俳句集『たらざり』

凛七星

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第十八章

『分裂とアナフィラキシー』

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虐殺の映画の帰路の碇星




水やりにひらり蜻蛉の遁走す




琉球の短歌うた知る朝に泣く木槿




痛風の左党からすみ睨みをり




露草や別れを告げず月の消ゆ




ダサいとか知りまへんがな獺祭忌




オオタニのケガを憂へる糸瓜忌




杜鵑草ほととぎすほとほと呆れすぎてww




あっしにゃぁ関りのねえ秋彼岸




籠の虫ゼレンスキーかプーチンか




白線は真っ直ぐひけぬ体育祭




熟年の別れ話に秋黴雨




帰路に園児の頭上で🎼くるり赤とんぼ 




街暮らし茸のこのこ狩にゆき




秋晴れや隔離病棟しづかなり 




落鮎や貶されつつも串刺され




たちんぼと男は消えゆ乱れ萩




はららごや笑み満面で大量殺戮




秋の雨せっけん手にすホームレス




白露や土方は足袋を濡らしをり




海猫帰る『石狩挽歌』流る浜




名月や栄枯盛衰あきぬ世に




十六夜や遅れていくと傾奇者




生姜の「姜」やけど「かん」どす薄笑い




流星や身を焦がすよな夢はなく




シャツの釦すこし外して青蜜柑




船が泣く波止場の夜明け霧深し




ひらひらと干からびてをり鵙の贄




流す血よ泣く黒海に秋冷や




秋夕焼わけへだてなく抱きしめり




「タッペギ!」の赤ら顔へと済州島チェジュの風




下卑たかおケチをつけたる赤い羽根




身包みを剥がさるししの温かさ




秋渇Gazaは破壊と血の臭い




たねは爆ぜ流れに消えゆ椿の実




蓑虫や風向きどうか「しらんけど」




月欠けゆ白リン弾に溶けし街




秋寒やに受けとめて腕立て伏せ




戦争のニュースと割れた柘榴の実




不条理に怒りくだまき今年酒あらばしり




敗荷やれはすや何が正義か問ひたきに




秋晴やカウントダウン侵攻へ




きりたんぽ湯たんぽ温し北の宿




鰯煮のしょっぱさ落ちた涙かな




くんくんと銀杏匂ひ猫ふぐり




こうべ垂れ介錯を待つ菊人形




秋澄む朝ニュースに虫酸走りたり




火鉢欲し股座の猫動かざり




鱁鮧うるかまで貪り尽くす人の業




崩れ簗なほも流れに抗えり




金柑やJazzyな甘さ口遊む




爽籟にヘイトスピーチ謳う声




片翼の夜間飛行の十三夜




落葉焚できぬ街の子唄う夕




遠吠えに夜の水面は震えたり




ねこまんま夜食に野良の喧嘩す声




別れ道くねくねとゆき牛膝




松茸は探らぬ掟この土瓶




松ぼくり老いてながらひたくもなき




緊迫のあとのためいき金木犀




金木犀愛したことは嘘すべて




きつと泣く金木犀の匂ふ帰路 




袖を引く金木犀に独り言




かけっこがべべたの子にも金木犀




読みもせぬ洋書購ふ文化の日




柚餅や「ヨキモノ」侍る京の午後




酢橘ひとしずく大渦ごと恋に




七五三に微笑みの祇園の舞妓はん



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