豚さんの飛ぶ頃に……

ミルク365

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豚さんの飛ぶ頃に……

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僕は目が覚めたらここにいた。周りには草原が広がっている。何もなかった。僕は1人だった。さまよい歩き続けたが。どこへ行っても何もなかった。自分が何者かも分からず、ただひたすらに1人歩いた。ゾンビに追いかけられたり、狼に追われたり、たくさんひどい目にあった。ある日僕はスティーブさんに出会った。スティーブさんは、僕にすごく優しかった。僕に人参をたくさんくれた。可愛がってくれた。僕を何かの建物の所へ連れていってくれた。スティーブさんが作った建築物だろうか?たくさんいろんなものを見た。僕はお礼に背中に乗せてあげた。まあ無理やり乗ってきたけど、大好きなスティーブさんのが喜ぶなら僕も嬉しい。僕は追いかけた、逃げる人参を。初めて逃げる人参を見た時は驚いた。僕は必死に追いかけた、スティーブさんは笑っていた。楽しいんだろうな、僕の上が。僕はスティーブさんに喜んでもらえてとても嬉しかった。たくさん人参をくれてとても嬉しかった。そして僕はスティーブさんにあまり相手してもらえなくなった。人参ももらえなくなったし、僕は少し寂しかった。ある日スティーブさんは何かを作っていた。階段だろうか?鼻歌交じりに何かを建設してた。僕はただ見ていた。何を作っているのだろうか?完成が楽しみだった。そしてスティーブさんは僕の所へ来て人参をくれた。僕は喜んだ。やっとスティーブさんに構ってもらえた。僕はとても嬉しかった。スティーブさんはとても優しくて。僕の大好きな人です。
スティーブさんは僕に乗りました。僕はとても嬉しかった。また一緒に散歩ができる。
そして目の前に逃げる人参が現れた。僕はそれをまた追いかけた。スティーブさんは笑っていた。僕も喜んでもらえて嬉しかった。人参を追いかけて、追いかけて、僕はいつの間にかスティーブさんが作っていた階段を上っていた。スティーブさんが作ったものを僕に見せてくれるのかなと思いながら。僕は逃げる人参を必死に追いかけた。そして…そして……階段を上がりきったと思ったら、そこには何もなかった。地面もなく、僕は宙に浮かんだ。一瞬時が止まったような気がした。とても高くて、とても怖い。スティーブさんは笑っていた。なんで笑っていれるのか。そして僕はその時初めて気づいた。
結局僕はスティーブさんのただの遊び道具に過ぎなかったと。たくさん遊んでくれていたと思ったのも、スティーブさんが笑っていたのも全てただの暇つぶしだったと。スティーブさんは優しい人と思っていた。心の底から可愛がってくれてると思った。僕は泣いた。逃げる人参の仕組みも理解した。スティーブさんはずっと、僕が追いかけても無駄な人参を追いかけているところ見て、笑っていたんだ。悲しみが僕を襲って。そして、そして、僕は意識を失った。

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