親友に恋をしていただけなのに

むいあ

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1話

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俺、柴上冬人は親友に恋をしている。

だが、親友はノンケだし、俺ものこともあくまで「親友」として仲良くしてくれている。
そんな関係が、ありがたくもあるし、憎くもある。

しかし、もう俺も高校一年生になったのだ。
この思いはもうそろそろ、断ち切らなければ、封印しなければならない。
俺のためにも、親友のためにも。

そう朝から考えていると、下からお母さんの声が聞こえてきた。

「冬人~!!悠生ゆうせいくんきてくれてるわよ~!!」

「え、ま、まずい!!
ゆうにこんな格好見せるわけにはいかない!!」

俺は30秒で着替え1分で髪の毛を整え、いつもの陽キャスタイルに変身した。

「ゆう、おはよう!!」

「あぁ、ふゆ。
おはよ」

あぁーーー!!
今日も親友がクールイケメン!!
かっこいいーー!!

そう、心の中で悠生のイケメンさを崇めていると、

「ふゆ、なんか上でバタバタしてたけど大丈夫か?」

「あ、あぁ、全然平気だ!!
ちょっと転んじゃっただけで。」

「転んだ!?!?
それは大変だ!!
今すぐ応急処置しよう!!」

「だ、大丈夫だから!!
そんなにひどくぶつけてないし!
な!!
だから朝ごはん食おうぜ!!」

そう、実は俺らは2年ほど前から毎朝一緒にご飯を食べていた。
その理由は、悠生のお母さんにある。

悠生のお母さんは、会社の都合により、俺らが高校を卒業する後3年後まで、海外に行かなければなら無くなってしまったのだ。
悠生のお父さんは、悠生のお母さんが海外に行ってしまうのは耐えられんと言って、悠生のお母さんについて行ったのだ。
悠生は英語も喋れないし、中2で転校するのも嫌だと言って、お父さん、お母さんについて行かなかったのだ。

それならば、ということで、現在ご飯は俺と一緒に毎日食べている。

悠生の家には誰もいないので、悠生がたびたび俺の家に泊まることもあるが、やはり、この年頃は俺もだが1人になりたい時も多いため、一緒に住むといことまではいかなかった。

俺はそのことを少しありがたいと思ってしまった。
ずっと一緒に暮らしていたら、俺は気持ちを抑えきれずに、悠生に告げてしまっていただろう。
そんなことをすれば、この「親友」という最高の関係が崩れてしまう。

そこで、悠生が俺も冬人のことが好き、となるのであれば話は別だが、そんなことあるはずもない。
なぜなら、あいつは今まで女の子のことしか好きになったことがない。
つまり、男の俺は論外と言うことなのだ。

この関係が崩れるのであれば、告白をして気まずくなったり、もう話せなくなったりしてしまうのであれば、俺は、悠生にこの気持ちを伝える気はない。

卑怯だと言う人もいるだろう。
だがいいのだ。
俺は悠生と話せてさえいれば。
この想いが一生届かなくとも。

それに、俺はきっといつまで立っても君に本当の姿を見せることはできないから。

「ふゆ?
手止まってるけど、どうした?」

「あ、ごめん、ちょっと考え事してた
って、あ!!もうこんな時間!?!?
やばいやばい!ゆう!急いで食って出るぞ!!」

これから波乱を迎える日常などつゆ知らず、おれは、ゆうと一緒に高校に走ったのであった。
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