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デートの夜、伝えた想い
しおりを挟む週末のデート。
結衣は待ち合わせ場所の公園に向かいながら、少し緊張していた。
(今日こそ……ちゃんと自分の気持ちを話さなきゃ。)
玲奈に背中を押され、決心はついたものの、いざ本人を前にすると、うまく言葉が出てくるか不安だった。
そんなことを考えているうちに、健一の姿が見えた。
「結衣!」
健一は爽やかな笑顔で手を振る。
「待った?」
「ううん、今来たところ。」
並んで歩き始めると、健一がさりげなく結衣の手を取った。
手の温もりが伝わり、心臓がドキドキする。
今日はショッピングをして、美味しいカフェでランチを食べて、夜はイルミネーションを見に行った。
とても楽しくて、気がつけば時間があっという間に過ぎていた。
夜の公園、ベンチに座りながら、結衣はふと空を見上げた。
澄んだ夜空には、たくさんの星が瞬いている。
「……綺麗。」
「うん、すごく綺麗だな。」
健一も同じように夜空を見上げながら微笑んでいる。
結衣は、ゆっくりと深呼吸をした。
(今なら言える……。)
「ねえ、健一……。」
「ん?」
「私……まだ、この世界に残るかどうか迷ってるの。」
健一は少し驚いた顔をしたが、すぐに真剣な表情になった。
「……そっか。」
「玲奈さんに言われたの。**一番大切なのは、私が幸せになることだ**って。でも、正直まだ自分の気持ちが整理できなくて……。」
結衣は健一の顔を見つめた。
「私、健一のことが好き。でも、リアルの私は男で……このままこの世界で生きていくのが正解なのか、わからないの。」
健一は黙って結衣の手を握り直した。
「結衣……無理に答えを出さなくていいよ。」
「え……?」
「俺は結衣が好きだ。でも、結衣が本当に幸せになれる道を選んでほしい。だから、悩んでいいし、迷ってもいい。」
結衣の目がじんわりと熱くなった。
「俺は、どんな結衣でも大切にするから。結衣が選ぶ未来が、どんなものでも――俺は一緒にいたい。」
温かい言葉が、胸にじんと染みた。
(この人となら……どんな選択をしても大丈夫かもしれない。)
結衣は、そっと健一に微笑みかけた。
「ありがとう……健一。」
夜風がそっと二人を包み込み、イルミネーションの光が優しく揺れていた。
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