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王太子はお隣さん
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貞操には注意しろと言ったアマルベルダの言葉の意味を、イリアはその夜知ることになった。
夜、イリアが眠ろうと、夜着に袖を通して、部屋の明かりを消そうとしたときだった。
コンコンと壁の扉から音が聞こえて、イリアがその扉をそっと開くと、ゆったりしたガウンに身を包んだクラヴィスが立っていた。
イリアはお休みを言っていなかったことを思い出して、彼に「おやすみなさい」と挨拶した。扉を隔ててお隣さんなのだから、きちんと挨拶をすべきだ。
しかしクラヴィスは、それには返さず、なぜかイリアの部屋に入ってきた。
そしてなぜかイリアのベッドに向かうと「狭いな」と小さく文句を言ってから、そのベッドにもぐりこんでしまった。
イリアは首をひねった。
「クラヴィス、なにをしているの?」
「何って、一緒に眠ろうと思って」
「一緒に……? ええっ?」
イリアは驚いて、真っ赤になった。
「な、何を言っているの? どうして一緒に眠るの?」
「どうしてって、扉を挟んですぐそばに君がいるのに、一人で眠るなんて意味がわからない。君は婚約者なんだから、僕と一緒に寝てもおかしくないだろう」
クラヴィスはもっともらしく言ったが、イリアは騙されなかった。そう、イリアは「婚約者」であって「妻」ではない。同衾などもってのほかだ。
だが、クラヴィスも引き下がるつもりはないらしかった。
「ここのベッドが嫌なら、僕のベッドでもいいけど。でも朝起きて侍女たちに見つかりでもしたら大騒動になるだろうね」
いいからおいでと、ぽんぽんとベッドのマットレスを叩かれて、イリアは逡巡したのち諦めた。こうなれば彼はテコでも動かないだろうし、イリアが拒否し続ければ、気分を害した彼によって強制的にベッドに連行される。家出した負い目もあるし、彼を怒らせてまたお仕置きでもされたら、それこそ心臓が持ちそうもない。
(一緒に眠るだけよ、一緒に眠るだけ!)
イリアは自分に言い聞かせた。クラヴィスは分別のある大人で優しい婚約者だ。結婚前のイリアをどうこうしようなんて考えているはずもない。
イリアが渋々ベッドにもぐりこむと、クラヴィスは満足そうに微笑んで、彼女の頬にちゅっとキスをした。
「いい子だね。狭いんだからもっとこっちにおいで」
確かに狭い。城のベッドやイリアの実家のベッドと違い、大人二人で眠るのは窮屈で、くっついていないとベッドの端から落ちてしまいそうだ。
イリアは素直にクラヴィスに身を寄せた。
そして、眠るだけ、眠るだけと心の中で呪文のように唱えながら目を閉じる。しかし。
(―――ん?)
イリアはすぐに違和感に気がついた。腰のあたりをさわさわと撫でられている気がする。イリアは顔をあげて、薄暗い室内に目を凝らし、婚約者を睨みつけた。
「クラヴィス?」
「うん?」
「何をしているの?」
「イリアを撫でている」
「そ、そんなことはしないで」
「あれ、イリアってこのあたりが弱いの? 脇腹かな……」
「あ、やっ」
クラヴィスの手がするりとわき腹に移動して、下から上へ撫で上げられると、イリアはぞわぞわと背筋を這い上がるたとえようのない感覚に跳ね上がった。
クラヴィスはイリアの反応に気をよくして、執拗にわき腹を撫で上げた。イリアは目を潤ませて身をよじると、いやいやとむずがる子供のように首を振った。
「クラヴィス、だめっ」
「どうして? ここは気持ちよくない?」
「き、気持ちいとか、そんなことじゃなくて……」
正直、気持ちいいかと聞かれればよくわからなかった。気持ちいいような気もするし、耐えがたいような気もする。未来で夫だった彼はこんなことはしなかったし、イリアには目の前のクラヴィスがどうしてこんなことをするのか意味がわからなかった。
「うーん。じゃあどうしよう。――ああ、そう言えば、この前付けた痕はまだ残ってる?」
「あと?」
イリアがきょとんとしているうちに、クラヴィスがさっさと体勢を変えた。
気づけばイリアは組み敷かれており、彼によって胸元が暴かれているところだった。
「な、なにしっ」
「この前付けた痕を確かめようと思って」
「しなくていいの! まだちゃんとついていたもの!」
「ふぅん、じゃあイリア、ちゃんと痕が残っているか確かめてくれているんだね」
イリアは真っ赤になってブンブンと横に首を振った。
「違うのっ。お風呂に入ったら見えるし、そのっ」
「ああ、お風呂か。いいね。君の肌がピンク色になるところを見てみたいな。一緒に入るのも楽しそうだ」
「何を言っているのっ」
イリアは悲鳴を上げた。心臓が壊れそうだ。いったいクラヴィスはどうしたんだろう。変なスイッチでも入ってしまったのだろうか。
イリアは扉に鍵をかけなかったことを後悔した。アマルベルダに貞操に注意しろと言われて、夜は鍵をかけて眠るようにと言われたばかりだったのに。
クラヴィスは愛おしそうにイリアの頬を撫でた。
「君は可愛いな。たまらない」
彼の唇で唇を塞がれた瞬間、イリアの頭は真っ白になった。もうだめだ。イリアだってクラヴィスに触れられるのは嬉しい。でも、結婚前なのに。彼にキスをされると、抵抗する気すら起きなくなってくる。
イリアがキスの気持ちよさに、くたりと体を弛緩させたその時だった。
カリカリカリカリ―――
何かをひっかくような微かな音が聞こえて、イリアはハッとした。クラヴィスも不審に思ったらしい、イリアを開放してベッドから降りると、彼女の部屋の扉の方へ歩いていく。音は扉から聞こえていた。
クラヴィスがそーっと扉を開くと、何やらもふっとした物体が素早く部屋の中に入り込んできた。
それはベッドの手前でぴょんと飛び上がり、上体を起こしたイリアの腕の中へ納まった。
「狐さん?」
それは白狐ポチだった。ポチはふんっと鼻を鳴らすと、イリアの腕の中で丸くなった。まるで彼女を守るようなその仕草に、クラヴィスは長い溜息をついた。
「またお前か。まったく、有能なナイトだよ」
その夜、クラヴィスとイリアは、間にポチを挟んで眠ることになった。イリアに悪戯を仕掛けるのを諦めてクラヴィスは、狭い狭いと文句を言いながらもベッドから出て行かなかったが、イリアはなんだか楽しくなってしまった。
その夜、イリアはクラヴィスとポチとで草原を駆け回る穏やかな夢を見た。
夜、イリアが眠ろうと、夜着に袖を通して、部屋の明かりを消そうとしたときだった。
コンコンと壁の扉から音が聞こえて、イリアがその扉をそっと開くと、ゆったりしたガウンに身を包んだクラヴィスが立っていた。
イリアはお休みを言っていなかったことを思い出して、彼に「おやすみなさい」と挨拶した。扉を隔ててお隣さんなのだから、きちんと挨拶をすべきだ。
しかしクラヴィスは、それには返さず、なぜかイリアの部屋に入ってきた。
そしてなぜかイリアのベッドに向かうと「狭いな」と小さく文句を言ってから、そのベッドにもぐりこんでしまった。
イリアは首をひねった。
「クラヴィス、なにをしているの?」
「何って、一緒に眠ろうと思って」
「一緒に……? ええっ?」
イリアは驚いて、真っ赤になった。
「な、何を言っているの? どうして一緒に眠るの?」
「どうしてって、扉を挟んですぐそばに君がいるのに、一人で眠るなんて意味がわからない。君は婚約者なんだから、僕と一緒に寝てもおかしくないだろう」
クラヴィスはもっともらしく言ったが、イリアは騙されなかった。そう、イリアは「婚約者」であって「妻」ではない。同衾などもってのほかだ。
だが、クラヴィスも引き下がるつもりはないらしかった。
「ここのベッドが嫌なら、僕のベッドでもいいけど。でも朝起きて侍女たちに見つかりでもしたら大騒動になるだろうね」
いいからおいでと、ぽんぽんとベッドのマットレスを叩かれて、イリアは逡巡したのち諦めた。こうなれば彼はテコでも動かないだろうし、イリアが拒否し続ければ、気分を害した彼によって強制的にベッドに連行される。家出した負い目もあるし、彼を怒らせてまたお仕置きでもされたら、それこそ心臓が持ちそうもない。
(一緒に眠るだけよ、一緒に眠るだけ!)
イリアは自分に言い聞かせた。クラヴィスは分別のある大人で優しい婚約者だ。結婚前のイリアをどうこうしようなんて考えているはずもない。
イリアが渋々ベッドにもぐりこむと、クラヴィスは満足そうに微笑んで、彼女の頬にちゅっとキスをした。
「いい子だね。狭いんだからもっとこっちにおいで」
確かに狭い。城のベッドやイリアの実家のベッドと違い、大人二人で眠るのは窮屈で、くっついていないとベッドの端から落ちてしまいそうだ。
イリアは素直にクラヴィスに身を寄せた。
そして、眠るだけ、眠るだけと心の中で呪文のように唱えながら目を閉じる。しかし。
(―――ん?)
イリアはすぐに違和感に気がついた。腰のあたりをさわさわと撫でられている気がする。イリアは顔をあげて、薄暗い室内に目を凝らし、婚約者を睨みつけた。
「クラヴィス?」
「うん?」
「何をしているの?」
「イリアを撫でている」
「そ、そんなことはしないで」
「あれ、イリアってこのあたりが弱いの? 脇腹かな……」
「あ、やっ」
クラヴィスの手がするりとわき腹に移動して、下から上へ撫で上げられると、イリアはぞわぞわと背筋を這い上がるたとえようのない感覚に跳ね上がった。
クラヴィスはイリアの反応に気をよくして、執拗にわき腹を撫で上げた。イリアは目を潤ませて身をよじると、いやいやとむずがる子供のように首を振った。
「クラヴィス、だめっ」
「どうして? ここは気持ちよくない?」
「き、気持ちいとか、そんなことじゃなくて……」
正直、気持ちいいかと聞かれればよくわからなかった。気持ちいいような気もするし、耐えがたいような気もする。未来で夫だった彼はこんなことはしなかったし、イリアには目の前のクラヴィスがどうしてこんなことをするのか意味がわからなかった。
「うーん。じゃあどうしよう。――ああ、そう言えば、この前付けた痕はまだ残ってる?」
「あと?」
イリアがきょとんとしているうちに、クラヴィスがさっさと体勢を変えた。
気づけばイリアは組み敷かれており、彼によって胸元が暴かれているところだった。
「な、なにしっ」
「この前付けた痕を確かめようと思って」
「しなくていいの! まだちゃんとついていたもの!」
「ふぅん、じゃあイリア、ちゃんと痕が残っているか確かめてくれているんだね」
イリアは真っ赤になってブンブンと横に首を振った。
「違うのっ。お風呂に入ったら見えるし、そのっ」
「ああ、お風呂か。いいね。君の肌がピンク色になるところを見てみたいな。一緒に入るのも楽しそうだ」
「何を言っているのっ」
イリアは悲鳴を上げた。心臓が壊れそうだ。いったいクラヴィスはどうしたんだろう。変なスイッチでも入ってしまったのだろうか。
イリアは扉に鍵をかけなかったことを後悔した。アマルベルダに貞操に注意しろと言われて、夜は鍵をかけて眠るようにと言われたばかりだったのに。
クラヴィスは愛おしそうにイリアの頬を撫でた。
「君は可愛いな。たまらない」
彼の唇で唇を塞がれた瞬間、イリアの頭は真っ白になった。もうだめだ。イリアだってクラヴィスに触れられるのは嬉しい。でも、結婚前なのに。彼にキスをされると、抵抗する気すら起きなくなってくる。
イリアがキスの気持ちよさに、くたりと体を弛緩させたその時だった。
カリカリカリカリ―――
何かをひっかくような微かな音が聞こえて、イリアはハッとした。クラヴィスも不審に思ったらしい、イリアを開放してベッドから降りると、彼女の部屋の扉の方へ歩いていく。音は扉から聞こえていた。
クラヴィスがそーっと扉を開くと、何やらもふっとした物体が素早く部屋の中に入り込んできた。
それはベッドの手前でぴょんと飛び上がり、上体を起こしたイリアの腕の中へ納まった。
「狐さん?」
それは白狐ポチだった。ポチはふんっと鼻を鳴らすと、イリアの腕の中で丸くなった。まるで彼女を守るようなその仕草に、クラヴィスは長い溜息をついた。
「またお前か。まったく、有能なナイトだよ」
その夜、クラヴィスとイリアは、間にポチを挟んで眠ることになった。イリアに悪戯を仕掛けるのを諦めてクラヴィスは、狭い狭いと文句を言いながらもベッドから出て行かなかったが、イリアはなんだか楽しくなってしまった。
その夜、イリアはクラヴィスとポチとで草原を駆け回る穏やかな夢を見た。
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