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帰り道で
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夜の街は静かに息を潜め、二人の大学生、直人と紗栄子がバイト先からの帰り道を歩いていた。いつものように他愛ない話を交わしながら、家まであと数分というところまで来たときだった。
「ねえ、あれ見て!」紗栄子が空を指差すと、直人も驚きの表情で空を見上げた。夜空に光り輝く不思議な物体が浮かんでいた。ぐるりと緑色の輪郭を持つそれは、確かにUFOとしか言いようのない姿をしていた。
「何だこれ…嘘だろ?」直人が声を震わせる。しかし、その瞬間、二人の体に電流が走るような感覚が襲い、一瞬にして視界が真っ白になった。
気がつくと、直人は見知らぬ体の中にいることを理解した。肩越しに見える髪の毛が妙に長く、指も細くて、自分のものではない感覚が手を覆っている。
「ちょ、ちょっと待って…これって…紗栄子の体…?」一瞬で冷や汗が出た。その一方で、向かいに立っている紗栄子も、目を見開いて直人を見つめている。
「え…もしかして私、直人の体に…?」紗栄子も混乱した表情を浮かべている。
と、その時、二人の耳元で電子音が響き、同時に淡い光のホログラムが現れた。
「君たち、よく見つけたね。こちら、惑星ゼリウス星人観測本部。これは君たちに課した実験である。1年間、お互いの生活を経験しつつ、我々にその経過を報告するように。毎日のレポートは欠かさないようにね。さらば!」
言葉の意味を理解する間もなく、ホログラムは消え、二人はその場に立ち尽くした。
「レポートって…毎日!?しかも、1年間…?」
直人と紗栄子はその場に立ち尽くし、お互いを見つめ合った。身体が入れ替わったという非現実的な感覚に、まだ脳がついていけない。
「な、なんだよこれ…」直人が震える声でつぶやく。自分のものとは思えない高い声が耳に入って、彼の混乱はさらに深まった。
「直人、私…本当に君の体の中にいるの…?」紗栄子も声を震わせて、ぎこちなく自分の手を見つめる。見慣れた自分の顔が自分に向かって驚きの表情を浮かべているのは、違和感を通り越して奇妙な現実感があった。
しばらく呆然と立っていた二人だったが、ふと「毎日レポートを提出すること」という謎の指示を思い出した。ゼリウス星人観測本部…?そんなもの、今まで聞いたこともない。
「ねえ、どうするの…?これってどういうことなの?毎日、何を報告しろっていうの?」紗栄子が不安げに尋ねた。
直人はしばらく考え込んだが、どう答えていいのかわからなかった。だが、何もせずにいるわけにもいかない。
「とにかく、今日の出来事を記録するしかないんじゃないか?なんて書けばいいかはわからないけど、宇宙人とか言ってたし、変なことが起こったってことだけでも報告してみようか」
二人は何もかもが手探りの状態で、その夜、自宅に戻ると早速「レポート」を書くことにした。日記アプリを開き、それぞれ「自分じゃない体」の日常を記録するように、今日の出来事を書き始めた。
---
**第一日目:直人のレポート**
> 今日、突然謎のUFOに遭遇し、なぜか紗栄子と体が入れ替わった。自分の姿が鏡に映っていないのに、自分の声も体の感覚もなくて戸惑っている。これが一時的なものなのか、それとも本当に一年間続くのか…正直言って信じられない。紗栄子も同じように混乱しているようだ。
---
**第一日目:紗栄子のレポート**
> 今日、直人と一緒にバイト帰りにUFOを目撃。そこから記憶がはっきりしないけど、目が覚めたらなぜか直人の体の中にいた。宇宙人が「レポートを毎日提出しろ」と言ったけど、何を書けばいいのかもわからないし、なぜこんなことが起きたのかも全くわからない。直人と一緒にとりあえず今日のことを書き残しておくことにした。
---
翌朝、目覚めた直人は、目の前に見覚えのない部屋の天井が広がっていることに気づいて、すべてが夢であればいいのにと願った。だが、鏡を見れば見慣れない自分の姿が映っている。「やっぱり現実なのか…」彼は深いため息をつき、今日もレポートを書き続ける覚悟を決めた。
一方、紗栄子も同じように、見知らぬ生活を体験する一日を迎えることになった。二人は互いの生活を体験しつつ、異星人たちの観察対象としての生活を送りながら、1年の長い「レポート提出」生活を始めるのであった。
「ねえ、あれ見て!」紗栄子が空を指差すと、直人も驚きの表情で空を見上げた。夜空に光り輝く不思議な物体が浮かんでいた。ぐるりと緑色の輪郭を持つそれは、確かにUFOとしか言いようのない姿をしていた。
「何だこれ…嘘だろ?」直人が声を震わせる。しかし、その瞬間、二人の体に電流が走るような感覚が襲い、一瞬にして視界が真っ白になった。
気がつくと、直人は見知らぬ体の中にいることを理解した。肩越しに見える髪の毛が妙に長く、指も細くて、自分のものではない感覚が手を覆っている。
「ちょ、ちょっと待って…これって…紗栄子の体…?」一瞬で冷や汗が出た。その一方で、向かいに立っている紗栄子も、目を見開いて直人を見つめている。
「え…もしかして私、直人の体に…?」紗栄子も混乱した表情を浮かべている。
と、その時、二人の耳元で電子音が響き、同時に淡い光のホログラムが現れた。
「君たち、よく見つけたね。こちら、惑星ゼリウス星人観測本部。これは君たちに課した実験である。1年間、お互いの生活を経験しつつ、我々にその経過を報告するように。毎日のレポートは欠かさないようにね。さらば!」
言葉の意味を理解する間もなく、ホログラムは消え、二人はその場に立ち尽くした。
「レポートって…毎日!?しかも、1年間…?」
直人と紗栄子はその場に立ち尽くし、お互いを見つめ合った。身体が入れ替わったという非現実的な感覚に、まだ脳がついていけない。
「な、なんだよこれ…」直人が震える声でつぶやく。自分のものとは思えない高い声が耳に入って、彼の混乱はさらに深まった。
「直人、私…本当に君の体の中にいるの…?」紗栄子も声を震わせて、ぎこちなく自分の手を見つめる。見慣れた自分の顔が自分に向かって驚きの表情を浮かべているのは、違和感を通り越して奇妙な現実感があった。
しばらく呆然と立っていた二人だったが、ふと「毎日レポートを提出すること」という謎の指示を思い出した。ゼリウス星人観測本部…?そんなもの、今まで聞いたこともない。
「ねえ、どうするの…?これってどういうことなの?毎日、何を報告しろっていうの?」紗栄子が不安げに尋ねた。
直人はしばらく考え込んだが、どう答えていいのかわからなかった。だが、何もせずにいるわけにもいかない。
「とにかく、今日の出来事を記録するしかないんじゃないか?なんて書けばいいかはわからないけど、宇宙人とか言ってたし、変なことが起こったってことだけでも報告してみようか」
二人は何もかもが手探りの状態で、その夜、自宅に戻ると早速「レポート」を書くことにした。日記アプリを開き、それぞれ「自分じゃない体」の日常を記録するように、今日の出来事を書き始めた。
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**第一日目:直人のレポート**
> 今日、突然謎のUFOに遭遇し、なぜか紗栄子と体が入れ替わった。自分の姿が鏡に映っていないのに、自分の声も体の感覚もなくて戸惑っている。これが一時的なものなのか、それとも本当に一年間続くのか…正直言って信じられない。紗栄子も同じように混乱しているようだ。
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**第一日目:紗栄子のレポート**
> 今日、直人と一緒にバイト帰りにUFOを目撃。そこから記憶がはっきりしないけど、目が覚めたらなぜか直人の体の中にいた。宇宙人が「レポートを毎日提出しろ」と言ったけど、何を書けばいいのかもわからないし、なぜこんなことが起きたのかも全くわからない。直人と一緒にとりあえず今日のことを書き残しておくことにした。
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翌朝、目覚めた直人は、目の前に見覚えのない部屋の天井が広がっていることに気づいて、すべてが夢であればいいのにと願った。だが、鏡を見れば見慣れない自分の姿が映っている。「やっぱり現実なのか…」彼は深いため息をつき、今日もレポートを書き続ける覚悟を決めた。
一方、紗栄子も同じように、見知らぬ生活を体験する一日を迎えることになった。二人は互いの生活を体験しつつ、異星人たちの観察対象としての生活を送りながら、1年の長い「レポート提出」生活を始めるのであった。
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