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はじまりのはじまり
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今日、八月三日は縒町の祭りの日。今日から三日間行われる。ここは都会ではなく、田舎でもない町なのでそこまで混雑はしていない。しかし、夜の花火大会だけはなぜか多くの人が河川敷に集まる。花火のどこがいいのか僕にはわからない。けど、綺麗なのは確かだ。
僕は友達三人とこの祭りに来ている。無理やり連行されたのである。屋台からは威勢のいい声が飛び交っている。
「いらっしゃいませ!」
「いらっしゃい!そこの兄ちゃん、一回引いてみないかい?」
「結構です」
くじなんてまず当たったことがない。それもそのはずだ。最初っから当たりなんて入っている訳がない。最近の祭りにはほとんど期待していない。小さい子がとても可愛そうに見えるのは僕だけだろうか?
「今日のメインイベントはお化け屋敷だな」
友達の一人、祐介が笑いながら言った。それに対して和之が不機嫌そうな様子で答えた。
「なんでメインイベントなの?毎年変わらないお化け屋敷じゃん」
「たしかにそうだ。でも、今年はグレードアップされて……」
祐介がとても楽しそうに話している。僕もこの話には興味があったので、どのようにグレードアップされたのか気になった。
「グレードアップ?お化けが本物とか?」
「まさか」
「翡翠、お前なんか知ってる?」
「グレードアップの内容?」
「そうそう」
「知らね。興味ない」
「一将はなんか知ってる?」
「僕も知らない」
「なんだみんなわからないのか?」
「知らないよ。そもそもそんな情報聞いてないし」
「俺も」
「仕方ない、教えてあげよう」
「さっさと言えよ」
「前置き長い」
僕は気になってしょうがなかったが、知らないほうが良かった。祐介の話を聞いてしばらく黙っていた。まさかと思った。
「すごいだろ?今年はやばいぞぉ」
「お前さ笑ってるけどさ、あそこがどんな場所かわかってんの?」
「さぁ?でもスリルは高いぞ」
祐介が言った今年のお化け屋敷は………。
「ブラッキーキルズ……」
僕は友達三人とこの祭りに来ている。無理やり連行されたのである。屋台からは威勢のいい声が飛び交っている。
「いらっしゃいませ!」
「いらっしゃい!そこの兄ちゃん、一回引いてみないかい?」
「結構です」
くじなんてまず当たったことがない。それもそのはずだ。最初っから当たりなんて入っている訳がない。最近の祭りにはほとんど期待していない。小さい子がとても可愛そうに見えるのは僕だけだろうか?
「今日のメインイベントはお化け屋敷だな」
友達の一人、祐介が笑いながら言った。それに対して和之が不機嫌そうな様子で答えた。
「なんでメインイベントなの?毎年変わらないお化け屋敷じゃん」
「たしかにそうだ。でも、今年はグレードアップされて……」
祐介がとても楽しそうに話している。僕もこの話には興味があったので、どのようにグレードアップされたのか気になった。
「グレードアップ?お化けが本物とか?」
「まさか」
「翡翠、お前なんか知ってる?」
「グレードアップの内容?」
「そうそう」
「知らね。興味ない」
「一将はなんか知ってる?」
「僕も知らない」
「なんだみんなわからないのか?」
「知らないよ。そもそもそんな情報聞いてないし」
「俺も」
「仕方ない、教えてあげよう」
「さっさと言えよ」
「前置き長い」
僕は気になってしょうがなかったが、知らないほうが良かった。祐介の話を聞いてしばらく黙っていた。まさかと思った。
「すごいだろ?今年はやばいぞぉ」
「お前さ笑ってるけどさ、あそこがどんな場所かわかってんの?」
「さぁ?でもスリルは高いぞ」
祐介が言った今年のお化け屋敷は………。
「ブラッキーキルズ……」
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