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第2章 一色 咲良
第4話 性悪
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リョウは一人、議事場のテーブルの上でお気に入りのゴスロリファッションに身を包み、その愛らしい姿には似つかない胡座をかいて座り、膝に片ヒジをついてテーブル中央浮かぶ羅針盤を眺めていた。
「導きの灯火とはよく言ったものじゃの。導く者も導かれる者も両者にとってその光は強烈じゃ、遠くを導けばその増大な光量に人影も失い、導かられるその袂は闇じゃ」
リョウは羅針盤に手をかざす。
羅針盤の中央から水晶玉が浮かび上がり、さまざまな光の色を成してから水晶玉は真上に映像を投射した。
「さてリクト、その導き手に群がる羽虫を散らせば、おぬしが求める先に近付けるはずじゃ」
リョウは画像に目を細めるが、それもつかの間、画像が切り替わるとリョウは画像に映るリクトに微笑みかけた。
「リクト、おぬしが求める先が深い闇の中であっても、わしは・・」
リョウは笑顔を少し歪ませ、泣き笑いの表情でリクトを眺め続けるのだった。
§
会話をすること無く来た道を先立って歩く榊に、黙々とついて行くリクト。
本当は榊に聴きたいことが山ほどあった。
陸斗が榊の元を去ったあの日から、今この時代では10年ほどの時が流れている。
仇敵である榊だが、その過程までにはさまざまな営みがあり、また陸斗にとって良くも悪くも良い人生経験でもあった。
陸斗は去った日以降の榊達のその後を知らない、また知ろうとも思わなかった。
だが今は違う。
そう思うのは、知り得なかった益美の人生をリクトが享受出来たからなのだろう。
榊といたことで多くの人々と出会い、そして絆を深めた者もいる。
出来ればその人達の事を知りたかったが、それを知るには今のリクトが何者かという前提を示す必要があるだろう。
蘇り?と、一言で済ますのは無理があって、あれやこれやと考えているうちに、学校の正門にたどり着いた。
「さぁ、ここが僕ん家だ!学校なんだぞぅ、どう?驚いた?」
榊は両手を広げ、リクトの驚きを期待して待つ。
「知ってる」
リクトは真顔で呟く。
「もう!なんで知ってるのさ、なんかつまんない子だなぁ・・まぁいいか!さぁどうぞ、案内するよ」
榊はぶう垂れるが、リクトの知っているという理由も問わず、気を取り直しては先立って宿舎に向かった。
宿舎の入口に着いたその時。
「キャアァ・・」
一瞬の女性の悲鳴が、宿舎内から聞こえた。
リクトと榊が顔を見合わせる。
「キミの言ってた事は、これかい?」
これまで微笑みを絶やさなかった榊の顔から笑顔が剥がれ落ち、能面のような顔が現れる。
「ああ、行くぞ・・ん?」
リクトは榊の無表情に驚きは無く、どちらかと言えば見慣れた表情であった。
だがそこで別のどこかで感じた感覚に、リクトの肌がざわついた。
「これは・・」
数十分前に遡る。
「オーイ!相原ー!来てくれ!」
仕事場を確認しようと2階への階段を上がろうとしていた相原に、食堂から高田が声を張り上げていた。
相原は何事かと急ぎ食堂へ戻る。
「すまん相原、やっちまったかな?」
食堂の床に寝かされた2人の女性を、ただ見守っている高田と平井。
「なにやってねん!オラそこどけ!」
相原は棒立ちの平井を突き飛ばし、近場にいた美紀の口元に耳を当てる。
「・・大丈夫だ、息をしてる」
美紀の呼吸を確認した後、同じように倒れている舞香の脈を取る。
「こっちも大丈夫だ。ってかお前ら何してんねん、食後って決めてたやろが薬やんの!」
相原は2人に睨みを利かし、不手際を追求する。
「い、いや違うんすよ、食後のコーヒーに仕込むつもりやったんやけど、この子らが先に飲みたいって言い出して、そしたら口にして直ぐにこう倒れちゃって・・」
「レーコー用意してたんやけど、冷たいのってなかなか睡眠薬溶けなくてやね・・ちょっと入れすぎた?ってね・・」
平井が言い訳を口にし、高田は慌てた理由を話す。
「まぁええわ、加藤師範代がまだ来てないが・・それにしても、オイ見てみろよ」
相原は美紀の開けた胸元を尚も開けさせ、ブラからはみ出させては豊かな胸を露わにする。
「いいねぇ~食欲よりも性欲が勝るってか!」
高田はその胸に手を伸ばそうとする。
「待て待て、早いとこ仕事場に運ぼうや。楽しみは実益も兼ねへんとな」
相原は興奮する高田を諌め、高田と2人して美紀を担ぐ。
「平井は舞香ちゃんを運べや」
相原はニヤついた顔のまま平井に指示し、2階へと向かった。
「やべぇよ・・このままじゃ事が運んでまう・・はやくリクトさん来てくれよぅ」
平井は情けない顔をしながらも、舞香を抱き上げ2階に向かうのだった。
平井は仕事場と称した元陸斗の部屋をリクトに見られ、その時に平井はこの悪事の計画全てをリクトに話していた。
リクトはその計画について、実行前であるなら証拠が揃った時に押さえると言った。
そういう意味では今の平井は泳がされている状況なのだが、もう目前に事後が迫っていた。
仕事場の部屋に敷き布団が敷かれ、美紀と舞香が寝かされる。
その周りには2台のビデオカメラが設置され、部屋の隅には撮影用の照明まで焚かれている。
「では男優さん、お願いします!」
相原は設置されたカメラとは別に、自らハンディカムを手に持ち高田を呼び込む。
「誰が男優や!」
高田は相原にツッコミながらも、顔にはデストロイヤーの覆面マスクを被り、ブリーフ一丁でファイティングポーズを取る。
「んじゃメインディッシュは置いといて・・まずは舞香ちゃんからいただいちゃおうかな!」
高田は舞香の足元に行き、手をワニワニとさせながら浴衣の裾から手を入れ、下着を脱がす。
「オイ待て待て、お前はトーシロか!そうじゃなくて、着衣の上からまさぐるのが鉄則やろがい!」
相原が高田のやり方に物言いを付けた。
「いやいや、お前は分かってへんねん!浴衣だけを残してヤんのがいいんやろがい!」
お互いの趣向に妥協点はなく、相原と高田とで言い合いが始まった。
「う、うぅん・・ここは?」
ガヤガヤと言い争う間に舞香が眠りから目が覚め、身を起こして気だるそうに辺りを見渡した。
「やべ、目が覚めやがった!」
高田は慌てて舞香に襲いかかる。
「キ、キャアァ!」
舞香は目の前に迫る覆面男に恐怖を感じ、悲鳴を上げた。
高田は舞香に覆いかぶさり、叫ぶ口元を手で塞ぐ。
「ジタバタすんなや、殺すぞ?」
もがく舞香の耳元で、高田はドスの利いたセリフを囁いた。
1階から階段を人が足音も立てず、風のように2階へ到達し、そのまま仕事場の部屋の前に立つ。
「バリン!」と引き戸の小窓のガラスが吹き飛び、窓枠に指が掛かると戸が引っ張られベニヤ板のごとくひしゃげて後方に吹き飛ぶ。
「ひぃっ!」
部屋の入口付近にいた平井は咄嗟に振り向き、開け放たれた戸に立つ人物に小さく悲鳴を上げ、ハンディカムを手にした相原も、その姿に愕然とする。
「何やってんの?」
戸に立つ榊は、首を傾げて室内の光景を薄い目で見渡した。
道場では加藤と百合が対峙していた。
百合は道場の中央まで下がりながら、左腕を負傷しているのか右腕だけで竹刀を持ち、剣先を加藤に向け間合いを保つ。
「百合代行、アンタ強いよなぁ、つえぇよつえぇ・・けども!俺の方がもっとつえぇ!!」
加藤は体を左右に揺すりながら百合との間合いを詰め、右腕一本で振り上げた竹刀を百合の面めがけて振り下ろす。
轟音を伴うほどの力強い振りではあるが隙は多い。
だが百合はその面を大きく右にステップを踏んで躱す。
通常であれば、大振りの面など踏み込んで突きや抜き胴で迎い討てるのだが、それをしないのには理由があった。
「バァン!!」
躱されたことで振り下ろした竹刀が分厚い板の床に突き刺さる。
「躱すこたぁないやろが~、これでも手加減しとんねやで?本気出して死なれてもうたら、アンタの事を好きにできんからなぁ~」
突き刺さった竹刀を強引に抜き取る。
竹刀の先が破れ、竹刀の先から鉄の棒が顔を出す。
百合は一度、加藤の攻撃を竹刀で受け、尋常ではない力と異様な重さのある竹刀に吹き飛ばされた。
その時に受けた左腕は、竹刀を握れないほどの怪我を負ったのだった。
下手に懐に入れば、打突や鍔迫り合いだけで負傷しかねない。
百合はこの不利な状況下で活路を見出す事など難しく、逃げる方法を考え出口がある方向に走って向かおうとしたが、加藤は異常な脚力で回り込みそれを許さない。
ならばと加藤の攻撃を躱し続け、間合いの均衡を保つことに専念する。
加藤の身に何が起こったのかは分からない。
見た目は知っている加藤だと分かるのだが、体格が一回り以上大きく見え、異常な素早さと素振り用の鉄心入り竹刀を軽々と片手で振る力は、とても人間によるものではなく、ギラつく目は獣そのものだ。
恐怖に駆られ、すぐにでも逃げ出したい心を抑えるは、百合に剣の道を説いてくれた人の教え。
(ああ、あの人ならどうするだろう・・)
百合はその存在に思いを馳せる。
だがその一瞬の隙を加藤は見逃さず、一足で間合いを詰め、竹刀を百合の側頭目掛けて薙ぎ払う。
「しまっ・・」
百合は一瞬の隙を悔やみながら、頭を下げるが「ガン!」と頭頂部付近に竹刀を食らい、面を吹き飛ばされながら自身も横倒しに飛ばされた。
「イヤッホー!俺の勝ちー!!」
加藤は竹刀を高らかに掲げ、勝利宣言をする。
百合は倒れたまま動かない。
「俺は強い・・そう強いんや・・」
加藤は定まらない視線を中空に向け、フラフラと体を揺する。
「そや、勝者の褒美があったな、そうそう!」
加藤はカクンと上に向けていた視線を倒れている百合に注ぐと、恍惚の表情を浮かべ竹刀を引き摺りながら百合に近づく。
加藤は横倒しになっている百合を踵で軽く蹴り、仰向けにする。
「うぅ・・」
百合はこめかみ付近から血を流し、脳震盪による失神状態に陥っていた。
加藤は百合が着込む胴と垂を力任せに引き剥がすと道着の胸元を開き、中に着ていたTシャツを首元から強引に引き裂く。
「ハァハァ、やっぱいい体しとる・・俺は前からお前を・・」
加藤は覆い被さるようし、百合の露わになった胸に顔を埋めようとした。
「はい、そこまで」
唐突に加藤の頭上へ声が掛かる。
「ハッ」と加藤は百合に抱き着いたまま思わず顔を上げ、自分の目の前に男が立っているのに気づく。
「な、なんやお前!」
咄嗟に百合の体から離れ、加藤は目の前に立つ男から距離を取る。
「ふむ、頭は切れてるが深刻な挫傷にはなってない。腕は・・折れてるか、まぁけど大丈夫そうだ」
その男は加藤を気に留めず、しゃがんで百合の具合を確かめている。
「お前!誰や、なにもんや!」
加藤は自分でも分からないほどに、目の前にいる知らない男に怯え、突き出した竹刀の先が震えだす。
「まぁ待て、そう焦んなよ」
余裕の笑みを浮かべるその男は、百合の開けた道着を正しそっと抱き抱えると、出入り口付近に置いてある百合の荷物の傍に百合を寝かせた後、そこにあった百合の竹刀袋を手に取る。
「待たせたな、俺の名はリクト、マキ リクトだ。まぁそうだな、お前みたいなヤツを成敗する、正義の人だ」
竹刀袋に手を入れ、スラリと中にあった木刀を抜く。
リクトは加藤を見据えたまま、右手に持った木刀の剣先を天に向けると、「ヒュン!」と木刀を振ったとは思えない風切り音を立て、剣先を加藤に向けた。
「すまないが、アンタを殺す事になる。だからアンタは名乗らなくていいよ」
加藤に突き付けた木刀を両手で握り、スッと腕を上げ上段に構える。
加藤はリクトが自分へ突き付けた際の振りが全く見えず、またその時に発生した音の異常さに息を呑む。
道具置き場で体に光の粒が纏わり付き、徐々に力が漲るのを感じた際、頭の中に誰とも分からない様々な声が響いた。
(喰らえ・・)
(犯せ・・)
(手に入れろ・・)
加藤はその負の言葉全てが体に浸透し、それは絶頂をきたす程に心地良く、常に体中を駆け巡っていた。
だがこの男と向き合った途端、その声は鳴りを潜める。
漲る力が失われたわけではないが、自分の意志とは無関係に体が萎縮するのだ。
「こ、殺すだぁ?ガキが・・殺れるもんなら殺ってみい!!」
自分より背の低いガキに上段に構えられ、尚且つ殺すと脅されてはと加藤の感情が怒り一色に染め上がり、無意識に縛られた体を強引に解き放つ。
早い踏み込み、いや一飛びの跳躍によってリクトとの間合いを一気に詰め、百合へ見せた攻撃ではなく鉄心を仕込んだ竹刀を両手で握り、喉元ではない狙いの大きい胸に向かって突きを繰り出した。
「ほう・・」
リクトは感嘆の言葉を漏らし、思わず頬が緩みそうになるのを抑え、上段に構えた木刀を腰を落として担ぐ。
「ゴッ!」と鈍い音を立て、加藤の繰り出した突きをリクトは木刀の柄尻を使って受け止めた。
剣先と柄尻とが突き合わされた状態で均衡し、2人は動かない。
「へぇ・・中々どうして、以外に剣道の修練も熟してるみたいだな」
リクトは突きを受けたまま、嬉しさで抑えていた緩む頬を開放し、ニヤついた顔でズイと柄尻を押していく。
「グギギィ・・」
加藤は突いた姿勢のまま、徐々に押し込まれていく。
加藤は柄尻から突いた竹刀を離すことが出来ない。
均衡が崩れた瞬間の押される側の不利な状況だけではなく、自らバランスを取りリクトの次の一手であろう担ぎ技を封じる事しか出来ないのだ。
「久々に本気で剣道が出来る相手で嬉しいよ。じゃあ仕切り直そうか」
リクトは柄尻に相手の剣先を乗せるように力を入れ、そのまま押し出す。
加藤はそれに乗り、後方へ飛び退いた。
「死ね!!」
加藤は着地と同時に左腕をサイドスローの要領で振る。
リクトは木刀を自分の顔の前で横に倒して構えると、手と手の間の柄に小太刀が突き刺さる。
「暗器も使えるのか」
ニヤついたまま呟くリクトには驚きはなく、だが既に加藤はリクトの頭上まで飛び上がり、鉄心入りの竹刀を片手で振り下ろす。
「シィィ・・」
リクトは短く息を吐き、剣先を右から左へ回すように腕を巻き込み、振り下ろされる鉄心入り竹刀を左横から弾く。
「なっ!!」
弾かれた勢いで鉄心入り竹刀を握っていた右腕が持って行かれ、加藤の体は空中に横倒し状で1回転をし、一瞬リクトと目が合う。
加藤が目にしたリクトは、既に上段に構えを取っている。
「シッ!」
上段から加藤の横腹に木刀が振り下ろされ、床に叩き落とされた。
その勢いは凄まじく、加藤の体は床を陥没させ埋まる。
「まさかこんなんじゃ、まだ終わらないよな?」
リクトは横たわる加藤へ剣先を向けながら、空いた手で左頬の浅い切り傷から浮いた血を拭った。
加藤はリクトの振り下ろしを食らう瞬間、折り曲げた左腕を小さく振って小太刀をリクト目掛けて投げていた。
リクトは近距離でありながらほんの少し頭をずらして躱し、木刀を振り下ろしていた。
「あの体勢から暗器を投げるとは、思って・・いたよ?」
避けることが出来ない状況であるなら、防御より攻撃を優先する教えをリクトは知っていた。
それは榊 瑞季が説く、榊流の剣の道だからだ。
「お前は何なんや・・この化け物め・・」
加藤は竹刀を杖代わりにし、フラつきながらも立ち上がる。
「アンタに言われたかぁない。あの女の子に何をしようとした?人に纏わりつく獣が・・あ、いや本性がそうなら言い方が変わるか。どっちなんだ、オイ?」
リクトは取り憑いた生命エネルギーが男を狂わせているとは限らず、この男の本性なのかもと勘ぐる。
「うるさんじゃ女の味も知らんガキがぁ、女は犯せばヒィヒィ言ってヨガるからいいんじゃボケが!」
加藤はその行為を想像し、禍々しい笑みを浮かべる。
「だがな、俺は法に引っかかるほどアホやない。ちゃんと計画建ててヤるのが俺の流儀や」
「そうかい、なるほど。あの宿舎の段取りは、アンタが仕立てたってことか」
リクトは加藤を見下した目で見る。
「だがあの子に下したやり方は、スマートじゃないよな?」
リクトは寝かせた女の子に目をやった後、眼光鋭く加藤を睨む。
「だからどうやっちゅうねん!邪魔なガキ、お前を殺せばそれでしまいや!」
「うがががぁ!」と唸り声を上げ、加藤は全身に力を漲らせる。
「どうやら鬼畜そのものだったらしい。なら気兼ねなく殺れるな」
リクトは突き付けた木刀を両手の握り、今度は右斜め下に剣先を下ろして構えた。
リクトの構え、それは下段水の構え。
剣道の世界では優位性がない構えであり、リクト自身も試合で使うことはない。
だがそれは競技としての剣道の世界であって、如何にして相手を無力化する手段としてでは話が違ってくる。
リクトは自身の剣の道を重ね合わせ、練り上げた下段。
それはリクトが目指した活人剣であった。
百合は脳震盪から意識を取り戻すが、瞼は重く体は動かせないでいた。
ぼやけた視界の中、加藤と対峙する剣士の背中にどこか懐かしさを感じる。
霞がかったその背中が不意に構えを取り出すのが見え、思わず声が漏れる。
「ああ・・」
百合は見間違う事のない下段を構えるその背中に、震える手を伸ばそうとするが溢れる涙で一層視界がぼやけ、そのまま意識を手放してしまうのだった。
・・つづく・・
「導きの灯火とはよく言ったものじゃの。導く者も導かれる者も両者にとってその光は強烈じゃ、遠くを導けばその増大な光量に人影も失い、導かられるその袂は闇じゃ」
リョウは羅針盤に手をかざす。
羅針盤の中央から水晶玉が浮かび上がり、さまざまな光の色を成してから水晶玉は真上に映像を投射した。
「さてリクト、その導き手に群がる羽虫を散らせば、おぬしが求める先に近付けるはずじゃ」
リョウは画像に目を細めるが、それもつかの間、画像が切り替わるとリョウは画像に映るリクトに微笑みかけた。
「リクト、おぬしが求める先が深い闇の中であっても、わしは・・」
リョウは笑顔を少し歪ませ、泣き笑いの表情でリクトを眺め続けるのだった。
§
会話をすること無く来た道を先立って歩く榊に、黙々とついて行くリクト。
本当は榊に聴きたいことが山ほどあった。
陸斗が榊の元を去ったあの日から、今この時代では10年ほどの時が流れている。
仇敵である榊だが、その過程までにはさまざまな営みがあり、また陸斗にとって良くも悪くも良い人生経験でもあった。
陸斗は去った日以降の榊達のその後を知らない、また知ろうとも思わなかった。
だが今は違う。
そう思うのは、知り得なかった益美の人生をリクトが享受出来たからなのだろう。
榊といたことで多くの人々と出会い、そして絆を深めた者もいる。
出来ればその人達の事を知りたかったが、それを知るには今のリクトが何者かという前提を示す必要があるだろう。
蘇り?と、一言で済ますのは無理があって、あれやこれやと考えているうちに、学校の正門にたどり着いた。
「さぁ、ここが僕ん家だ!学校なんだぞぅ、どう?驚いた?」
榊は両手を広げ、リクトの驚きを期待して待つ。
「知ってる」
リクトは真顔で呟く。
「もう!なんで知ってるのさ、なんかつまんない子だなぁ・・まぁいいか!さぁどうぞ、案内するよ」
榊はぶう垂れるが、リクトの知っているという理由も問わず、気を取り直しては先立って宿舎に向かった。
宿舎の入口に着いたその時。
「キャアァ・・」
一瞬の女性の悲鳴が、宿舎内から聞こえた。
リクトと榊が顔を見合わせる。
「キミの言ってた事は、これかい?」
これまで微笑みを絶やさなかった榊の顔から笑顔が剥がれ落ち、能面のような顔が現れる。
「ああ、行くぞ・・ん?」
リクトは榊の無表情に驚きは無く、どちらかと言えば見慣れた表情であった。
だがそこで別のどこかで感じた感覚に、リクトの肌がざわついた。
「これは・・」
数十分前に遡る。
「オーイ!相原ー!来てくれ!」
仕事場を確認しようと2階への階段を上がろうとしていた相原に、食堂から高田が声を張り上げていた。
相原は何事かと急ぎ食堂へ戻る。
「すまん相原、やっちまったかな?」
食堂の床に寝かされた2人の女性を、ただ見守っている高田と平井。
「なにやってねん!オラそこどけ!」
相原は棒立ちの平井を突き飛ばし、近場にいた美紀の口元に耳を当てる。
「・・大丈夫だ、息をしてる」
美紀の呼吸を確認した後、同じように倒れている舞香の脈を取る。
「こっちも大丈夫だ。ってかお前ら何してんねん、食後って決めてたやろが薬やんの!」
相原は2人に睨みを利かし、不手際を追求する。
「い、いや違うんすよ、食後のコーヒーに仕込むつもりやったんやけど、この子らが先に飲みたいって言い出して、そしたら口にして直ぐにこう倒れちゃって・・」
「レーコー用意してたんやけど、冷たいのってなかなか睡眠薬溶けなくてやね・・ちょっと入れすぎた?ってね・・」
平井が言い訳を口にし、高田は慌てた理由を話す。
「まぁええわ、加藤師範代がまだ来てないが・・それにしても、オイ見てみろよ」
相原は美紀の開けた胸元を尚も開けさせ、ブラからはみ出させては豊かな胸を露わにする。
「いいねぇ~食欲よりも性欲が勝るってか!」
高田はその胸に手を伸ばそうとする。
「待て待て、早いとこ仕事場に運ぼうや。楽しみは実益も兼ねへんとな」
相原は興奮する高田を諌め、高田と2人して美紀を担ぐ。
「平井は舞香ちゃんを運べや」
相原はニヤついた顔のまま平井に指示し、2階へと向かった。
「やべぇよ・・このままじゃ事が運んでまう・・はやくリクトさん来てくれよぅ」
平井は情けない顔をしながらも、舞香を抱き上げ2階に向かうのだった。
平井は仕事場と称した元陸斗の部屋をリクトに見られ、その時に平井はこの悪事の計画全てをリクトに話していた。
リクトはその計画について、実行前であるなら証拠が揃った時に押さえると言った。
そういう意味では今の平井は泳がされている状況なのだが、もう目前に事後が迫っていた。
仕事場の部屋に敷き布団が敷かれ、美紀と舞香が寝かされる。
その周りには2台のビデオカメラが設置され、部屋の隅には撮影用の照明まで焚かれている。
「では男優さん、お願いします!」
相原は設置されたカメラとは別に、自らハンディカムを手に持ち高田を呼び込む。
「誰が男優や!」
高田は相原にツッコミながらも、顔にはデストロイヤーの覆面マスクを被り、ブリーフ一丁でファイティングポーズを取る。
「んじゃメインディッシュは置いといて・・まずは舞香ちゃんからいただいちゃおうかな!」
高田は舞香の足元に行き、手をワニワニとさせながら浴衣の裾から手を入れ、下着を脱がす。
「オイ待て待て、お前はトーシロか!そうじゃなくて、着衣の上からまさぐるのが鉄則やろがい!」
相原が高田のやり方に物言いを付けた。
「いやいや、お前は分かってへんねん!浴衣だけを残してヤんのがいいんやろがい!」
お互いの趣向に妥協点はなく、相原と高田とで言い合いが始まった。
「う、うぅん・・ここは?」
ガヤガヤと言い争う間に舞香が眠りから目が覚め、身を起こして気だるそうに辺りを見渡した。
「やべ、目が覚めやがった!」
高田は慌てて舞香に襲いかかる。
「キ、キャアァ!」
舞香は目の前に迫る覆面男に恐怖を感じ、悲鳴を上げた。
高田は舞香に覆いかぶさり、叫ぶ口元を手で塞ぐ。
「ジタバタすんなや、殺すぞ?」
もがく舞香の耳元で、高田はドスの利いたセリフを囁いた。
1階から階段を人が足音も立てず、風のように2階へ到達し、そのまま仕事場の部屋の前に立つ。
「バリン!」と引き戸の小窓のガラスが吹き飛び、窓枠に指が掛かると戸が引っ張られベニヤ板のごとくひしゃげて後方に吹き飛ぶ。
「ひぃっ!」
部屋の入口付近にいた平井は咄嗟に振り向き、開け放たれた戸に立つ人物に小さく悲鳴を上げ、ハンディカムを手にした相原も、その姿に愕然とする。
「何やってんの?」
戸に立つ榊は、首を傾げて室内の光景を薄い目で見渡した。
道場では加藤と百合が対峙していた。
百合は道場の中央まで下がりながら、左腕を負傷しているのか右腕だけで竹刀を持ち、剣先を加藤に向け間合いを保つ。
「百合代行、アンタ強いよなぁ、つえぇよつえぇ・・けども!俺の方がもっとつえぇ!!」
加藤は体を左右に揺すりながら百合との間合いを詰め、右腕一本で振り上げた竹刀を百合の面めがけて振り下ろす。
轟音を伴うほどの力強い振りではあるが隙は多い。
だが百合はその面を大きく右にステップを踏んで躱す。
通常であれば、大振りの面など踏み込んで突きや抜き胴で迎い討てるのだが、それをしないのには理由があった。
「バァン!!」
躱されたことで振り下ろした竹刀が分厚い板の床に突き刺さる。
「躱すこたぁないやろが~、これでも手加減しとんねやで?本気出して死なれてもうたら、アンタの事を好きにできんからなぁ~」
突き刺さった竹刀を強引に抜き取る。
竹刀の先が破れ、竹刀の先から鉄の棒が顔を出す。
百合は一度、加藤の攻撃を竹刀で受け、尋常ではない力と異様な重さのある竹刀に吹き飛ばされた。
その時に受けた左腕は、竹刀を握れないほどの怪我を負ったのだった。
下手に懐に入れば、打突や鍔迫り合いだけで負傷しかねない。
百合はこの不利な状況下で活路を見出す事など難しく、逃げる方法を考え出口がある方向に走って向かおうとしたが、加藤は異常な脚力で回り込みそれを許さない。
ならばと加藤の攻撃を躱し続け、間合いの均衡を保つことに専念する。
加藤の身に何が起こったのかは分からない。
見た目は知っている加藤だと分かるのだが、体格が一回り以上大きく見え、異常な素早さと素振り用の鉄心入り竹刀を軽々と片手で振る力は、とても人間によるものではなく、ギラつく目は獣そのものだ。
恐怖に駆られ、すぐにでも逃げ出したい心を抑えるは、百合に剣の道を説いてくれた人の教え。
(ああ、あの人ならどうするだろう・・)
百合はその存在に思いを馳せる。
だがその一瞬の隙を加藤は見逃さず、一足で間合いを詰め、竹刀を百合の側頭目掛けて薙ぎ払う。
「しまっ・・」
百合は一瞬の隙を悔やみながら、頭を下げるが「ガン!」と頭頂部付近に竹刀を食らい、面を吹き飛ばされながら自身も横倒しに飛ばされた。
「イヤッホー!俺の勝ちー!!」
加藤は竹刀を高らかに掲げ、勝利宣言をする。
百合は倒れたまま動かない。
「俺は強い・・そう強いんや・・」
加藤は定まらない視線を中空に向け、フラフラと体を揺する。
「そや、勝者の褒美があったな、そうそう!」
加藤はカクンと上に向けていた視線を倒れている百合に注ぐと、恍惚の表情を浮かべ竹刀を引き摺りながら百合に近づく。
加藤は横倒しになっている百合を踵で軽く蹴り、仰向けにする。
「うぅ・・」
百合はこめかみ付近から血を流し、脳震盪による失神状態に陥っていた。
加藤は百合が着込む胴と垂を力任せに引き剥がすと道着の胸元を開き、中に着ていたTシャツを首元から強引に引き裂く。
「ハァハァ、やっぱいい体しとる・・俺は前からお前を・・」
加藤は覆い被さるようし、百合の露わになった胸に顔を埋めようとした。
「はい、そこまで」
唐突に加藤の頭上へ声が掛かる。
「ハッ」と加藤は百合に抱き着いたまま思わず顔を上げ、自分の目の前に男が立っているのに気づく。
「な、なんやお前!」
咄嗟に百合の体から離れ、加藤は目の前に立つ男から距離を取る。
「ふむ、頭は切れてるが深刻な挫傷にはなってない。腕は・・折れてるか、まぁけど大丈夫そうだ」
その男は加藤を気に留めず、しゃがんで百合の具合を確かめている。
「お前!誰や、なにもんや!」
加藤は自分でも分からないほどに、目の前にいる知らない男に怯え、突き出した竹刀の先が震えだす。
「まぁ待て、そう焦んなよ」
余裕の笑みを浮かべるその男は、百合の開けた道着を正しそっと抱き抱えると、出入り口付近に置いてある百合の荷物の傍に百合を寝かせた後、そこにあった百合の竹刀袋を手に取る。
「待たせたな、俺の名はリクト、マキ リクトだ。まぁそうだな、お前みたいなヤツを成敗する、正義の人だ」
竹刀袋に手を入れ、スラリと中にあった木刀を抜く。
リクトは加藤を見据えたまま、右手に持った木刀の剣先を天に向けると、「ヒュン!」と木刀を振ったとは思えない風切り音を立て、剣先を加藤に向けた。
「すまないが、アンタを殺す事になる。だからアンタは名乗らなくていいよ」
加藤に突き付けた木刀を両手で握り、スッと腕を上げ上段に構える。
加藤はリクトが自分へ突き付けた際の振りが全く見えず、またその時に発生した音の異常さに息を呑む。
道具置き場で体に光の粒が纏わり付き、徐々に力が漲るのを感じた際、頭の中に誰とも分からない様々な声が響いた。
(喰らえ・・)
(犯せ・・)
(手に入れろ・・)
加藤はその負の言葉全てが体に浸透し、それは絶頂をきたす程に心地良く、常に体中を駆け巡っていた。
だがこの男と向き合った途端、その声は鳴りを潜める。
漲る力が失われたわけではないが、自分の意志とは無関係に体が萎縮するのだ。
「こ、殺すだぁ?ガキが・・殺れるもんなら殺ってみい!!」
自分より背の低いガキに上段に構えられ、尚且つ殺すと脅されてはと加藤の感情が怒り一色に染め上がり、無意識に縛られた体を強引に解き放つ。
早い踏み込み、いや一飛びの跳躍によってリクトとの間合いを一気に詰め、百合へ見せた攻撃ではなく鉄心を仕込んだ竹刀を両手で握り、喉元ではない狙いの大きい胸に向かって突きを繰り出した。
「ほう・・」
リクトは感嘆の言葉を漏らし、思わず頬が緩みそうになるのを抑え、上段に構えた木刀を腰を落として担ぐ。
「ゴッ!」と鈍い音を立て、加藤の繰り出した突きをリクトは木刀の柄尻を使って受け止めた。
剣先と柄尻とが突き合わされた状態で均衡し、2人は動かない。
「へぇ・・中々どうして、以外に剣道の修練も熟してるみたいだな」
リクトは突きを受けたまま、嬉しさで抑えていた緩む頬を開放し、ニヤついた顔でズイと柄尻を押していく。
「グギギィ・・」
加藤は突いた姿勢のまま、徐々に押し込まれていく。
加藤は柄尻から突いた竹刀を離すことが出来ない。
均衡が崩れた瞬間の押される側の不利な状況だけではなく、自らバランスを取りリクトの次の一手であろう担ぎ技を封じる事しか出来ないのだ。
「久々に本気で剣道が出来る相手で嬉しいよ。じゃあ仕切り直そうか」
リクトは柄尻に相手の剣先を乗せるように力を入れ、そのまま押し出す。
加藤はそれに乗り、後方へ飛び退いた。
「死ね!!」
加藤は着地と同時に左腕をサイドスローの要領で振る。
リクトは木刀を自分の顔の前で横に倒して構えると、手と手の間の柄に小太刀が突き刺さる。
「暗器も使えるのか」
ニヤついたまま呟くリクトには驚きはなく、だが既に加藤はリクトの頭上まで飛び上がり、鉄心入りの竹刀を片手で振り下ろす。
「シィィ・・」
リクトは短く息を吐き、剣先を右から左へ回すように腕を巻き込み、振り下ろされる鉄心入り竹刀を左横から弾く。
「なっ!!」
弾かれた勢いで鉄心入り竹刀を握っていた右腕が持って行かれ、加藤の体は空中に横倒し状で1回転をし、一瞬リクトと目が合う。
加藤が目にしたリクトは、既に上段に構えを取っている。
「シッ!」
上段から加藤の横腹に木刀が振り下ろされ、床に叩き落とされた。
その勢いは凄まじく、加藤の体は床を陥没させ埋まる。
「まさかこんなんじゃ、まだ終わらないよな?」
リクトは横たわる加藤へ剣先を向けながら、空いた手で左頬の浅い切り傷から浮いた血を拭った。
加藤はリクトの振り下ろしを食らう瞬間、折り曲げた左腕を小さく振って小太刀をリクト目掛けて投げていた。
リクトは近距離でありながらほんの少し頭をずらして躱し、木刀を振り下ろしていた。
「あの体勢から暗器を投げるとは、思って・・いたよ?」
避けることが出来ない状況であるなら、防御より攻撃を優先する教えをリクトは知っていた。
それは榊 瑞季が説く、榊流の剣の道だからだ。
「お前は何なんや・・この化け物め・・」
加藤は竹刀を杖代わりにし、フラつきながらも立ち上がる。
「アンタに言われたかぁない。あの女の子に何をしようとした?人に纏わりつく獣が・・あ、いや本性がそうなら言い方が変わるか。どっちなんだ、オイ?」
リクトは取り憑いた生命エネルギーが男を狂わせているとは限らず、この男の本性なのかもと勘ぐる。
「うるさんじゃ女の味も知らんガキがぁ、女は犯せばヒィヒィ言ってヨガるからいいんじゃボケが!」
加藤はその行為を想像し、禍々しい笑みを浮かべる。
「だがな、俺は法に引っかかるほどアホやない。ちゃんと計画建ててヤるのが俺の流儀や」
「そうかい、なるほど。あの宿舎の段取りは、アンタが仕立てたってことか」
リクトは加藤を見下した目で見る。
「だがあの子に下したやり方は、スマートじゃないよな?」
リクトは寝かせた女の子に目をやった後、眼光鋭く加藤を睨む。
「だからどうやっちゅうねん!邪魔なガキ、お前を殺せばそれでしまいや!」
「うがががぁ!」と唸り声を上げ、加藤は全身に力を漲らせる。
「どうやら鬼畜そのものだったらしい。なら気兼ねなく殺れるな」
リクトは突き付けた木刀を両手の握り、今度は右斜め下に剣先を下ろして構えた。
リクトの構え、それは下段水の構え。
剣道の世界では優位性がない構えであり、リクト自身も試合で使うことはない。
だがそれは競技としての剣道の世界であって、如何にして相手を無力化する手段としてでは話が違ってくる。
リクトは自身の剣の道を重ね合わせ、練り上げた下段。
それはリクトが目指した活人剣であった。
百合は脳震盪から意識を取り戻すが、瞼は重く体は動かせないでいた。
ぼやけた視界の中、加藤と対峙する剣士の背中にどこか懐かしさを感じる。
霞がかったその背中が不意に構えを取り出すのが見え、思わず声が漏れる。
「ああ・・」
百合は見間違う事のない下段を構えるその背中に、震える手を伸ばそうとするが溢れる涙で一層視界がぼやけ、そのまま意識を手放してしまうのだった。
・・つづく・・
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