謎の隕石

奇妙なクリスマスの奇跡

城崎高校の文化祭が終わり、季節は冬。12月に入り、街はクリスマスムード一色となっていた。入れ替わったままの体に慣れ始めた健一（中身は莉奈）、信吾（中身は咲良）、莉奈（中身は健一）、咲良（中身は信吾）の4人は、クリスマスを一緒に過ごす計画を立てていた。  

「クリスマスだから、せっかくだし楽しくやろうよ。」  
莉奈（健一）が提案すると、他の3人も賛成した。  

「じゃあ、みんなでプレゼント交換をしよう。あと、夜はチキンとケーキも用意しなきゃね。」  
咲良（信吾）が笑顔で言い、計画が進んでいった。  

***

### **クリスマス・イブの準備**  

当日は、信吾（咲良）の家でクリスマスパーティーをすることになった。昼過ぎから、4人は手分けして準備に取り掛かる。  

信吾（咲良）と健一（莉奈）は食材を買いに行き、咲良（信吾）と莉奈（健一）は部屋の飾り付けを担当することに。  

「なんだかんだで、こうやってみんなで準備するのも楽しいね！」  
スーパーで買い物をしている咲良（信吾）が言うと、莉奈（健一）は頷いた。  
「確かに。入れ替わってから、こういう機会がなかったしな。」  

一方、部屋では信吾（咲良）がツリーの飾りを手に取って笑った。  
「高校生に戻ったとはいえ、こういう行事を楽しめるのはいいよね。」  
健一（莉奈）はツリーの上に星を飾りながら同意した。  
「うん。こういう普通の時間が、一番大事だと思う。」  

***

### **クリスマスパーティー開始**  

夜になると、4人は食卓を囲んで乾杯した。テーブルの上には、チキンやピザ、サラダ、クリスマスケーキが並び、華やかなムードに包まれていた。  

「メリークリスマス！」  
全員でグラスを合わせ、笑顔を交わす。  

「ケーキ、めっちゃ美味しい！」  
莉奈（健一）がフォークを動かしながら感嘆の声を上げると、咲良（信吾）は得意げに言った。  
「それ、俺が選んだからな。ケーキ屋で咲良としての魅力を全開にしてサービスしてもらったんだ。」  

「いや、それ自慢になってないから。」  
健一（莉奈）が呆れたように言い、信吾（咲良）は笑った。  

***

### **プレゼント交換**  

食事が終わった後は、プレゼント交換の時間。4人はクリスマスソングを流しながら、テーブルの上に置かれたプレゼントを回していった。  

「俺のは……これだ！」  
信吾（咲良）が包みを開けると、中には可愛らしいマグカップが入っていた。  
「これ、咲良のセンスだろ？」  
「正解！ 入れ替わってるけど、自分らしいのを選んでみたよ。」  

健一（莉奈）はシックなデザインの手帳を受け取り、莉奈（健一）はお気に入りの香水をプレゼントとしてもらった。  

「これ、ずっと欲しかったの！」  
健一（莉奈）が感激の声を上げると、莉奈（健一）は満足げに微笑んだ。  

***

### **奇妙な思い出と新たな希望**  

夜も更け、4人はソファに座ってくつろいでいた。雪がちらつく窓の外を見ながら、咲良（信吾）がぽつりと呟く。  
「入れ替わってなかったら、こんなクリスマスにはならなかったよな。」  

健一（莉奈）は頷きながら答えた。  
「うん。でも、悪いことばかりじゃない。この体験を通して、お互いのことを前より深く知れたと思う。」  

「確かにね。こんな風に笑い合えるのは、入れ替わりのおかげかも。」  
信吾（咲良）が微笑むと、莉奈（健一）も同意する。  

「いつか元に戻れるとしても、この思い出だけは大事にしたいな。」  

4人は笑い合いながら、暖かなクリスマスの夜を過ごした。奇妙な状況下でも、心が通じ合う時間を共有することで、彼らの絆はさらに深まっていった。  

そして――降り積もる雪が、彼らに新たな奇跡を運んでくるかもしれない、そんな予感に満ちた夜だった。