはとても楽しかった。こんな日々が続くと思っていた。だけど、そんな日々は続かなかった。後ろから大きな音がしたと思ったら。私は思いっきり吹き飛ばされた。それは、後ろから彼に押された衝撃だった。そして次の瞬間、後ろから思いっきりぶつかった音がした。その音はとても聞くに絶えない音だった。後ろを振り向いたら、彼が血まみれで倒れていた。トラックに跳ねられて、即死だった。私は、その場で悲鳴のような泣き声をあげた。

私は歩き続けた。疲れても、眠くなっても、足が痛くても、ただ歩き続けた。どれぐらい時間が立ったかも分からなかった。ただ無心に、死ぬために歩き続けた。
私は足を止めて、周りを見て気がついた。辺り一面に彼岸花が咲いていたんだ。とても綺麗で、とても…….

私が、彼岸花を見渡していると。人がいたんだ、その人には見覚えがあった。とても会いたくて、とても好きで、そして命の恩人の彼が居たんだ。もう、死んだはずの彼が。夕日に照らされて、よく顔が見えなかったが、彼だと一目でわかった。彼の声は聞こえなかったけど、何か言っているような気がした。怒っているようで、優しく、私に生きろと。そう言ってるような気がした。彼は死ぬことを許してくれない、自殺しようとした時も、事故にあった時も、そして今も、彼は私を生かそうとする。きっと、私が死のうとしてたから、死んでも叱りに来たんだろうか。なんでそこまでするのかなと思ったけど、とても嬉しかった。そして、申し訳ないと思った。死んでもなお、迷惑をかけてしまった。これ以上、彼には迷惑はかけたくない。もう、ゆっくり休ませてあげたい。だから私は言った。
「私は生きるよ、もう死のうとしない。だから、あなたはもう休んでいいよ。私は、1人でも生きていける」
そう言った瞬間、視界が暗転した。その時、心の中で彼の声が聞こえた。今までありがとうと。

目が覚めたら病室にいた。どこまでが現実で、夢だったかは分からないけど。彼と会えたことは確かだった。あれが夢であっても、現実であっても。私は彼に勇気づけられた。生きる意味を、見つけた。もう彼には、迷惑はかけない。病室のテーブルの上には、彼岸花が置いてあった。誰が置いたのだろうか、私はわかるような気がした。
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