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大盛況の舞台
しおりを挟むいよいよ芝居の本番当日。大学のホールは開演前から人で溢れかえり、立ち見が出るほどの大盛況だった。観客席には家族や友人、先輩後輩、そして演劇サークルのOG・OBたちも駆けつけていた。会場は期待と興奮でざわめいている。
舞台袖ではサークルのメンバーたちが円陣を組んで士気を高めていた。咲良(達也の体)は深呼吸をしてから、力強い声で言った。
「みんな! これまでの練習の成果を全部出し切ろう! 私たちなら絶対成功するから!」
達也(咲良の体)も微笑みながら続けた。
「うん、大丈夫だよ。私たちの芝居なら、絶対観客を引き込めるから。楽しもう!」
円陣が解かれると、それぞれが持ち場へと散っていく。舞台に立つ役者、音響、照明、裏方――全員の心が一つになった瞬間だった。
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### 開幕――体が入れ替わる物語の始まり
幕が上がり、物語が始まった。今回の芝居のテーマは「体が入れ替わった男女の大学生活」。達也と咲良が演じる主人公たちは、ある日突然入れ替わり、互いの生活に四苦八苦しながらも成長していく様子を描く。
咲良(達也の体)は、女性らしい仕草や表情を細かく演じながら、観客の笑いを誘った。
「ちょ、なんでこんな服着てるんだ!? 女子トイレってどっち!?」
一方、達也(咲良の体)は繊細な感情表現で観客の心を掴んだ。
「こんな生活、いつまで続くの? 本当の自分って、何なんだろう…。」
劇中、二人の演技は息がぴったりで、台詞の掛け合いもスムーズそのもの。観客は笑い、涙し、物語に引き込まれていった。
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### クライマックスと拍手喝采
物語のクライマックス、主人公たちが体の入れ替わりを受け入れ、それぞれの立場を理解し合うシーンでは、劇場全体が静まり返った。咲良の体を演じる達也が涙を流しながら語る台詞に、客席からすすり泣きが聞こえる。
「私は、君の気持ちを知らなかった。君がどれだけ頑張ってきたか、どれだけ苦しかったか。でも、今ならわかる。私たちの違いが、私たちを支え合う力になるんだ…!」
そして、感動的なエンディングを迎えた瞬間、観客からは割れるような拍手が起こった。照明が暗くなると同時にスタンディングオベーションが起こり、役者もスタッフも感激で胸をいっぱいにした。
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### 打ち上げでの祝福
本番が終わり、サークルメンバーたちは控室に戻ると、歓声を上げて抱き合った。
「やったね! 大成功だったよ!」
「みんな最高だった! 特に咲良と達也、息ぴったりで本当に素晴らしかった!」
咲良(達也の体)は照れくさそうに笑いながら言った。
「みんなのおかげだよ。裏方も含めて全員が一丸となった結果だね。」
達也(咲良の体)も満面の笑みで続けた。
「本当にありがとう! こんなに楽しい舞台は初めてだったよ!」
その後、サークル恒例の打ち上げでは、みんなで美味しい料理とお酒を楽しみながら、芝居の成功を祝った。仲間たちと笑い合いながら、咲良と達也はふと視線を交わした。
「ねえ、やっぱり入れ替わりの経験、無駄じゃなかったね。」
「うん。この体験があったから、あの舞台を作れたんだ。」
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### 終わりと新たな始まり
芝居が終わった後も、サークルの仲間たちの絆はさらに深まった。そして、咲良と達也の体験は、彼らの心に大切な思い出として刻まれることになる。
「次はどんな芝居に挑戦しようか?」
「うーん、今度はもっと変な設定のやつとか?」
笑い合いながら歩く二人の後ろ姿は、どこか晴れやかで、次の物語の幕が上がる予感を漂わせていた――。
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