不思議な水着

廣瀬純七

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女になった涼太

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ある夏の日、涼太(りょうた)は、友人の智也(ともや)から奇妙な話を聞かされた。

「これ、冗談みたいだけど、試してみてほしいんだ。」

智也が手渡したのは、鮮やかなピンク色のワンピース型の水着だった。まるで新品のようで、光沢があり、肌触りも滑らかだった。

「これ、なんなんだよ?」涼太は不審そうに水着を眺めながら聞いた。

「お前、信じないだろうけど、この水着を着たら、男でも一時的に女性になるらしいんだ。俺も半信半疑だったけど、ネットで調べたら、結構な噂になってるんだぞ。」

涼太は馬鹿馬鹿しいと笑ったが、好奇心を抑えきれなかった。彼は大学生で、いつも刺激を求める性格だったし、なんとなく智也の言葉には嘘を感じなかった。

「そんな馬鹿げたこと、信じるわけないだろ。でも、暇だから試してみてもいい。」

そう言って涼太はその水着を受け取り、近くの更衣室に向かった。水着を手にした瞬間、妙な感覚が彼を包み込んだ。普通の布のように軽いのに、どこか重厚な力を秘めているような気がした。

更衣室の鏡の前に立ち、少し躊躇いながらも彼はその水着を体に通した。しっかりとフィットするが、不快ではない。むしろ心地よさすら感じた。しかし、着た瞬間に体全体が熱を帯びたように感じ、彼は鏡に映る自分を確認しようと顔を上げた。

そこに映っていたのは、まるで別人のような美しい女性だった。涼太の短髪は長く滑らかな黒髪に変わり、筋肉質な体は柔らかく曲線的になっていた。目は大きく、唇は柔らかく、全体的に女性らしい輪郭へと変わっていた。

「嘘だろ…」涼太は驚きのあまり声が出たが、その声すら高く、女性の声に変わっていた。彼は恐る恐る自分の体を触り、感覚は確かに自分のものだと確認したが、見た目は完全に女性そのものだった。

「智也、これ…本当だったんだな…」

震える声で更衣室から出ると、智也がにやりと笑った。「だろ?だから言っただろ、信じられないだろうけど、着ると女性になるって。」

「でも、これ…どういうことなんだよ?どうやって元に戻るんだ?」

智也は肩をすくめた。「簡単だよ。水着を脱げば元に戻るって書いてあった。でもさ、少しの間このまま楽しんでみたらどうだ?せっかくだし、女子になった気分を味わえるチャンスなんてないだろ?」

涼太は迷ったが、好奇心には勝てなかった。彼は智也と共に海辺へと向かい、女性としての姿で海に入ってみた。周りの視線を感じるが、それは不思議なほど心地よかった。彼は完全にその場に馴染み、今までとは異なる感覚を楽しんでいた。

ただ、涼太の心には一つの不安があった。それは、本当に元に戻れるのかということだ。しかし、彼はその不安を押し殺し、しばらくの間この奇妙な体験を満喫することにした。

**

夕方、海から上がった涼太は、更衣室に戻って水着を脱いだ。瞬間、体に再び変化が訪れ、元の男性の姿に戻った。彼は大きく息をつき、鏡に映る自分を見つめた。

「なんだか夢みたいだったな…」

水着を手に取り、もう一度その光沢を眺めた。それは、単なる布のように見えたが、その不思議な力を持っていることを涼太は確信していた。


「さて、次は誰にこれを着せてみるかな?」
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