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女子の露天風呂
しおりを挟む演劇サークルの夏合宿初日、青い海と広がる空を前に、咲良(達也の体)と達也(咲良の体)は目を輝かせていた。サークルのメンバーたちは早速水着に着替え、砂浜でバレーボールをしたり、海に飛び込んだりと大はしゃぎ。
咲良は達也に向かって手を振りながら叫んだ。
「達也! 波乗りに挑戦してみようよ!」
達也は浮き輪を抱えたまま、少し不安げに返事をする。
「おい、無理だって! 女の体でそんなことしたら危ないだろ!」
「大丈夫だよ、泳げるんだから! それに私の体なんだから怪我しないよう気をつけてよね!」
咲良に引っ張られ、達也は半ば強制的にサーフボードに挑戦することに。最初はバランスを崩して何度も海に落ちたが、徐々にコツを掴んで波に乗る姿は、周囲から歓声が上がるほどだった。
一方で、咲良は達也の体を活かしてメンバーと一緒にビーチフラッグに挑戦。力強いスプリントで何度も勝利を収め、男子メンバーから称賛の嵐を浴びていた。
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### 合宿の夜、女子だけの温泉タイム
海で遊び疲れた後は、合宿先の温泉旅館でリラックスする時間が訪れた。その日のスケジュールには「女子だけの露天風呂タイム」が設けられていた。
咲良の体の達也は、女子メンバーに誘われて一緒に露天風呂へ向かうことに。タオルで体を隠しつつ、おそるおそる脱衣所に入ると、周りの女子たちがすでに楽しそうにおしゃべりをしていた。
「彼氏の達也くん、今日は本当にすごかったね! ビーチフラッグの勝ちっぷり、カッコよかったよ!」
突然の褒め言葉に、達也は照れくさそうに笑う。
「あ、ああ、そうだね。」
一方で、咲良(達也の体)は男子風呂で同じく注目を浴びていたものの、特に問題なくやり過ごしていたがサークルの男子の裸を目の当たりにした咲良は非常に困惑していた。
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### 露天風呂での女子会
露天風呂に入ると、海の近くの温泉らしく、塩の香りが漂い、目の前には夜空に輝く星々が広がっていた。女子たちは肩まで湯に浸かりながらリラックスしていたが、すぐにおしゃべりの場が盛り上がり始めた。
「ところで咲良、水着すっごく似合ってたよ! どこで買ったの?」
「え? あ、これは…その…」
「絶対男子メンバーもドキドキしてたって!」
女子たちの視線が集まり、達也は咲良の体の中で冷や汗をかきながら言葉を濁した。
「いや、その…達也が選んでくれたんだよね…。」
「達也くんセンスいいがいいんだね! でも、最近咲良、女子力上がってない?」
「そうそう、肌もきれいだし、なんか仕草も可愛くなった気がする!」
「そ、そうかな…?」
達也は心の中で叫んでいた。
(これ、俺の努力じゃないんだけど! 完全に咲良のおかげだろ!)
女子たちの笑い声に包まれながらも、達也はなんとかその場をやり過ごした。
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### 温泉を後にして
露天風呂から戻った達也は、咲良と顔を合わせた。咲良は笑いながら聞いた。
「どうだった? 女の子同士の風呂って楽しいでしょ?」
「いや、楽しむ余裕なんてなかったよ!」
達也は不満を漏らしつつも、どこか疲れた様子で布団に倒れ込んだ。
咲良はそんな達也の顔を見て、満足そうに笑みを浮かべると、静かに言った。
「でもさ、こうして一緒に何かを共有するって、やっぱり悪くないよね。」
達也はふと笑い返し、言葉を返す。
「まあな。けど、次はもう少し普通の状況で頼むよ…。」
こうして、体が入れ替わったままの二人の奇妙で賑やかな合宿は続いていくのだった――。
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