後宮に入りましたが、旦那さんが来ないので恋人を探します

国湖奈津

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状況を整理しよう。

送ってもらう場合、5日後に私がアルラシード宮殿に到着。
今度こそスワイマン殿下が私が逃げたことを知るだろうけど、私が盾になればアクラムを守ることができるかもしれない。

迎えに来てもらう場合、私がここにいることを知られてから、迎えが来て私が帰るまでの10日間、私は身動きが取れない。

その間にアクラムが罰を受けるかも。
それに最初に連れ去られた時みたいに、怖い人が迎えに来るかも。
送ってもらった方がいいみたいね。

「カーン王子、申し訳ないのですが、私をアルラシード宮殿まで送ってもらえますか?」

私が王子を見ると、王子とジュメイラさんはニヤニヤしている。
なんだか嫌な予感。

「君がここに来た日に、アルラシード宮殿に向かう部下に手紙を持たせた。高速船で向かったから今頃君を迎えに来る部隊が出発しただろう」
カーン王子は言った。

終わった。
アクラム…アクラムごめんよ。



それから数日間、私はジュメイラさんとそれまでと同じように楽しく過ごしたはずなのに、胃が痛くて全然楽しめなかった。

ご飯も喉を通らない。
ジュメイラさんには妊娠を疑われ、医師を呼ばれそうになった。


数日考えて、私は良い案を見つけた。

それは、私がスワイマン殿下とその恋人を守るため盾になって協力する。
その代わりにアクラムを許してくれるよう交渉するというものだ。

もし交渉に応じなければ、私を隠れ蓑にして男性の愛人を作っていることを公表すると言うつもりだ。

愛と平和を愛する私としては、愛を人質に取るようなことは本当は言いたくない。
でもアクラムを助けるためだ。


ついに迎えが来たと報告が入った。
しかもスワイマン殿下本人が迎えに来たらしい。

一緒にいたジュメイラさんは恋愛脳全開なので、「会いたくて来ちゃったんだねぇ」なんてのんきに言っているけれど、私は血の気が引くのを感じた。

だめ、ポジティブに考えよう。
ご本人が来てるなら、すぐに交渉開始できるはず。

いいことだ!
私は自分に言い聞かせた。


ジュメイラさんは気を利かせて自分の部屋に帰り、私は部屋に一人、迎えが来るのを待っていた。

ジュメイラさんがいなくなってしまい、私の心臓はドックドックと大きな音を立てはじめた。

緊張が最高潮に達している。
相手は男の人だ。

ものすごく怒っていて、頭ごなしに怒鳴られたらどうしよう。怖い。

扉が開いて人が入ってきたときには、私はあまりの緊張で少しジャンプしてしまった。
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