体を入れ替えるマッチングアプリ

廣瀬純七

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セクシーなドレス

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夕暮れの街に並ぶブティックのショーウィンドウが、華やかな光を放っていた。  

「美咲、せっかくだから新しいドレスでも買おうか。」  

博史が自然に美咲(の体の健太)の手を引き、高級なドレスショップへと入っていく。  

「えっ……そんな急に?」  

「今日は特別な日だからね。」  

(特別な日って……何かあったっけ!?)  

戸惑う健太だったが、美咲として振る舞わなければならない以上、抵抗するわけにもいかない。  

店内にはエレガントなドレスが並び、博史が選んだのは、体のラインがくっきり出る大人っぽいスリット入りのワンピースだった。  

「これ、美咲に似合いそうだな。」  

「う、うん……。」  

仕方なく試着室に入ると、鏡に映った"美咲の体"が、普段とは違う雰囲気をまとっていた。  

(ヤバい……俺、本当に女の身体でこういう格好するのか!?)  

なんとか着替えて試着室を出ると、博史は満足げに微笑んだ。  

「やっぱり似合うよ、美咲。」  

(くぅぅ……男として褒められるのとはまた違う恥ずかしさが……!)  

そして、さらに博史は小さな店へと足を踏み入れる。  

「えっ、ここって……!」  

そこはランジェリーショップだった。  

「下着も新しいのを買おうか。」  

「えええっ!?」  

博史は迷いなく、レースがあしらわれたセクシーなランジェリーセットを手に取る。  

「どうせなら、これにしようか。」  

(いやいやいや!! さすがにこれは無理だろ!!)  

顔が熱くなるのを感じながらも、店員に促されるまま試着室へと追いやられる健太。  

(頼む、誰か止めてくれ……!!)  

何とか試着を終えたころには、ぐったりと疲れ果てていた。  

その後、二人は予約していたレストランへ向かった。  

美咲の体でのディナーは、まるで映画のようにロマンチックで、博史の視線も終始優しい。  

——そして、食事の終わりに差し掛かったときだった。  

「美咲、今日はこのあとホテル泊まろうね。」  

「……えっ!?」  

フォークを落としそうになりながら、健太は凍りついた。  

(待て待て待て待て!! これは本当にヤバいんじゃないか!?)  

博史は穏やかに微笑みながらワイングラスを傾けている。  

「たまには、二人だけの時間をゆっくり過ごそう?」  

(ちょ……ど、どうする……!? 俺、詰んだ……!?)  

心臓の音がやたらとうるさく響く中、"美咲の体の健太"は冷や汗をかきながら、必死に言葉を探していた——。
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