223 / 319
第二部 第三章
外伝 記憶読み取り装置 2
しおりを挟む
「そこまでです!」
入って来たのは昭弥の獣人秘書達だった。
「ご主人様への乱暴狼藉は許しません。直ちに解放しなさい」
「でないと痛い目に遭いますよ」
フィーネとティナが先頭を切って啖呵を切る。
いくら魔力が豊富でも、無詠唱では威力が落ちる。詠唱すればその隙に攻撃される。まして、この人数では取り押さえられてしまう。
しかも獣人は人間より身体能力が高い。
「あら、見上げた忠誠心ね」
しかし、ジャネットは悠然としていた。
「解放して上げても良いわよ」
「なら……」
「でも、本当に良いの」
「どういう意味だ!」
激昂する彼女達にジャネットは小声で話しかけた。そのため、昭弥には聞こえなかった。
話し終えると、彼女たちの目の色が変わった。
そのまま、無言で昭弥に近づくと、身体をすり寄せてきた。
「ご主人様、ジャネット様の実験にご協力下さい」
「大丈夫ですよ」
「これからのためにご協力を」
「って何でジャネットに協力するの!」
先ほどの態度とは打って変わって、ジャネットに協力する秘書達。
魔法にでもかけられたのか、何というかどす黒い邪悪な思念が瞳に宿っている。何かを吹き込まれたのか。
「頼む助けて!」
「大丈夫ですよ」
「すぐに良くなりますから」
「ジャネット様、何か必要なことは」
助けるどころか、何故か積極的に協力しようとしている。一体どんな魔法を使ったんだ。
「精神的に無防備になると記憶が取り出しやすいから、色々刺激してみて」
「具体的には?」
「ボディタッチ」
「喜んで」
「やめて!」
だが、昭弥が止めるのも聞かず、彼女たちは次々と接触して行く。
次々と身体を押しつけ、昭弥の身体を刺激して行く。その度に若いエネルギーがほとばしり、昭弥の理性が揺さぶられ、頭が真っ白になる。
「どうですか」
「お、吸い出しやすくなった。もっとやって」
「はーい」
「誰か助けて!」
昭弥が天に向かって、叫び助けを求めた。
願いが通じたのか、ドアが吹き飛ばされ新たな人物が入って来た。
「何をしているのです!」
入って来たのはユリアだった。
昭弥が王城内で消えたと聞いて自ら捜索していたのだ。
そして地下からの悲鳴を聞きつけて駆けつけてきたのだ。
「ああ、ユリアさん、助けて」
絶望的な状況の中、やって来た救いの手に昭弥は感謝した。心なしか、ユリアが輝いて見える。流石勇者の血を引くだけのことはある。
頼りない女王だと自嘲しているが、彼女は確かに人々を助けてくれる勇者だ。
昭弥は彼女が勇者であることに感謝した。
だが、次の瞬間、ユリアは青筋を立てて、昭弥を睨み付ける。
「ひっ」
あまりの剣幕に、まるで魔王を睨むかのようで、昭弥は少しチビってしまった。
そんな風に怒りながらユリアは昭弥を詰問した。
「何をしているのですか……」
「何って……誘拐されて捕まっているのですが」
「それの何処が!」
「何処がって……」
いきなり捕まってこの部屋に監禁され拘束されているのが、これまで昭弥の辿った経緯だ。
だが、今の状況はどうだ。
部屋の中で、拘束されて、複数の女性に身体をすり寄せられて喜んでいるようにしか、見えない。
単純にこの場を見ただけでは変態プレイをしているだけだ。
「……心配してきてみれば、そ、そんな、破廉恥なことを」
「違う!」
思いっきり否定した。
そんな性癖でもないし、嬉しくも無い。誤解が残ったまま殺されるのは厭、そもそも殺されるのが厭なので助命を懇願した。
「問答無用!」
だが、昭弥の願いをユリアは聞き入れなかった。
大剣を頭上に振りかぶって大技を繰り出そうとしている。
一撃で全てを滅ぼすために。
「お待ち下さい陛下」
だが、それを止めたのは、ジャネットだった。
彼女はユリアの前に出て説得を始めた。
「これは故あってのことです」
「ジャネット、あなたなのね。何でこんなことをしたの」
「国と魔法の発展の為に」
「魔法の発展の為でしょう! どうして昭弥をあんなことにするの」
「は、ご説明いたしましょう」
そしてジャネットはユリアに小声で話した。
説明が終わった時、ユリアの表情と目つきが変わった。
ユリアの瞳には秘書達と同じようにどす黒い邪悪な思念が宿っていた。
ユリアはそのまま昭弥に近づくと、身体に跨がり顔を近づけて甘い声で囁いた。
「大丈夫よ昭弥。これは素晴らしい実験なのよ」
「なんでジャネットに付いたんですか!」
思わぬ豹変に昭弥は再び狼狽し叫ぶ。
「呪いでもかけられたんですか! 勇者の力で防御できないんですか! 勇者が悪に屈して良いんですか」
「酷い言われようだな」
ジャネットは呟いたが、直ぐに装置の操作に戻り追求しなかった。
実験は順調に進んでいるのだから、悪口など取るに足らないことだ。
しかも、この上ない協力者も現れたのだから文句など無い。
彼女たちのお陰で記憶が吸い出しやすくなり、万々歳だ。
ちなみにジャネットは彼女たちに魔法も呪いもかけていない。
ただ一言言っただけだ。
昭弥の全ての記憶を吸い出せば、誰に好意を持っているか分かる。それどころか、趣味嗜好が分かり、好意を得やすくなる。協力してくれれば記憶の一部を提供する。
それで彼女たちは、協力しているのだ。
昭弥の好みを知り、好意を得るために。そのために、ジャネットに協力する事にしたのだ。
彼女たちの協力と強力な接触のために昭弥の頭の中の情報がドンドン吸い出されて、記憶結晶に蓄積され行く。
「あ、今のプレイ。快感だったみたいですよ。もう少しやってあげて下さい」
「はーい」
「ぐはっ」
時折煽るのも忘れない。
暫く吸い出しは順調に進んでいたが、やがて吸い出せなくなってきた。
「強固に思い出そうとしない部分がありますね」
「もっと刺激しましょうか」
「やめて!」
昭弥の叫びも虚しく、
彼女たちは接触をやめない。だが、それでも昭弥は思い出そうとしない。
「あー、これは結構多いんですよね。強固に防御する記憶の奥。重要な秘密とか持っていると頑として思い出そうとしない部分があるんです」
何人もの被験者を相手にしてきたジャネットが説明する。
「無理にやるのはどうかと」
大人しいティナが穏健な意見を言うが
「好みの嗜好とか好きな事を隠していることが多いのよね、こういう部分に」
「どうすれば見られるの良いの?」
直ぐに撤回して思い出させようとする。
「一寸魔法圧力かけて強引にこじ開けますか」
「や、やめろ!」
強く昭弥が止めようとしたが、ジャネットは強引に装置の圧力を高めてこじ開けた。
「あああああああああ」
断末魔の悲鳴を上げた直後、昭弥から前進の力が抜けてガタガタと震えだした。
「昭弥?」
様子がおかしいことにユリアが気が付いて話しかけるが、昭弥はの瞳は焦点が合わず、瞳孔も収縮したままだ。
「昭弥!」
「あああ」
声を掛けられたが返事が無い。それどころか、拘束を解こうともがいている。
あまりの異常事態に昭弥の身を案じたユリアは彼の拘束を力任せに引き千切り、解放した。
「うわあああ」
拘束が外れると、昭弥は装置から降りて部屋の片隅に縮こまって震えている。
「どういう事……」
「ああ、やっぱりこうなったか」
ジャネットはやっぱりな、という表情で答えた。
「……どういう事です?」
「強固な記憶、奥深い記憶を引き出すとこうなることがあったんですよ。どうも思い出したくない記憶みたいで。取り出すと発狂したり、こんな風に怯えてしまうんですよね。中には、自殺した奴も。まあ、目的である記憶を取り出せるので良いんですけ、どっ」
言い終える前にジャネットはユリアの鉄拳を喰らい壁に叩き付けられ、ボロ雑巾となった。続いて秘書達が次々と暴力をふるっていった。
入って来たのは昭弥の獣人秘書達だった。
「ご主人様への乱暴狼藉は許しません。直ちに解放しなさい」
「でないと痛い目に遭いますよ」
フィーネとティナが先頭を切って啖呵を切る。
いくら魔力が豊富でも、無詠唱では威力が落ちる。詠唱すればその隙に攻撃される。まして、この人数では取り押さえられてしまう。
しかも獣人は人間より身体能力が高い。
「あら、見上げた忠誠心ね」
しかし、ジャネットは悠然としていた。
「解放して上げても良いわよ」
「なら……」
「でも、本当に良いの」
「どういう意味だ!」
激昂する彼女達にジャネットは小声で話しかけた。そのため、昭弥には聞こえなかった。
話し終えると、彼女たちの目の色が変わった。
そのまま、無言で昭弥に近づくと、身体をすり寄せてきた。
「ご主人様、ジャネット様の実験にご協力下さい」
「大丈夫ですよ」
「これからのためにご協力を」
「って何でジャネットに協力するの!」
先ほどの態度とは打って変わって、ジャネットに協力する秘書達。
魔法にでもかけられたのか、何というかどす黒い邪悪な思念が瞳に宿っている。何かを吹き込まれたのか。
「頼む助けて!」
「大丈夫ですよ」
「すぐに良くなりますから」
「ジャネット様、何か必要なことは」
助けるどころか、何故か積極的に協力しようとしている。一体どんな魔法を使ったんだ。
「精神的に無防備になると記憶が取り出しやすいから、色々刺激してみて」
「具体的には?」
「ボディタッチ」
「喜んで」
「やめて!」
だが、昭弥が止めるのも聞かず、彼女たちは次々と接触して行く。
次々と身体を押しつけ、昭弥の身体を刺激して行く。その度に若いエネルギーがほとばしり、昭弥の理性が揺さぶられ、頭が真っ白になる。
「どうですか」
「お、吸い出しやすくなった。もっとやって」
「はーい」
「誰か助けて!」
昭弥が天に向かって、叫び助けを求めた。
願いが通じたのか、ドアが吹き飛ばされ新たな人物が入って来た。
「何をしているのです!」
入って来たのはユリアだった。
昭弥が王城内で消えたと聞いて自ら捜索していたのだ。
そして地下からの悲鳴を聞きつけて駆けつけてきたのだ。
「ああ、ユリアさん、助けて」
絶望的な状況の中、やって来た救いの手に昭弥は感謝した。心なしか、ユリアが輝いて見える。流石勇者の血を引くだけのことはある。
頼りない女王だと自嘲しているが、彼女は確かに人々を助けてくれる勇者だ。
昭弥は彼女が勇者であることに感謝した。
だが、次の瞬間、ユリアは青筋を立てて、昭弥を睨み付ける。
「ひっ」
あまりの剣幕に、まるで魔王を睨むかのようで、昭弥は少しチビってしまった。
そんな風に怒りながらユリアは昭弥を詰問した。
「何をしているのですか……」
「何って……誘拐されて捕まっているのですが」
「それの何処が!」
「何処がって……」
いきなり捕まってこの部屋に監禁され拘束されているのが、これまで昭弥の辿った経緯だ。
だが、今の状況はどうだ。
部屋の中で、拘束されて、複数の女性に身体をすり寄せられて喜んでいるようにしか、見えない。
単純にこの場を見ただけでは変態プレイをしているだけだ。
「……心配してきてみれば、そ、そんな、破廉恥なことを」
「違う!」
思いっきり否定した。
そんな性癖でもないし、嬉しくも無い。誤解が残ったまま殺されるのは厭、そもそも殺されるのが厭なので助命を懇願した。
「問答無用!」
だが、昭弥の願いをユリアは聞き入れなかった。
大剣を頭上に振りかぶって大技を繰り出そうとしている。
一撃で全てを滅ぼすために。
「お待ち下さい陛下」
だが、それを止めたのは、ジャネットだった。
彼女はユリアの前に出て説得を始めた。
「これは故あってのことです」
「ジャネット、あなたなのね。何でこんなことをしたの」
「国と魔法の発展の為に」
「魔法の発展の為でしょう! どうして昭弥をあんなことにするの」
「は、ご説明いたしましょう」
そしてジャネットはユリアに小声で話した。
説明が終わった時、ユリアの表情と目つきが変わった。
ユリアの瞳には秘書達と同じようにどす黒い邪悪な思念が宿っていた。
ユリアはそのまま昭弥に近づくと、身体に跨がり顔を近づけて甘い声で囁いた。
「大丈夫よ昭弥。これは素晴らしい実験なのよ」
「なんでジャネットに付いたんですか!」
思わぬ豹変に昭弥は再び狼狽し叫ぶ。
「呪いでもかけられたんですか! 勇者の力で防御できないんですか! 勇者が悪に屈して良いんですか」
「酷い言われようだな」
ジャネットは呟いたが、直ぐに装置の操作に戻り追求しなかった。
実験は順調に進んでいるのだから、悪口など取るに足らないことだ。
しかも、この上ない協力者も現れたのだから文句など無い。
彼女たちのお陰で記憶が吸い出しやすくなり、万々歳だ。
ちなみにジャネットは彼女たちに魔法も呪いもかけていない。
ただ一言言っただけだ。
昭弥の全ての記憶を吸い出せば、誰に好意を持っているか分かる。それどころか、趣味嗜好が分かり、好意を得やすくなる。協力してくれれば記憶の一部を提供する。
それで彼女たちは、協力しているのだ。
昭弥の好みを知り、好意を得るために。そのために、ジャネットに協力する事にしたのだ。
彼女たちの協力と強力な接触のために昭弥の頭の中の情報がドンドン吸い出されて、記憶結晶に蓄積され行く。
「あ、今のプレイ。快感だったみたいですよ。もう少しやってあげて下さい」
「はーい」
「ぐはっ」
時折煽るのも忘れない。
暫く吸い出しは順調に進んでいたが、やがて吸い出せなくなってきた。
「強固に思い出そうとしない部分がありますね」
「もっと刺激しましょうか」
「やめて!」
昭弥の叫びも虚しく、
彼女たちは接触をやめない。だが、それでも昭弥は思い出そうとしない。
「あー、これは結構多いんですよね。強固に防御する記憶の奥。重要な秘密とか持っていると頑として思い出そうとしない部分があるんです」
何人もの被験者を相手にしてきたジャネットが説明する。
「無理にやるのはどうかと」
大人しいティナが穏健な意見を言うが
「好みの嗜好とか好きな事を隠していることが多いのよね、こういう部分に」
「どうすれば見られるの良いの?」
直ぐに撤回して思い出させようとする。
「一寸魔法圧力かけて強引にこじ開けますか」
「や、やめろ!」
強く昭弥が止めようとしたが、ジャネットは強引に装置の圧力を高めてこじ開けた。
「あああああああああ」
断末魔の悲鳴を上げた直後、昭弥から前進の力が抜けてガタガタと震えだした。
「昭弥?」
様子がおかしいことにユリアが気が付いて話しかけるが、昭弥はの瞳は焦点が合わず、瞳孔も収縮したままだ。
「昭弥!」
「あああ」
声を掛けられたが返事が無い。それどころか、拘束を解こうともがいている。
あまりの異常事態に昭弥の身を案じたユリアは彼の拘束を力任せに引き千切り、解放した。
「うわあああ」
拘束が外れると、昭弥は装置から降りて部屋の片隅に縮こまって震えている。
「どういう事……」
「ああ、やっぱりこうなったか」
ジャネットはやっぱりな、という表情で答えた。
「……どういう事です?」
「強固な記憶、奥深い記憶を引き出すとこうなることがあったんですよ。どうも思い出したくない記憶みたいで。取り出すと発狂したり、こんな風に怯えてしまうんですよね。中には、自殺した奴も。まあ、目的である記憶を取り出せるので良いんですけ、どっ」
言い終える前にジャネットはユリアの鉄拳を喰らい壁に叩き付けられ、ボロ雑巾となった。続いて秘書達が次々と暴力をふるっていった。
0
あなたにおすすめの小説
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
12/23 HOT男性向け1位
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
大和型戦艦、異世界に転移する。
焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。
※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。
【完結】おじいちゃんは元勇者
三園 七詩
ファンタジー
元勇者のおじいさんに拾われた子供の話…
親に捨てられ、周りからも見放され生きる事をあきらめた子供の前に国から追放された元勇者のおじいさんが現れる。
エイトを息子のように可愛がり…いつしか子供は強くなり過ぎてしまっていた…
家庭菜園物語
コンビニ
ファンタジー
お人好しで動物好きな最上悠は肉親であった祖父が亡くなり、最後の家族であり姉のような存在でもある黒猫の杏も、寿命から静かに息を引き取ろうとする。
「助けたいなら異世界に来てくれない」と少し残念な神様と出会う。
転移先では半ば強引に、死にかけていた犬を助けたことで、能力を失いそのひっそりとスローライフを送ることになってしまうが
迷い込んだ、訪問者次々とやってきて異世界で新しい家族や友人を作り、本人としてはほのぼのと家庭菜園を営んでいるが、小さな畑が世界には大きな影響を与えることになっていく。
異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?
お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。
飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい?
自重して目立たないようにする?
無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ!
お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は?
主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。
(実践出来るかどうかは別だけど)
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる