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犯人捕縛作戦 5
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放課後、ウォルターに用意してもらった二年三組の生徒の部活動の一覧と、それから昨日の行動履歴の写しをもらって、エイミーはカニング侯爵家に帰宅した。
「やっぱりこれ、おかしいのよね」
自室でエイミーが資料を見ながらぶつぶつ呟いていると、スージーがお茶を入れながら首を傾げる。
「なにがおかしいんですか?」
「うん……。ねえスージー、例えばなんだけど、園芸部に在籍していない人が、こっそり園芸部の部室を訪れる理由って何だと思う?」
「花が見たくなったんじゃないですか?」
「それが、肥料とかしゃべるとかを収めている倉庫だったとしたら?」
スージーは不思議そうな顔をして、うーんと唸った。
「そうですね……ええっと、何か花を植えたくなったけど肥料もしゃべるも持っていないから、倉庫から拝借しようとした、とか? でもそれって泥棒ですよねー」
「じゃあ、それが音楽室だったらどうかしら?」
「音楽室ですか?」
「ええ。音楽室は放課後、音楽部が使うでしょう? でも、音楽部が楽器を持ち出したあとで、こっそり誰かが音楽室に入ったら……それも泥棒目的だと思う?」
「フリージア学園のお話ですよね? フリージア学園の楽器が盗まれたりしたら大騒ぎになりませんか? 肥料とかしゃべるくらいなら騒がれないでしょうが、さすがに楽器は高価ですし……」
「盗難届が出されて、すぐに捕まるわよね」
「盗まれたんですか?」
「うーん、どうかしら? まだ調べてみないとわからないわ」
エイミーは資料を置いて、スージーが入れてくれた紅茶に口をつけた。
それからしばらく考え込んで、紅茶を飲みほしてから立ち上がる。
「ねえ、今日お兄様はいるかしら?」
「はい、お嬢様のあとに帰っていらっしゃいましたよ」
「ありがとう」
エイミーはスージーに断って、資料を片手に、兄パトリックの部屋へ向かった。
扉を叩けば、すぐに返事がある。
「お兄様、入りますねー」
扉を開ければ、パトリックは一人がけのソファに座って本を読んでいた。
エイミーの顔を見て、ちょっと複雑な表情を浮かべる。
「お前、今度は何をやらかしたんだ?」
「どうしたんですか藪から棒に。わたし、なにかやらかしたことなんてないですよ」
「お前の常識はどうなっているんだろう……」
パトリックはやれやれと息をついて、本にしおりを挟んで閉じるとテーブルの上に置く。
「学園じゃあ、お前が殿下を追いかけまわしていると噂になっているぞ。その相談に来たんじゃないのか?」
「違いますけど? その噂、何か対策が必要なんですか?」
「必要じゃないと思っているお前がすごいな。ここ数日おとなしくしていたようだから、噂を消すために頑張っているのかと思っていたが違ったのか……」
「殿下はもう好きな時にぎゅーさせてくれるので、追いかける必要がなくなっただけです」
「妄想か?」
「違います!」
この兄は、兄のくせにたまにひどい。
ぷーっと頬を膨らませると、パトリックが「殿下も可哀想にな……」と意味不明なことを言った。
エイミーはふくれっ面のままパトリックの対面のソファに腰を掛けた。
「お兄様、教えてほしいことがあるんです」
「殿下の秘密なら知らないぞ」
「なんでわたしがお兄様に殿下の秘密を聞くんですか? わたしの方がお兄様よりも十倍……ううん、百倍は殿下に詳しいですから必要ないです! だってお兄様は殿下の耳のここにほくろがあることも知らないでしょ?」
「逆になんでそんな見えにくいところのほくろの存在をお前が知っている……」
「えっへん!」
「褒めてない!」
「?」
てっきりよく知っているなと褒められたと思ったのに怒られて、エイミーは「なんでだろう」と首をひねる。
パトリックはもう一度息を吐き出した。
「それで、教えてほしいことってなんだ」
「これです。この人物について、教えてほしいことがあるんです」
資料を机の上に置いて、エイミーは名簿の中にある一人の人物の名前を指さした。
「やっぱりこれ、おかしいのよね」
自室でエイミーが資料を見ながらぶつぶつ呟いていると、スージーがお茶を入れながら首を傾げる。
「なにがおかしいんですか?」
「うん……。ねえスージー、例えばなんだけど、園芸部に在籍していない人が、こっそり園芸部の部室を訪れる理由って何だと思う?」
「花が見たくなったんじゃないですか?」
「それが、肥料とかしゃべるとかを収めている倉庫だったとしたら?」
スージーは不思議そうな顔をして、うーんと唸った。
「そうですね……ええっと、何か花を植えたくなったけど肥料もしゃべるも持っていないから、倉庫から拝借しようとした、とか? でもそれって泥棒ですよねー」
「じゃあ、それが音楽室だったらどうかしら?」
「音楽室ですか?」
「ええ。音楽室は放課後、音楽部が使うでしょう? でも、音楽部が楽器を持ち出したあとで、こっそり誰かが音楽室に入ったら……それも泥棒目的だと思う?」
「フリージア学園のお話ですよね? フリージア学園の楽器が盗まれたりしたら大騒ぎになりませんか? 肥料とかしゃべるくらいなら騒がれないでしょうが、さすがに楽器は高価ですし……」
「盗難届が出されて、すぐに捕まるわよね」
「盗まれたんですか?」
「うーん、どうかしら? まだ調べてみないとわからないわ」
エイミーは資料を置いて、スージーが入れてくれた紅茶に口をつけた。
それからしばらく考え込んで、紅茶を飲みほしてから立ち上がる。
「ねえ、今日お兄様はいるかしら?」
「はい、お嬢様のあとに帰っていらっしゃいましたよ」
「ありがとう」
エイミーはスージーに断って、資料を片手に、兄パトリックの部屋へ向かった。
扉を叩けば、すぐに返事がある。
「お兄様、入りますねー」
扉を開ければ、パトリックは一人がけのソファに座って本を読んでいた。
エイミーの顔を見て、ちょっと複雑な表情を浮かべる。
「お前、今度は何をやらかしたんだ?」
「どうしたんですか藪から棒に。わたし、なにかやらかしたことなんてないですよ」
「お前の常識はどうなっているんだろう……」
パトリックはやれやれと息をついて、本にしおりを挟んで閉じるとテーブルの上に置く。
「学園じゃあ、お前が殿下を追いかけまわしていると噂になっているぞ。その相談に来たんじゃないのか?」
「違いますけど? その噂、何か対策が必要なんですか?」
「必要じゃないと思っているお前がすごいな。ここ数日おとなしくしていたようだから、噂を消すために頑張っているのかと思っていたが違ったのか……」
「殿下はもう好きな時にぎゅーさせてくれるので、追いかける必要がなくなっただけです」
「妄想か?」
「違います!」
この兄は、兄のくせにたまにひどい。
ぷーっと頬を膨らませると、パトリックが「殿下も可哀想にな……」と意味不明なことを言った。
エイミーはふくれっ面のままパトリックの対面のソファに腰を掛けた。
「お兄様、教えてほしいことがあるんです」
「殿下の秘密なら知らないぞ」
「なんでわたしがお兄様に殿下の秘密を聞くんですか? わたしの方がお兄様よりも十倍……ううん、百倍は殿下に詳しいですから必要ないです! だってお兄様は殿下の耳のここにほくろがあることも知らないでしょ?」
「逆になんでそんな見えにくいところのほくろの存在をお前が知っている……」
「えっへん!」
「褒めてない!」
「?」
てっきりよく知っているなと褒められたと思ったのに怒られて、エイミーは「なんでだろう」と首をひねる。
パトリックはもう一度息を吐き出した。
「それで、教えてほしいことってなんだ」
「これです。この人物について、教えてほしいことがあるんです」
資料を机の上に置いて、エイミーは名簿の中にある一人の人物の名前を指さした。
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