ラストプリンセス

SNOW❄️

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Epilogue ーーはじまりの夢

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「天野くん、隣の席……空いてる?」

その声は、よく知っている――
でも、現実では“はじめまして”の声だった。

あの戦いも、あの想いも、
リュークスも、クロウも、月の王国も――
全部、“夢”だったのかもしれない。

だけど、胸の奥に残った温もりだけは、
今も確かにここにある。

「あ、うん……どうぞ」

星名セレス。
その名前も、彼女の銀色の髪も、
夢の中と寸分違わず、同じだった。

初対面のはずなのに、なぜか懐かしい。
言葉を交わしたことも、
触れたこともないはずなのに、
彼女の隣にいると、不思議と
“懐かしさ”に包まれる。

セレスが、ちらりとこちらを見て、小さく笑った。

「ねえ、天野くん。……
変なこと聞くかもしれないけど、
“夢の中で会った気がする”
って思ったこと、ない?」

その瞬間、時間が止まった気がした。

「……ある。今、まさにそれを思ってた」

ふたりは目を合わせて、少しだけ笑いあった。

教室の窓の外、初夏の風が通り抜ける。
誰も気づかない、その小さな会話だけが、
ふたりの中で“物語の続きを始めた”。

これはきっと――
まだ始まってもいなかった物語。

あの夢は、未来の予告だったのかもしれない。
運命なんて、大げさな言葉じゃなくていい。

ただ、彼女の隣にいたいと思った。
それだけが、夢を超えて、胸に残っている。

今日からまた、はじまり。

そして――いつか本当に、
「君を守りたい」と言えるようになる日まで。

するとセレスが言う
「ねぇ、天野くん。私ね。
大好きなんだよね、君のこと。」

奏汰は驚く
「え!?ほんとに?」

セレスは微笑んで
「うん。大好き。天野くん…いや、奏汰。」

2人は微笑み合う。ここからが始まり。
心を分かち合い、これからも歩んでいくだろう。

現実は、魔法なんか使えない。
けれど、ふたりで紡ぐ時間のなかに、
確かに“奇跡”は宿っている。

それが、恋という名の魔法。

どんな運命よりも、どんな戦いよりも、
君と出会えたことが――一番のファンタジー。

そして、彼は静かに心の中で呟いた。

「君が僕のラストプリンセスなら、
僕は、君のファーストナイトでありたい」

それは恋とファンタジーの交差点で生まれた、たった一つの真実。
そうだった。
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