性転換が日常の社会

廣瀬純七

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サイドストーリー 拓也の浮気

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**欲望の果てに
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「これで手術は完了です。無事にお二人の下半身は交換されましたので、何か異常があればすぐにご連絡ください。」  
医者が淡々と告げた言葉を聞きながら、沙織と拓也は手術台から立ち上がった。

「いやぁ、変な感じだな…本当にこれで俺たちの下半身、入れ替わったのか?」  
拓也は少し興奮気味に自分の下半身を触り、沙織の体を持ったその感覚を確認していた。

「うん、なんだか不思議ね。でも、これで浮気なんかの心配も減るし、二人の絆も深まるってことだよね。」  
沙織は笑いながら答えた。この「交換」には、お互いの体を体感することで浮気を防ぎ、信頼を深める目的があった。

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交換後の生活は新鮮だった。沙織は男性の下半身を持つことで、日常の動作が違って感じられ、逆に拓也は女性としての感覚に驚きを隠せなかった。二人の間には、今まで以上にお互いを理解しようとする気持ちが生まれていたように思えた。

しかし、拓也の心には次第に新しい感情が芽生え始めていた。沙織の女性の体を持つことで、彼は今まで経験したことのない感覚に取り憑かれたのだ。元々彼は、男としての自分を強く意識してきたが、沙織の体を通じて新しい視点や感情を知ることができた。それは単なる好奇心を超え、次第に抑えきれない欲望へと変わっていった。

そんなある日、拓也は男友達の健一(けんいち)と久しぶりに会うことになった。二人は高校時代からの親友で、気心が知れていた。居酒屋で飲みながら昔話をしているうちに、健一がふと拓也の手術について興味を示した。

「でさ、実際どうなんだよ、その『交換』ってやつ。気持ち的にもなんか変わるのか?」  
健一は少し酔った勢いもあって、好奇心丸出しで尋ねてきた。

拓也は一瞬戸惑ったが、笑いながら答えた。「まぁ、変な感じだよな。俺が沙織の体を持ってるなんて。でも、色々新しいことを体験できるってのは正直面白いよ。」

「そりゃそうだろうな。お前が今、女の体持ってるってことだろ?それって…どうなんだ、興味湧かないか?」  
健一の言葉は冗談めかしていたが、その中には少しだけ挑発的な響きが含まれていた。

拓也は笑いながらも、心の中で何かが反応するのを感じた。彼は、今の自分が女性の体を持っていることを意識し始めた。そして、その体で健一といることに妙な興奮を覚えた。酔いも手伝って、抑え込んでいた欲望が表面に浮かび上がってきた。

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飲み会の後、拓也と健一はそのまま健一のアパートに行くことになった。拓也は少し酔いが回っており、軽い気持ちで健一に付いていった。部屋に入ると、二人はソファに腰掛け、また昔の話を続けたが、次第に話の内容は親密さを増していった。

「なぁ、拓也。今のお前って、沙織の体を持ってるんだよな?」  
健一が再び、核心を突くように言った。

拓也は笑って答えた。「そうだな。今、俺は沙織の体だ。」

「じゃあさ…試してみたくないか?」  
健一の言葉は冗談のようにも聞こえたが、その視線は真剣だった。

拓也は一瞬言葉を失ったが、心の中で何かが強く引っ張られるのを感じた。この体で、今までにない体験をしてみたいという欲望が、抑えきれないほどに膨れ上がっていた。

「…健一、お前はどう思う?」  
拓也は小さな声で問いかけた。

「正直、興味あるよ。お前も、そうなんだろ?」  
その瞬間、二人の間には言葉にできない共感が生まれた。

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互いに触れ合うことで、拓也はこれまで感じたことのない感覚に包まれた。沙織の体を持つことで、女性としての快感がどのようなものかを実感し、その新しい感覚に溺れていった。健一もまた、今目の前にいるのは女性の体を持った親友という奇妙な状況に興奮を覚えていた。

二人はその夜、理性の枠を超えて肉体の欲望に従った。健一との関係は、今の拓也にとって避けられない衝動だった。彼はその瞬間、自分が完全に沙織の体に飲み込まれていることを感じた。

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翌朝、拓也は健一の隣で目を覚ました。昨夜の出来事が現実だったことに気づき、胸がざわついた。沙織への罪悪感が一気に押し寄せ、頭を抱えた。彼は自分が何をしてしまったのか理解し、どう沙織に向き合えばいいのか分からなくなった。

しかし、何よりも彼を混乱させたのは、自分が女性としての体験を欲していたという事実だった。それは単なる浮気や衝動ではなく、彼の内面から湧き上がる新しい欲望だったのかもしれない。

「どうしよう…俺は、どうしてしまったんだ…」  
拓也はベッドの中で自問自答しながら、目の前に広がる新たな現実に向き合うしかなかった。沙織との関係、そして自分自身の内面との葛藤は、これからさらに深まっていくことだろう。
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