魔法使いフウリン

烏帽子 博

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第四章

アンタって人は

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「君の血は、数多くの男と交わったことを告げている。
私は、そのリストに加わりたいとは思わないよ」

「なら、どうして?」

「脅して、使う」

「どうやって?」

すると、わたしは自分の手で、自分の首を絞めた。

「こうすることも出来るし、高い所から飛び降りるとか、魔獣の前に差し出すことも簡単だ」

手が緩められ、呼吸が出来るようになった。

「私に夜のお供の他に何の利用価値があるのかしら?」

「さぁ それはこれからのお楽しみだよ」

「あなたの目的はなに?この国の支配?」

「いや、支配者になるつもりは無い。今のままでいい。」

「吸血鬼を増やすの?」

「いや、そんなことしても私に得はない。」

「処女の生き血は?」

「美味そうだが、襲ってまで飲もうとは思わないよ」

「これからの目標とか無いの?楽しみは何?」

「共存共栄。今の暮らしが続いてくれればそれでいい」

「なによそれ?人間界を恐怖に落とし入れるとか、世界征服とか、悪者らしい目標設定無いの?」

「何故悪者に、私をしたがる。わたしが平和を望んではいけないのか。
姫が何の目的でこの国に来たのかは知らないが、この国の平和を脅かすのは許さないよ」

「えっ?私の方が悪者だって言うの?私はこの国をどうこうしようとは思ってないわよ」

「でも、貴女はまだまだ力を隠している」

「それはお互い様でしょう。
告白するわ、私はサキュバスよ。だから、あなたと寝たいの、それで全てが分かるから」

「そうか!それであの戦闘力か!すると私に支配されたのはフリか?」

「打ち破る事は出来たけど、敢えて従ってみたわ。」

「私も、打ち明けるよ。私は性交渉には、全く興味が無いのだ。だから、姫の希望には添えない。その代わり私の血をもう少し分けてあげるよ、それで納得してくれるかな。」

ドラクロワ伯爵は、ワイングラスの上でリストカットをした。

グラスに伯爵の血液が注がれる。

「こんなもんでいいかな?」

伯爵は血の入ったグラスを差し出してきた。

「君の方が魔力は強いようだ。これで、私の全てがわかるんだろう」

私は、グラスの血を一気に飲み干した。

胃の中に魔力を集めて、血を魔力として取り込んだ。

彼の記憶を見てみると、この国の成り立つ初めから、関わっている。
5代前の王と共に戦い、この国を築いた功労者だ、そして、何とビアンカとも出合っていた。
そして、やはり血を渡していた。
代々の王に使え、共に働き、時には王を諌めたりと、この国を守ってきている。

悪者どころか、この国の英雄じゃない。
吸血鬼=悪 と思ってはいけなかった。

「あなたが、悪い人じゃ無いのはわかったわ。
ごめんなさい。私も、この国やあなたに危害を与えるつもりはないわ。
この国に来たのは貴族の暮らしを少し味わいたかったただけよ。それと、ビアンカをご存知よね。私は彼女の娘です」

「サキュバスと聞いてもしやとは思ったが、やはりそうか。ビアンカは元気にしてるかい。
クロウに宿まで送らせるよ。私も、眠る時間だしな」

「ビアンカは、元気です。今もたくさんのボーイフレンドを渡り歩いてます。
あと、一つ聞いてもいいですか?」

「何なりとどうぞ」

「ベッドは棺桶のイメージなんですけど、どうなんですか?」

「アハハ そんな事か。棺桶は、真っ暗だから落ち着くんだよ。でも寝返りがうてないからな。部屋が真っ暗なら普通のベッドが私は好きだよ。
普通の部屋は何らかの薄明りが有るから、私の寝室は特別製だよ」

「へえー 寝るのにも苦労するんですね」

「まあ、サキュバスの苦労の方が大変な気がするがな」

「そうかも知れませんね。フフフ」
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